2020年
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※恋愛要素は皆無。綱海とただただ遊ぶだけ。
「な、ん、で!山!!なんだよ!!」
到着早々、綱海条介は大きな声でそう叫んだ。
『そりゃあ夏だからよ』
「夏と言えば海だろ!?」
『綱海は年中海じゃない』
そう言えば、確かにそうだけど...、と綱海は言い淀んだ。
練習が休みになれば毎回、海にサーフィンしに行ってるのに飽きないものか。
『たまには良いじゃない』
ね?と目を見て言えば、綱海はぷい、と子供っぽくむくれた。
しかし、もののの10分もすれば...
「水津!やっべー!!クワガタ捕まえた!!」
木に止まっていたクワガタを捕まえて、大はしゃぎしていた。やっぱり男の子だな。
『何?ノコギリ?』
「いや、かと思ったけど足の付け根が黄色いからミヤマ!」
にししっと笑って、綱海は捕まえたミヤマクワガタを見せてきた。
『おーけー、分かったからそれ以上は近づけないでね。見るのはいいけど触るのはヤダから』
「なんだよ、お前田舎育ちだって言ったじゃん」
『田舎の女子が虫触れると思うなよ!!寧ろ毎年大量に色んな虫湧くせいで苦手な子のが多いわ!!』
カブトムシ、クワガタムシくらいは兄弟が飼ってたから見るのは平気だけどさぁ。
「ふーん。で、お前はそこしゃがみこんで何見てんだ?」
『ん?これ?アリジゴク居たから』
「虫じゃねーか!」
うん、まあ虫だけどさぁ。
『アリジゴクいんの珍しいからさ。ほら見てみ、ちゃんと砂地獄になってて蟻捕食するから』
へー、と言って綱海はちょこんと隣に座って、私の足元にある砂地獄を見た。
「この中にアリジゴクっていんのか」
『そう。その辺蟻いる?摘んで入れてご覧。あ、蟻は殺さないようにね。生きてないと食べないから』
「お前やけに詳しいな」
『弟が昔、自由研究でウスバカゲロウ育ててたからね』
そう言えば綱海は首を傾げた。
「ウスバカゲロウ???」
『アリジゴクが成虫になったらウスバカゲロウになるの。ちっちゃいトンボみたいなやつ』
「カゲロウって確か1日くらいで死ぬんじゃなかったっけ?」
『うん。けどウスバカゲロウはカゲロウにしては長くて1週間生きるんだよ』
「長くて1週間って、蝉にしろ虫の命って儚いな」
そうね、と頷けば綱海はゆっくり立ち上がった。
「蟻居たわ」
そう言って綱海は少し歩いた先で座って手の甲に蟻を乗せて戻ってきた。
そしてそれを払って砂地獄に落とした。
「おおー!すっげ、マジで砂地獄って落ちたら抜けれないんだな!」
『今、命儚いって話したのに』
「いや、だってこんな珍しいの見たいだろ!?」
『それはそう』
好奇心猫を殺す、って奴だ。
落とされた蟻は砂地獄の中を抜け出そうともがくが、真ん中の穴からアリジゴクが姿を出し、噛み付いて蟻を穴の中へと持ち帰って行った。
『ちなみにアリジゴクって蟻の体液だけ吸うんだって』
「じゃあ、本体は捨てんのかよ?」
『そうらしいよ』
「怖ぇえなアリジゴク」
『ねー』
まあ命が儚いって話した後に容赦なくアリジゴクの餌として蟻を殺した私たちが言えたことじゃないが。
よいしょ、と立ち上がれば、綱海も一緒に立ち上がる。
「あっちいなぁ...」
『暑いね...。水辺いく?』
「海か!」
『んにゃ、川!』
なんだよ、と綱海は肩を下ろす。
今から山降りて海行くってしんどすぎるし、何より今涼みたいのだ。
『ほら、あっちに川あるから行きましょ』
綱海の手をグイグイと引いて木々の先を抜ける。
茂みを分けて水音のする方に抜ければ、道は苔むした大岩に代わりその先には川になっていた。向こう岸までは3Mくらいあるだろうか。そこそこ川幅がある。
『良かった、流れは速くないね』
ちょっと中に入ってもこれなら大丈夫そうだ。
けど気をつけないとね。毎年川で遊んで死ぬ子が絶えないし。
「おお、ここはちょっと涼しいな」
