フットボールフロンティア編
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サッカー部員たちの中でも風丸が陸上部に戻るんじゃないか、なんて噂が広まっているが、放課後の部活で風丸は昨日と打って変わって調子をあげ、炎の風見鶏の精度も上げていた。
マネージャー達はベンチでみんなの練習を見守る中、隣に立った夏未ちゃんのスカートからピリリピリリと音が鳴った。
きた...。
ポケットから携帯を取り出した夏未ちゃんはボタンを押して耳に当てた。
「どうしたの、場寅。...えっ?」
場寅さんからの電話に出た夏未の顔が、驚き、そして青ざめて行く。
「夏未さん?」
秋ちゃんが不思議そうに夏未ちゃんを見上げて見た。
そっと、携帯を下げて、夏未ちゃんは震えていた。
「お、お父様が...」
ああ、やっぱり。思わず目を伏せる。
どうした?とベンチの異常に気がついた円堂が駆け寄ってくる。
ああ、嗚呼...。あの時、気をつけてだけじゃなくて、危険だから行くなと言えれば良かった。
『...ごめんなさい...』
「水津?」
目を開ければ目の前に円堂が居て、肩をぽんと叩かれる。
夏未ちゃんを見れば、秋ちゃんが彼女が倒れてしまわないように支えに回っている。
何をしてるんだ私は。夏未ちゃんを支えようって決めてたのに。
「雷門を病院に連れて行ってくるけど、水津もついて来れるか?」
『...うん。行くよ』
力強く頷いて、秋ちゃんが支えてる反対側に回って夏未ちゃんに声をかける。
『夏未ちゃん。一緒に行こう』
「...水津さん...」
『秋ちゃんも、そばに居てくれる?』
「無論よ。行きましょう」
稲妻総合病院まで、全速力で走って、夏未ちゃんが連絡を受けた、階層までエレベーターで登って突っ走る。
「場寅!」
エレベーターを降りたすぐ先の待合用の椅子に座って居た場寅さんを見つけて駆け寄れば、場寅さんは青い顔をしたまま立ち上がって夏未ちゃんに近寄った。
「お父様は...!」
「あれだけの傷を負いながらも気を失うまでずっとフットボールフロンティアの成功を気にかけておられました」
場寅さんの目線に合わせて動かせば、理事長は集中治療室の中の様子だった。
「夏未さん...」
涙を浮かべて震える夏未ちゃんの手を秋ちゃんが取る。
「大丈夫...。大丈夫よ」
『夏未ちゃん...』
そっと彼女の背中に手を置いて、トントンと落ち着かせるようにリズムを取る。
『...大丈夫。きっと、フットボールフロンティアが心配になって、直ぐに意識を取り戻すわ』
「ええ...」
震えて頷く夏未ちゃんを見て、それから円堂は場寅さんを見上げた。
「何があったんですか...」
「全国大会会場となるフロンティアスタジアムを下見した帰りに...事故に遭われたのです。搭乗していた関係者の皆様も傷を負われましたが...最も重いのが旦那様でして...」
うう...うう...と夏未ちゃんの泣き声が洩れる。
「お前、お父さんについててあげろよ」
えっ、と夏未ちゃんは顔を上げる。
「その方がいい気がするんだ」
円堂の言葉に秋ちゃんも、うん、と頷いている。
「ついててあげて。お父さんが目覚めた時、1番最初に夏未さんの顔を見せてあげて」
「そうそう。そういう事!俺もそう言いたかったんだよ!俺たちのことなら心配するな!1回戦は必ず勝つ!」
「威勢がいいな、兄ちゃん」
その声に振り返れば、鬼瓦刑事が居た。
「刑事さん!」
「理事長が事故だと聞いてな。ちょっと気になって来てみたんだ」
そう言って刑事さんは、夏未ちゃんを見た。...いや、違うな、隣の私を見ている?
