世界への挑戦編②
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後半は風丸から不動にメンバーチェンジし、攻撃のリズムを変えようという久遠監督の策。
対するリトルギガントのアラヤ監督こと円堂大介は、なんとGKだったロココをFWにポジションチェンジした。
解説によればエリア予選ではFWで出場し得点を記録しているとのことだが、本戦では初めてらしい。
「ロココがフォワードとはな」
佐久間が驚きながらそう呟く。
「アイツのゴールからのキックを思い出せ」
最初にボールをキャッチして見せた後、速攻で真っ直ぐゴールの円堂の元までボールを飛ばしていた。
スピードも威力も桁違いのキックだった。
「油断は出来ないぞ」
「わかってる」
鬼道がそう言えば円堂が力強く頷く。
「ボクと綱海くんでマークにつくよ」
「ああ!奴にシュートは打たせねぇよ!」
「よし!行くぞ!」
円堂の掛け声で皆ポジションへ散っていく。
スピードの吹雪と反射神経の綱海のマーク。普通の選手ならこの2人にマークされたら嫌だろうけど……。
リトルギガントのキックオフで後半戦がスタートする。
「お手並み拝見といこうか!」
ボールを運ぶロココを前に不動が立ち塞がる。
だが、ロココは純粋なスピードだけで不動を抜き去った。
「こっから先は行かせない!」
先月通り吹雪がさっそくマークにつく。
その後ろから壁山追いかけてきてもロココに迫る。
それを見たロココはフェイントを仕掛けるが……
「真 スノーエンジェル」
氷雪を纏った吹雪の足がボールを捉え奪い取った。そのボールを吹雪は虎丸に繋いだ。
「ヒロトさん!」
トラップしたボールを虎丸はそのままパスをしヒロトへと飛ばした。
「うおおおお」
雄叫びを上げ、地に手を付き腰を落としていたヒロトが宙へ飛び上がった。
「天空落とし!」
空中でひねりをいれて、上から叩き落とされたボールが宇宙を纏って飛んでいく。
そのボールの前に飛び出したのはリトルギガントの中で1番身体の大きい選手ウォルターだった。
彼は拳を地面に打ち付け衝撃派で、天空落としの威力を弱めた。
そしてそのまま飛んでいくボールに、ロココに代わってゴールキーパーを任されたケーンが拳をクロスさせたあと大きく開いて飛び出した。
「ゴッドハンドX」
赤い手のひらが現れがっしりとボールを掴んで止めた。
先程ロココを破った天空落としが止められてしまった。サブキーパーだからと侮るなかれという訳だ。
すぐさまリトルギガントの反撃が始まる。
ケーンからゴーシュにボールが投げられ、受け取った彼はドリブルで駆け上がりる。
「ロココには渡させない!」
鬼道がそう前に出れば、やれるもんならやってみろとマキシが叫ぶ。
それを合図と言うようにゴーシュはマキシへとボールをパスした。パスされたボールは平たく伸びて、マキシはその上に乗っかった。
「エアライド!」
スケートボードのようにそれを乗りこなし鬼道の上を抜けたマキシに、不動がマークにつく。
一瞬で周囲の状態を見まわしたマキシはフリーの状態のゴーシュへとボールを下げた。
そこへ飛鷹が追いつき体を寄せるが、ゴーシュは腕を使って防ぎキッドへとボールを飛ばした。
高く飛んだボールにキッドが飛び上がるのと同時に傍にいた佐久間も飛び上がる。ボールを制したのはキッドで彼の頭が弾いたボールをマキシが拾いあげた。
そこへ綱海がマークにつく。自分より体格のいい綱海相手にテクニックでボールを守り、吹雪と壁山のマークを振り切ったロココを姿を捉えた彼はドリブルで駆け出した。その後を綱海が慌てて追いかける。
「ロココ!」