『周りの木のお陰で影にもなってるからね』
ただそのおかげで足場は苔むしてるし、川から跳ねた水で濡れているから滑って落ちないようにしないと。
「よし!『飛び込んだらダメよ』
今まさに駆け出そうとしていたであろう綱海にそういえば、ブーとブーイングをもらった。
『海と違って川は浅いし頭打ったらどうするの!靴脱ぐのは危ないからダメよ』
川の中の岩肌がどうなってるかも分からないし。
『あとその手のサンダルは脱げるからダメよ』
「ダメダメばっかじゃねーか。水ん中入れねーんじゃ涼みにきた意味ねー」
いや君を川の中に入れたら、全ての川は海に繋がってる!って言って海まで泳いでいくじゃん。
『じゃあ、ちょっと足つけるだけね。どっか苔のない岩場探そ。そこなら滑らないだろうし』
そう言えば、綱海はおお!と嬉しそうに笑った。
「あの辺どうだ!苔少なそうじゃね!?」
そう言って綱海は走り出す。
『馬鹿馬鹿!危ないから走るな!!』
「へーきへーき!」
そう言って綱海はこちらを振り返ろうとした。
「へ?」
『バカっ!!』
ずるっ、と濡れた苔に足を滑らせて、綱海が川の方へと転ぶ。
慌てて手を伸ばして、綱海の手を取るが...、無論綱海の方が重いので、支えることが出来ずに共に倒れる。
ぼちゃん、と2人して川の中に沈む。
掴まれていた腕を綱海は手繰り寄せて、私の身体を引き寄せて、後ろに回って抱きしめて、上に向かって泳いで顔をだした。
「ぷはっ、大丈夫か水津!」
『、ありがと。はあ...もう大丈夫。思ったより川が深くて良かったよ』
何より、私も綱海も互いが海育ちで、飛び込んだ時とか海に落ちた時の対処法を知ってたからどうにかなった。多分、普通の女の子は泳げる子でも落ちた衝撃で途端に泳げなくなるし暴れる事になる。そして普通の男の子は自分が落ちた衝撃で同じように泳げなくなり人の救難なんか出来やしない。
着ていたTシャツを1度たくし上げ水上の空気を入れて下に下げて浮き輪代わりにする。
「どうする?ここからこのまま泳いで行ったら海に出るんじゃないか!?」
『海に出てそこからどう帰んのよ。海上なんか右も左もわかんないでしょうが。だいたい海まで泳いだら低体温症で死ぬわ』
「だよな〜。あ、あの辺から上がれそうだわ」
動くぞ、と綱海に抱えられたまま泳いで移動する。
掴まれそうな岩場の前で、綱海に抱え上げてもららう。岩と岩の間に足を入れて、一歩一歩ゆっくりの上がる。
1番上まで上がったら、同じように綱海も上がってきたので、手を貸す。
「サンキュ」
『もう、この上で走んないでね』
そう言えば、悪かったって!と平謝りした。
『しかし、ぐちゃぐちゃだわ...。天気いいから日の当たるとこ行けばすぐ乾くだろうけど』
服の裾をつまんで軽く絞って水気を少しでも取ろうとするが、下着まで濡れたしあんま意味ないな。
綱海着ていたシャツをおもむろに脱いで雑巾絞りのように硬くぎゅっと絞ったあとまるでタオルのように肩にかけた。
「とりあえず山頂行こうぜ!そこが1番お天道さんに近いだろ」
『そうね。山頂着くまでに乾きそうだけど』
2人並んでのんびりと歩き出して山頂を目指す。
『着いた〜!』
山頂に到着した頃にはやっぱりすっかり濡れた服も乾いていた。
大きい山ではないのだが、山頂まではやっぱり歩きだと40分くらいかかった。
まあサッカーやってると前半だけでも40分はフィールド内を駆け回ってるからそんなに苦じゃなった。
「おおー、すっげー!」
山頂は見晴らしが良く、街を見下ろす事が出来る。
『いい景色だね』
「だな〜。水津!向こうに海も見えるぜ!」
『綱海はどこ行っても海だねぇ』
しみじみとそう言えば、綱海は当然だろと笑って見せた。
「なあ、水津」
『なに?』
「連れてきてくれてサンキューな」
ん?と首を傾げれば、綱海は笑っている。
「山もたまには悪くねぇなって!」
彼の言葉に嬉しくなって、そっかと頷き笑った。
そういうわけで、来週は海行こうぜ!
