オリオンの刻印
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呼び出され、向かった部屋で呼び出した本人である趙金雲督はこちらに背を向け大きなモニターを前にゲームをしていた。
『こんな時間に何用ですか?』
今から来てくださいとだけ伝言が来て内容は告げられていない。もう日も暮れたというのに一体何の用なのか。
「ああ、水津さん!今ちょっといい所なので待ってくださいね」
オホホと笑いながら監督はこちらに目を向けることなく、コントローラーを忙しなく動かしている。
『あー、そのボス強いですよねー』
「おや、水津さんもゲームがお好きで?」
『ええ。ゲームのお誘いなら喜んで参加しますけど?』
「ホホ、それはまた今度といたしましょう。子文くーん」
どうやらゲームを止める気はないようで、監督はそのまま子分くんを呼びつけた。
どこからともなく現れた大頭面を被った小柄な少年はなにやら怪しげな紙袋を持っていた。
「水津さんには今からそれを着て、子文くんと共にイナズマジャパンをぶっ潰してもらいます」
『はあ!?』
にこやかな趙金雲の声に、思わず大声を上げる。
『やっぱり中国のスパイ!!』
両手を握って拳を構え臨戦態勢を見せれば、ちょちょちょ、と監督は焦った様子でホームボタンを押しゲームを止めた。……おい、最初からそれで話しできただろ。
「違いますよ!落ち着いて下さい。今のは言葉の綾と言いますか……」
『言葉のあやぁ?』
「そうです。とにかく順を追って説明しましょう」
コホンとわざとらしく咳をして趙金雲は、コントローラーを置いて立ち上がった。
「まず、水津さんはイナズマジャパンの初戦の相手をご存知ですか?」
『たしか……韓国でしたよね』
「ええそうです。では、韓国サッカーのイメージはどんなものがありますか?」
こちらの韓国がどうかはわからないが……。
『熱狂的なイメージがありますね。選手もサポーターも。愛国心の強い国だからこそ国を背負ってるって感じで……それ故にラフプレーも多いイメージがあります』
「そうです。韓国は激しいチャージや危険なタックルやスライディングが多い。そして、日本の先週たちはそういった荒いプレーに慣れていない」
……そうかなぁ。どちらかと言えば王帝月ノ宮 にいたからなぁ。いや、決勝戦以外で対応されず、他は速攻で試合終了にしてたからやられた選手たちもラフプレーに慣れてはないか。
「そこで選手達を慣れさせる為に選手たちを叩きのめして欲しいのですよ」
ニコニコと笑いながらえげつないことを言ってくる。
王帝月ノ宮のサッカーから解放されたのに、また、あれを……。
思い出しただけでも吐きそうになる、あの光景……。
「直接あなたに手を下せとは言いません。行うのはそこにいる子文くんであなたにはその補佐をして欲しいのです」
『補佐って……』
「王帝月ノ宮でもやっていたじゃありませんか。極力自分でラフプレーをしないように、リフティングやアクロバットでボールを死守し相手を疲れさせる。疲れさせた所を他の選手にパスしてトドメを刺してもらう」
『……っ。よくご存知で』
「対戦相手でしたからね。しっかりと調べさせていだだきましたよ」
そう言った後、監督はニヤリと口角を上げた。
「ちなみに拒否権はありません。これはあなたのフリースタイルの特訓でもありますからね」
『なっ!』
選手を叩き潰す補佐が特訓だって!?
『やっぱ中国のスパイなんじゃ……!』
「ハイハイ、じゃあ子文くん、水津さんを頼みますよ」
「はい、親分」
そう返事をした子文くんが素早い動きで近づいてきて、長い袖に隠れたままの手で腕を掴み引っ張っていく。
『えっ、ちょっと……!てか、力強いなキミ!』
抵抗も虚しくズルズルと引っ張られるのであった。
引っ張られるまま外に連れ出され、子文くんが足を止めたのは河口湖のボート乗り場付近にあるトイレの前。
「では、これに着替えて来てください」
そう言って子文くんは長い袖で女子トイレを指した。
「オレも向こうで着替えてきますから」
そう言って子文くんは今度は男子トイレの方を指した。
……てか子文くん一人称オレなんだ。
どうせ逃げてもあの素早さと力で引きずり戻されるだろうし、仕方がないと子文くんから紙袋をを受け取り女子トイレに向かった。
女子トイレの個室に入り紙袋の中身を取り出して見る。服と緑色のウィッグと……、ああこれSNSで見たことがある。コスプレ用の胸潰すインナーだ。そういえば入ってる服も男性物っぽいな。
なるほど。男装して選手たちバレないようにしろ、と…………。いや!顔でバレる!あーいや、1番底に入ってるこれはそのためのやつか……。用意周到だなぁ。
仕方がないと重い腰を上げて、着替えを済ませて女子トイレを出れば、私のつけているウィッグと同じ緑色の髪の小柄な少年がトイレの前に立っていた。
クリクリとした目の可愛らしい少年だ。
『……もしかして、子文くん?』
「はい、そうですよ。水津さんも似合ってますね」
『ありがとう?』
似合ってるってことは変ではないってことだろう。
秋葉名戸でコスプレをさせられたおかげでどうにか思い出しながらウィッグを付ける事ができたが、これで合っているか分からなかったから変じゃないならいいだろう。
「ですが流石に顔をマスクで隠しても声でバレてしまいそうですね」
ふむ、と子文くんは顎に手を置いて考える。
「では、こうしましょうか」