『...鬼瓦さん。嫌な予感がします』
予感も何も、この先何があるか知っているのだけれど、そう言えば鬼瓦刑事は、ああ、と頷いた。
「昨日、理事長にあった時にお前さんから嫌な予感がするから気をつけてと言われたと言っていた」
お父様...と夏未ちゃんがまた隣で震える。
「嬢ちゃん。その嫌な予感ってのは、まだあるんだな?...俺も少し嫌な予感がしているが...」
『理事長はサッカー協会の会長で、影山は副会長でしたよね』
「ああ、そうだが...」
『逮捕されたものの、まだ、副会長職解任になってないですよね...?』
そう言えば、鬼瓦刑事は、まさか!と目を見開いた。
「副会長としての権限を使うため理事長を...!?だが、今の奴に手が出せるわけがない!」
逮捕された状態の影山に、何か出来るわけがない。普通ならそうだろうけど。
『冬海先生とか、影山の手の者が全員捕まったわけではないんですよね』
「む...確かに残党が居てもおかしくはないが...」
可能性はゼロじゃない
そう言えば鬼瓦刑事は、分かったと頷いて。事件の可能性も追って調査しようと、足早に病院を出ていった。
マネージャー達はベンチでみんなの練習を見守る中、隣に立った夏未ちゃんのスカートからピリリピリリと音が鳴った。
きた...。
ポケットから携帯を取り出した夏未ちゃんはボタンを押して耳に当てた。
「どうしたの、場寅。...えっ?」
場寅さんからの電話に出た夏未の顔が、驚き、そして青ざめて行く。
「夏未さん?」
秋ちゃんが不思議そうに夏未ちゃんを見上げて見た。
そっと、携帯を下げて、夏未ちゃんは震えていた。
「お、お父様が...」
ああ、やっぱり。思わず目を伏せる。
どうした?とベンチの異常に気がついた円堂が駆け寄ってくる。
ああ、嗚呼...。あの時、気をつけてだけじゃなくて、危険だから行くなと言えれば良かった。
『...ごめんなさい...』
「水津?」
目を開ければ目の前に円堂が居て、肩をぽんと叩かれる。
夏未ちゃんを見れば、秋ちゃんが彼女が倒れてしまわないように支えに回っている。
何をしてるんだ私は。夏未ちゃんを支えようって決めてたのに。
「雷門を病院に連れて行ってくるけど、水津もついて来れるか?」
『...うん。行くよ』
力強く頷いて、秋ちゃんが支えてる反対側に回って夏未ちゃんに声をかける。
『夏未ちゃん。一緒に行こう』
「...水津さん...」
『秋ちゃんも、そばに居てくれる?』
「無論よ。行きましょう」
稲妻総合病院まで、全速力で走って、夏未ちゃんが連絡を受けた、階層までエレベーターで登って突っ走る。
「場寅!」
エレベーターを降りたすぐ先の待合用の椅子に座って居た場寅さんを見つけて駆け寄れば、場寅さんは青い顔をしたまま立ち上がって夏未ちゃんに近寄った。
「お父様は...!」
「あれだけの傷を負いながらも気を失うまでずっとフットボールフロンティアの成功を気にかけておられました」
場寅さんの目線に合わせて動かせば、理事長は集中治療室の中の様子だった。
「夏未さん...」
涙を浮かべて震える夏未ちゃんの手を秋ちゃんが取る。
「大丈夫...。大丈夫よ」
『夏未ちゃん...』
そっと彼女の背中に手を置いて、トントンと落ち着かせるようにリズムを取る。
『...大丈夫。きっと、フットボールフロンティアが心配になって、直ぐに意識を取り戻すわ』
「ええ...」
震えて頷く夏未ちゃんを見て、それから円堂は場寅さんを見上げた。
「何があったんですか...」
「全国大会会場となるフロンティアスタジアムを下見した帰りに...事故に遭われたのです。搭乗していた関係者の皆様も傷を負われましたが...最も重いのが旦那様でして...」
うう...うう...と夏未ちゃんの泣き声が洩れる。
「お前、お父さんについててあげろよ」
えっ、と夏未ちゃんは顔を上げる。
「その方がいい気がするんだ」
円堂の言葉に秋ちゃんも、うん、と頷いている。
「ついててあげて。お父さんが目覚めた時、1番最初に夏未さんの顔を見せてあげて」
「そうそう。そういう事!俺もそう言いたかったんだよ!俺たちのことなら心配するな!1回戦は必ず勝つ!」
「威勢がいいな、兄ちゃん」
その声に振り返れば、鬼瓦刑事が居た。
「刑事さん!」
「理事長が事故だと聞いてな。ちょっと気になって来てみたんだ」
そう言って刑事さんは、夏未ちゃんを見た。...いや、違うな、隣の私を見ている?
『...鬼瓦さん。嫌な予感がします』
予感も何も、この先何があるか知っているのだけれど、そう言えば鬼瓦刑事は、ああ、と頷いた。
「昨日、理事長にあった時にお前さんから嫌な予感がするから気をつけてと言われたと言っていた」
お父様...と夏未ちゃんがまた隣で震える。
「嬢ちゃん。その嫌な予感ってのは、まだあるんだな?...俺も少し嫌な予感がしているが...」
『理事長はサッカー協会の会長で、影山は副会長でしたよね』
「ああ、そうだが...」
『逮捕されたものの、まだ、副会長職解任になってないですよね...?』
そう言えば、鬼瓦刑事は、まさか!と目を見開いた。
「副会長としての権限を使うため理事長を...!?だが、今の奴に手が出せるわけがない!」
逮捕された状態の影山に、何か出来るわけがない。普通ならそうだろうけど。
『冬海先生とか、影山の手の者が全員捕まったわけではないんですよね』
「む...確かに残党が居てもおかしくはないが...」
可能性はゼロじゃない
そう言えば鬼瓦刑事は、分かったと頷いて。事件の可能性も追って調査しようと、足早に病院を出ていった。