結局海じゃねーか、と思いっきりつっこんだ。
「な、ん、で!山!!なんだよ!!」
到着早々、綱海条介は大きな声でそう叫んだ。
『そりゃあ夏だからよ』
「夏と言えば海だろ!?」
『綱海は年中海じゃない』
そう言えば、確かにそうだけど...、と綱海は言い淀んだ。
練習が休みになれば毎回、海にサーフィンしに行ってるのに飽きないものか。
『たまには良いじゃない』
ね?と目を見て言えば、綱海はぷい、と子供っぽくむくれた。
しかし、もののの10分もすれば...
「水津!やっべー!!クワガタ捕まえた!!」
木に止まっていたクワガタを捕まえて、大はしゃぎしていた。やっぱり男の子だな。
『何?ノコギリ?』
「いや、かと思ったけど足の付け根が黄色いからミヤマ!」
にししっと笑って、綱海は捕まえたミヤマクワガタを見せてきた。
『おーけー、分かったからそれ以上は近づけないでね。見るのはいいけど触るのはヤダから』
「なんだよ、お前田舎育ちだって言ったじゃん」
『田舎の女子が虫触れると思うなよ!!寧ろ毎年大量に色んな虫湧くせいで苦手な子のが多いわ!!』
カブトムシ、クワガタムシくらいは兄弟が飼ってたから見るのは平気だけどさぁ。
「ふーん。で、お前はそこしゃがみこんで何見てんだ?」
『ん?これ?アリジゴク居たから』
「虫じゃねーか!」
うん、まあ虫だけどさぁ。
『アリジゴクいんの珍しいからさ。ほら見てみ、ちゃんと砂地獄になってて蟻捕食するから』
へー、と言って綱海はちょこんと隣に座って、私の足元にある砂地獄を見た。
「この中にアリジゴクっていんのか」
『そう。その辺蟻いる?摘んで入れてご覧。あ、蟻は殺さないようにね。生きてないと食べないから』
「お前やけに詳しいな」
『弟が昔、自由研究でウスバカゲロウ育ててたからね』
そう言えば綱海は首を傾げた。
「ウスバカゲロウ???」
『アリジゴクが成虫になったらウスバカゲロウになるの。ちっちゃいトンボみたいなやつ』
「カゲロウって確か1日くらいで死ぬんじゃなかったっけ?」
『うん。けどウスバカゲロウはカゲロウにしては長くて1週間生きるんだよ』
「長くて1週間って、蝉にしろ虫の命って儚いな」
そうね、と頷けば綱海はゆっくり立ち上がった。
「蟻居たわ」
そう言って綱海は少し歩いた先で座って手の甲に蟻を乗せて戻ってきた。
そしてそれを払って砂地獄に落とした。
「おおー!すっげ、マジで砂地獄って落ちたら抜けれないんだな!」
『今、命儚いって話したのに』
「いや、だってこんな珍しいの見たいだろ!?」
『それはそう』
好奇心猫を殺す、って奴だ。
落とされた蟻は砂地獄の中を抜け出そうともがくが、真ん中の穴からアリジゴクが姿を出し、噛み付いて蟻を穴の中へと持ち帰って行った。
『ちなみにアリジゴクって蟻の体液だけ吸うんだって』
「じゃあ、本体は捨てんのかよ?」
『そうらしいよ』
「怖ぇえなアリジゴク」
『ねー』
まあ命が儚いって話した後に容赦なくアリジゴクの餌として蟻を殺した私たちが言えたことじゃないが。
よいしょ、と立ち上がれば、綱海も一緒に立ち上がる。
「あっちいなぁ...」
『暑いね...。水辺いく?』
「海か!」
『んにゃ、川!』
なんだよ、と綱海は肩を下ろす。
今から山降りて海行くってしんどすぎるし、何より今涼みたいのだ。
『ほら、あっちに川あるから行きましょ』
綱海の手をグイグイと引いて木々の先を抜ける。
茂みを分けて水音のする方に抜ければ、道は苔むした大岩に代わりその先には川になっていた。向こう岸までは3Mくらいあるだろうか。そこそこ川幅がある。
『良かった、流れは速くないね』
ちょっと中に入ってもこれなら大丈夫そうだ。
けど気をつけないとね。毎年川で遊んで死ぬ子が絶えないし。
「おお、ここはちょっと涼しいな」
『周りの木のお陰で影にもなってるからね』
ただそのおかげで足場は苔むしてるし、川から跳ねた水で濡れているから滑って落ちないようにしないと。