そう言って彼はコソコソと作戦を伝えて来るのであった。
夜間特訓
それじゃあ目的地で選手達を待ちましょうかと子文くんの案内でボート乗り場周辺にある休憩用の東屋へ向かうのだった。
『こんな時間に何用ですか?』
今から来てくださいとだけ伝言が来て内容は告げられていない。もう日も暮れたというのに一体何の用なのか。
「ああ、水津さん!今ちょっといい所なので待ってくださいね」
オホホと笑いながら監督はこちらに目を向けることなく、コントローラーを忙しなく動かしている。
『あー、そのボス強いですよねー』
「おや、水津さんもゲームがお好きで?」
『ええ。ゲームのお誘いなら喜んで参加しますけど?』
「ホホ、それはまた今度といたしましょう。子文くーん」
どうやらゲームを止める気はないようで、監督はそのまま子分くんを呼びつけた。
どこからともなく現れた大頭面を被った小柄な少年はなにやら怪しげな紙袋を持っていた。
「水津さんには今からそれを着て、子文くんと共にイナズマジャパンをぶっ潰してもらいます」
『はあ!?』
にこやかな趙金雲の声に、思わず大声を上げる。
『やっぱり中国のスパイ!!』
両手を握って拳を構え臨戦態勢を見せれば、ちょちょちょ、と監督は焦った様子でホームボタンを押しゲームを止めた。……おい、最初からそれで話しできただろ。
「違いますよ!落ち着いて下さい。今のは言葉の綾と言いますか……」
『言葉のあやぁ?』
「そうです。とにかく順を追って説明しましょう」
コホンとわざとらしく咳をして趙金雲は、コントローラーを置いて立ち上がった。
「まず、水津さんはイナズマジャパンの初戦の相手をご存知ですか?」
『たしか……韓国でしたよね』
「ええそうです。では、韓国サッカーのイメージはどんなものがありますか?」
こちらの韓国がどうかはわからないが……。
『熱狂的なイメージがありますね。選手もサポーターも。愛国心の強い国だからこそ国を背負ってるって感じで……それ故にラフプレーも多いイメージがあります』
「そうです。韓国は激しいチャージや危険なタックルやスライディングが多い。そして、日本の先週たちはそういった荒いプレーに慣れていない」
……そうかなぁ。どちらかと言えば
「そこで選手達を慣れさせる為に選手たちを叩きのめして欲しいのですよ」
ニコニコと笑いながらえげつないことを言ってくる。
王帝月ノ宮のサッカーから解放されたのに、また、あれを……。
思い出しただけでも吐きそうになる、あの光景……。
「直接あなたに手を下せとは言いません。行うのはそこにいる子文くんであなたにはその補佐をして欲しいのです」
『補佐って……』
「王帝月ノ宮でもやっていたじゃありませんか。極力自分でラフプレーをしないように、リフティングやアクロバットでボールを死守し相手を疲れさせる。疲れさせた所を他の選手にパスしてトドメを刺してもらう」
『……っ。よくご存知で』
「対戦相手でしたからね。しっかりと調べさせていだだきましたよ」
そう言った後、監督はニヤリと口角を上げた。
「ちなみに拒否権はありません。これはあなたのフリースタイルの特訓でもありますからね」
『なっ!』
選手を叩き潰す補佐が特訓だって!?
『やっぱ中国のスパイなんじゃ……!』
「ハイハイ、じゃあ子文くん、水津さんを頼みますよ」
「はい、親分」
そう返事をした子文くんが素早い動きで近づいてきて、長い袖に隠れたままの手で腕を掴み引っ張っていく。
『えっ、ちょっと……!てか、力強いなキミ!』
抵抗も虚しくズルズルと引っ張られるのであった。
引っ張られるまま外に連れ出され、子文くんが足を止めたのは河口湖のボート乗り場付近にあるトイレの前。
「では、これに着替えて来てください」
そう言って子文くんは長い袖で女子トイレを指した。
「オレも向こうで着替えてきますから」
そう言って子文くんは今度は男子トイレの方を指した。
……てか子文くん一人称オレなんだ。
どうせ逃げてもあの素早さと力で引きずり戻されるだろうし、仕方がないと子文くんから紙袋をを受け取り女子トイレに向かった。
女子トイレの個室に入り紙袋の中身を取り出して見る。服と緑色のウィッグと……、ああこれSNSで見たことがある。コスプレ用の胸潰すインナーだ。そういえば入ってる服も男性物っぽいな。
なるほど。男装して選手たちバレないようにしろ、と…………。いや!顔でバレる!あーいや、1番底に入ってるこれはそのためのやつか……。用意周到だなぁ。
仕方がないと重い腰を上げて、着替えを済ませて女子トイレを出れば、私のつけているウィッグと同じ緑色の髪の小柄な少年がトイレの前に立っていた。
クリクリとした目の可愛らしい少年だ。
『……もしかして、子文くん?』
「はい、そうですよ。水津さんも似合ってますね」
『ありがとう?』
似合ってるってことは変ではないってことだろう。
秋葉名戸でコスプレをさせられたおかげでどうにか思い出しながらウィッグを付ける事ができたが、これで合っているか分からなかったから変じゃないならいいだろう。
「ですが流石に顔をマスクで隠しても声でバレてしまいそうですね」
ふむ、と子文くんは顎に手を置いて考える。
「では、こうしましょうか」
そう言って彼はコソコソと作戦を伝えて来るのであった。
夜間特訓
それじゃあ目的地で選手達を待ちましょうかと子文くんの案内でボート乗り場周辺にある休憩用の東屋へ向かうのだった。