マキシの蹴り飛ばしたボールに、綱海が何とか足を当て、パスの軌道を逸らした。ボールは緩やかにゴールラインの方へ行き、これなら難なく円堂が拾えるといったところ。
「みんなが繋いでくれたボール、無駄にはしない!」
そう叫んだロココがスライディングでボールを拾った。
《ここでロココ、円堂と1体1となった!》
「来い!」
ゴールの左サイドへ立つロココの方を向き円堂はどっしりと構えた。
対するロココは両手を着いてしゃがみ、両足でボールを挟ん後、真上に前転を繰り返しながら飛んだ。回転するうちに足からボールが離れ、挟む物が無くなった足は足首の辺りで交差していた。そしてボールとの飛距離があったところでロココはその足をボールへ叩きつけた。
「Xブラスト!!」
真っ赤なXの頂点から赤い光線のようなボールが飛んでくる。
それに対して円堂は構えていた手を大きく外へ広げ胸を開く。そしてその手を思いっきり前へと突き出した。
「ゴッドキャッチ!」
先程ようやく完成に至った必殺技だったが、ロココの必殺技シュートの威力に押し負け、円堂は後ろに倒されボールはゴールへと突き刺さった。
《リトルギガント勝ち越し!》
ホイッスルが鳴り実況が叫ぶ。電光看板には1-2と表示される。
『これが、円堂大介監督か』
「ああ。刻々と変わる状況に対しその時チームに1番必要な戦術を考えさせるとは。流石大介さんだ」
私の呟きに頷いた響木さんがそう呟く。
「だが、イナズマジャパンには円堂守がいる」
『そうですね』
どんな時でも諦めない。不屈の魂を持った子だ。
ボールを取り損ない未だダメージで震える手を眺める円堂の顔は笑っていた。
「次は止めて見せる!」
そう言って円堂はロココへと拳を向けるのだった。
今度は点を入れらたジャパンからのボールで試合がスタートする。
トップの豪炎寺と虎丸が駆け上がるのに、不動が着いて上がった。
いつもは割と守備に回ってボールを奪ってから上がるイメージがあったが、なにやら策があるようで豪炎寺と虎丸に声をかけている。
「アレはまだ……」
虎丸が何かやら渋った様子だ。
「一か八かだろ」
ニヤリと笑った不動は、GO!と掛け声を上げた。
そうすれば3人はボールを中心にその周囲をぐるぐると駆け回り、竜巻の様なものが起こる。
「いけぇ!」
3人が同時にボールを上にければ、竜巻に沿ってボールは上へ飛んで行き、 竜巻のてっぺんを抜けてゴールへ飛んでいったのだが……、竜巻を抜けた辺りから威力もスピードも落ち、簡単にケーンに取られてしまった。
「くそっ」
新必殺技を試そうとしたのだろうが、上手くいかなったようだ。悔しそうな彼らに、ドンマイドンマイとベンチから叫ぶ。
『ナイスチャレンジ!反撃くるよー!』
こういう時に鼓舞するのが試合に出れない我々の仕事だ。
ケーンが取ったボールをフィールドを駆けるマキシへと飛ばした。
だが、それを鬼道が横からカットした。
「なにっ!?」
「お前が攻撃の起点だ」
「狙っていたっていうのか!?」
驚くマキシに対して鬼道はニヤリと笑った。
明らかな司令塔だったし鬼道からすれば読みやすかったことだろう。
マキシに返答はせず鬼道は前線を駆ける豪炎寺へとボールを蹴り飛ばした。
豪炎寺の周囲に虎丸とヒロトが集まり、鬼道から豪炎寺に渡ったボールを3人で蹴った。
「「「グランドファイア!!!」」」
G2になりさらに大きな炎を纏ったボールがゴールへと飛んでいく。
「ゴッドハンドX 改」
リトルギガントのゴールを守るケーンもまた必殺技を進化させ、シュートを止めてみせた。
競い合う中でさらに強くなっていく最強の敵。
まさに、
ラスボス
さて、攻略の手立ては……。