「よし!『飛び込んだらダメよ』
今まさに駆け出そうとしていたであろう綱海にそういえば、ブーとブーイングをもらった。
『海と違って川は浅いし頭打ったらどうするの!靴脱ぐのは危ないからダメよ』
川の中の岩肌がどうなってるかも分からないし。
『あとその手のサンダルは脱げるからダメよ』
「ダメダメばっかじゃねーか。水ん中入れねーんじゃ涼みにきた意味ねー」
いや君を川の中に入れたら、全ての川は海に繋がってる!って言って海まで泳いでいくじゃん。
『じゃあ、ちょっと足つけるだけね。どっか苔のない岩場探そ。そこなら滑らないだろうし』
そう言えば、綱海はおお!と嬉しそうに笑った。
「あの辺どうだ!苔少なそうじゃね!?」
そう言って綱海は走り出す。
『馬鹿馬鹿!危ないから走るな!!』
「へーきへーき!」
そう言って綱海はこちらを振り返ろうとした。
「へ?」
『バカっ!!』
ずるっ、と濡れた苔に足を滑らせて、綱海が川の方へと転ぶ。
慌てて手を伸ばして、綱海の手を取るが...、無論綱海の方が重いので、支えることが出来ずに共に倒れる。
ぼちゃん、と2人して川の中に沈む。
掴まれていた腕を綱海は手繰り寄せて、私の身体を引き寄せて、後ろに回って抱きしめて、上に向かって泳いで顔をだした。
「ぷはっ、大丈夫か水津!」
『、ありがと。はあ...もう大丈夫。思ったより川が深くて良かったよ』
何より、私も綱海も互いが海育ちで、飛び込んだ時とか海に落ちた時の対処法を知ってたからどうにかなった。多分、普通の女の子は泳げる子でも落ちた衝撃で途端に泳げなくなるし暴れる事になる。そして普通の男の子は自分が落ちた衝撃で同じように泳げなくなり人の救難なんか出来やしない。
着ていたTシャツを1度たくし上げ水上の空気を入れて下に下げて浮き輪代わりにする。
「どうする?ここからこのまま泳いで行ったら海に出るんじゃないか!?」
『海に出てそこからどう帰んのよ。海上なんか右も左もわかんないでしょうが。だいたい海まで泳いだら低体温症で死ぬわ』
「だよな〜。あ、あの辺から上がれそうだわ」
動くぞ、と綱海に抱えられたまま泳いで移動する。
掴まれそうな岩場の前で、綱海に抱え上げてもららう。岩と岩の間に足を入れて、一歩一歩ゆっくりの上がる。
1番上まで上がったら、同じように綱海も上がってきたので、手を貸す。
「サンキュ」
『もう、この上で走んないでね』
そう言えば、悪かったって!と平謝りした。
『しかし、ぐちゃぐちゃだわ...。天気いいから日の当たるとこ行けばすぐ乾くだろうけど』
服の裾をつまんで軽く絞って水気を少しでも取ろうとするが、下着まで濡れたしあんま意味ないな。
綱海着ていたシャツをおもむろに脱いで雑巾絞りのように硬くぎゅっと絞ったあとまるでタオルのように肩にかけた。
「とりあえず山頂行こうぜ!そこが1番お天道さんに近いだろ」
『そうね。山頂着くまでに乾きそうだけど』
2人並んでのんびりと歩き出して山頂を目指す。
『着いた〜!』
山頂に到着した頃にはやっぱりすっかり濡れた服も乾いていた。
大きい山ではないのだが、山頂まではやっぱり歩きだと40分くらいかかった。
まあサッカーやってると前半だけでも40分はフィールド内を駆け回ってるからそんなに苦じゃなった。
「おおー、すっげー!」
山頂は見晴らしが良く、街を見下ろす事が出来る。
『いい景色だね』
「だな〜。水津!向こうに海も見えるぜ!」
『綱海はどこ行っても海だねぇ』
しみじみとそう言えば、綱海は当然だろと笑って見せた。
「なあ、水津」
『なに?』
「連れてきてくれてサンキューな」
ん?と首を傾げれば、綱海は笑っている。
「山もたまには悪くねぇなって!」
彼の言葉に嬉しくなって、そっかと頷き笑った。
そういうわけで、来週は海行こうぜ!
結局海じゃねーか、と思いっきりつっこんだ。