世界への挑戦編②
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ザ・キングダムとの試合の翌日、今日は寝坊しなかった、とルンルンで起きて朝食を作ったのだが……。
「みんな起きてきませんねぇ……」
「ホントね。あの鬼道くんすら起きて来ないなんて……」
マネージャーはみんないつもの時間に起きてきて一緒に朝食を準備してくれたのだが、選手が誰一人として食堂へやってこない。
「昨日の試合、ハードでしたからね。みんな疲れちゃってるのかも」
『それに、響木さんのこともあって一昨日ちゃんと寝れなかった子らもいただろうしね』
「とはいえ、そろそろ起きて来なければフェリーの時間に間に合わないぞ」
優雅にコーヒーを啜りながら久遠監督がそう告げる。
今日はコトアール対イタリアの試合があり、みんなはその観戦に行く予定だ。私はこっちに残り響木さんの様子を見に行く予定だ。
私に時間の制限はないが、試合を見に行くみんなには移動時間と試合の開始時間が決められている。
「手分けして起こそうか」
秋ちゃんの提案にそうだねと頷いてマネージャーみんなで食堂を出ていく。
『15……いや、目金も起きて来てないから16人か。ひとり4人ずつ起こせばちょうどいいか』
「じゃあ私、右側の奥から起こして来ます!」
タッタッタッと足早に春菜ちゃんが廊下の奥まで行ってしまう。
「左の奥からは私が起こして来ますね」
そう微笑んで冬花ちゃんも廊下の奥へ歩いていく。
「なら私が右側担当するから、梅雨ちゃんは左側お願いね」
『はーい』
返事をして私は、1番手前の扉の前へ移動する。
一応コンコンとノックをするがやはり返事はない。
しょうがないと扉を開けて中へ入るとベッドの上には大イビキをかいて寝ている壁山がいた。
『壁山ー!朝だよー!!!おはよー!!!カンカンカン!!!起きて!!!朝だよ!!!』
インターネットミームを叫びながら近づいたが起きる気配はない。
身体を揺すっても頬をつついても起きない。
『壁山〜、起きなさーい。起きないとご飯抜きだよ〜』
「う………メシ抜きはキツイッス………」
言葉が帰ってきて、起きたかと顔を覗き込むがその両目は瞑られたままで、その後はこんなに食べていいんッスか〜!と夢の中で食事を始めてしまったようで、もう一度揺すったり声をかけたりしたがダメだった。
『しょうがない。壁山は最悪ご飯ここに持ってきたら目覚めるだろうし、後回しにしよう』
次だ次と、一度壁山の部屋を出て隣の部屋へ移動する。
先程と同じようにノックをするが、やはりこちらも返事はない。
『勝手にお邪魔しますよ』
次の部屋で寝ていたのは豪炎寺だ。
いつもワックスでツンツンに立てられた髪は下ろされている。
宿舎でお風呂上がりの豪炎寺を初めて見た時は驚いたものだ。超次元だから水に濡れてもあのままなのだろうと思っていたのでね。
『朝だよー!起きてー!』
近づいて声をかけると、豪炎寺は寝返りを打って反対を向いた。
『豪炎寺ー!朝だよー!!』
「……あさ、か……」
ぐぐもった声で言葉が帰ってきた。
『起きた?フェリーの時間あるから着替えてご飯食べてね』
「ん、……分かった」
そう答えるものの動く気配がないが、大丈夫か?と心配に思いつつも次を起こしに部屋を出る。
次の部屋は、虎丸だった。こちらも例に漏れず返事がなかったのでズカズカと部屋の中へ入ってベッドに近づいた。
枕に抱きつく形で寝ている虎丸に声をかけ、揺さぶってみるがこちらも目を覚まさない。
「……母ちゃん」
小さく呟かれたそれに、おや、と思い手を止める。
最近夜は飛鷹と炒飯作り対決したりして楽しそうに過ごしていたし、ホームシックも解消されたかと思っていたけれど。やっぱり寂しいもんは寂しいよね。
せっかく母親の夢を見ているなら起こすのは可哀想だ。
後回しにして、次を先に起こすかと部屋を出る。
彼もまた起きていないだろうな、と思いつつもノックをしてみる。当然のごとく返事はない。
『お邪魔しますよ』
と勝手に中に入れば、寝息を立てている染岡の姿があった。
『気持ちよさそうに寝ちゃってまあ……』
ツンツンと頬をつついてみるが起きる気配はない。
『染岡ー、朝だよー。起きてー』
肩に手を置いてゆさゆさと譲れば、ゆっくりとその瞳が開かれた。ぼんやりとした様子だが、目を覚ましたようだと思い、肩に乗せていた手を引いて少し離れようとしたのだが、その手を掴まれ、ベッドへと引きずり込まれた。
『えっ……』
驚く私を他所に、背中に両腕が回されがっしりとボールドされた。
『あの、染岡?』
これはまずいと思い声をかけるが、
「水津……、どこにもいくな……」
耳元で低い声がそう囁かれ、更に強い力で抱きしめられた。
『……えっと……、それは……』
困った。この状況もだし、返答にもだ。
思考停止していると下から寝息が聞こえてきた。
『……寝ぼけてるだけかよ!』
どうにか出したツッコミに返事が返ってくるわけもなく、染岡の胸の上で、はあ、とため息を吐く。
人の気持ちを知ってか知らずか……、この男はまったく……。
しかも、この体制胸が潰れて痛いんだよなぁ……。
『おーい、染岡ー、起きてー。朝だよー!!!おはよー!!!カンカンカン!!!起きて!!!朝だよ!!!』
騒ぎ続けるしかないかと、もう一度インターネットミームに頼ることにした。
カンカンカン、と騒ぎ続けた結果、染岡は眉間に皺を寄せ、んあー、と低い唸り声を上げた。
「うるせ、え?」
薄く目が開かれたかと思えば、染岡は2、3回瞬きを繰り返した。
「はあ!?えっ、はあ!?」
寝ぼけていたせいか、2回も驚きの声を上げた染岡は次第に顔を真っ赤に染め上げていった。
「なっ、水津!?お前、なにしてっ……!?」
『ちょっと!これは君が引きずり込んだんだからこうなってるんだからね!?』
人のせいにしないでもらえます?と怒れば、ハッとした様子で染岡は私をホールドしていた腕を離した。
「わ、悪い……」
『まったくもう……ビックリしたのは私の方だっての……』
文句を言いながら染岡の上から引いて、ベッドを降りる。
恐らく赤いであろう顔を見られないように後ろをむく。
『とりあえず起きたなら着替えて食堂に来てね。私は他の子起こしてくるから』
「あ、ああ」
返事を聞いてそそくさと部屋から出る。
心臓に悪い
はあ、と深く息を吐き、顔の熱が冷めてから、もう一度壁山から起こしにいくのであった。