世界への挑戦編②
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響木さんの願いもあって手術室前ではなく、病室でみんなの試合を見ながら手術か終わるのを待つことにした。
ガルシルドが監督のままスタートしたザ・キングダムとの試合だったが、ホイッスルが聞こえ走り出したロニージョの動きはBリーグまでの映像のものとまったく違っていた。
元々Bリーグでの得点王でもあったが、それはチーム連携もあってのものだった。
だけど、ロニージョはこれまでと違ってたった一人でボールを奪い、駆けて、チームメンバーのパス要求も無視して6人ものディフェンスを掻い潜り、シュートを打った。
幸いシュートはゴールのクロスバーの上を通り過ぎて行ったが……。
『RHプログラム、か……』
別名、強化人間プログラム。
デモーニオもこれの実験に使われていたわけだ。
試合再開後、繰り返されるロニージョのワンマンプレイを見てどうやらザ・キングダムのチームメンバーもロニージョに掛けられたそれに気がついたらしく、襟元を掴んで問いただしているような様子が映像に映っている。
そこから先の試合でザ・キングダムたちはイナズマジャパンのFWに1対1でついていたマークを外し、なんと、ロニージョにぴったりとマークを付けた。
マークが外れた分イナズマジャパンは自由に動けボールを繋げていけるようになったが、ボールを持ったヒロトがゴール直前まで駆け上がったところでDFのラガルートがローリングスライドで、新体操の選手のようにバク転を繰り返しながら近づいてボールを奪い去っていった。
そこへ鬼道がチェックを付けるが、すぐさまMFのレオナルドへ回された。
その彼の周りには、5人の選手たちが左右1列になるように並んだ。
そして、1人ずつを飛ばして合後に走るスピードを下げたり上げたり、まるで波打つかのように走ってくる。
必殺タクティクス、アマゾンリバーウェーブ。
その波に次々とイナズマジャパンが飲まれていく中、レオナルドは、チームメンバーがマークをしていたロニージョへとボールをパスした。
守りに飛鷹が飛び出すが、その遥上をロニージョは飛んで、ボールを受け取り、そこからシュートを打った。
円堂がV2となったいかりのてっついでボールを押し殺そうとするも弾かれてバネのように飛び上がったボールを間髪をいれず再び飛び上がったロニージョが上から叩きつけるようにシュートした。
ホイッスルがなり、ついに一点を決められてしまう。
その後も同じ戦術に苦戦を強いられるが、ロニージョが打ち、円堂が止めて弾かれたボールを、今度はロニージョよりも先に飛び上がった飛鷹が足に挟んでブロックした。
今まで蹴りの力を活かした真空魔1本でやってきた飛鷹だが、DFとしてしっかり他の技術も上がってきていた。
『響木さんも見たかっただろうな』
みんなの監督ではあるものの、飛鷹に関しては愛弟子って感じあるものね。
ホイッスルが鳴って前半終了を告げた後、土方がロニージョに話しかけているような映像が流れた後、皆がそれぞれのベンチに移動する様子が映し出された。
実況と解説が前半戦の振り返りをしている途中、おや?と声を上げた。
何かあったようすだったが中継はスポンサーCMに切り替わってしまった。
様子が分からないのもあって、談話室へ移動して秋ちゃんに電話をかけてみる。
『もしもし秋ちゃん?』
意外とすぐに繋がって、秋ちゃんの声が返ってくる。
《梅雨ちゃん!響木監督はどう?》
『まだ手術中だよ。結構時間が掛かるみたい。そっちはどう?中継見てたけどベンチで何かあったみたいだったけどCMに切り替わって様子が分からないからさ』
《あー、うん。実は、鬼瓦刑事がやってきて、ガルシルドを連行していったの》
『そう、鬼瓦さん間に合ったんだね……。じゃあ、ロニージョのRHプログラムも……』
《今、お医者さんらしき人がベンチで診察してるわ》
『そっか、そっか……。よかったよ』
映像でみてもロニージョの疲れ方は異常だったし、あのままだとデモーニオのように目が見えなくなるなんて事もあったかもしれない。
ひとまず、ロニージョが解放されてよかった。
『秋ちゃん。RHプログラムがなくなっても、真のサッカーが出来るようになった彼らは強いよ。気を抜かないように、ってみんなに伝えてね』
《うん。分かったわ》
よろしくね、と電話を切って病室へ戻る。
CMは明けたみたいで実況と解説のおふたりが、ハーフタイム中にあったことを説明して、ガルシルドが連行され彼に監禁されていた本当のザ・キングダムの監督レオン・サムスが復帰し、試合が続行されることを伝えた。
《前半を終え、ザ・キングダム1点リード。果たして後半はどういう展開へなるのでしょうか!》
ぞろぞろと選手たちがベンチから移動してポジション配置につく。
《監督ガルシルド・ベイハンの連行がザ・キングダムの選手たちにどんな影響を与えたのかが気になりますね。同時に復帰したレオン・サムス監督の指揮にも注目したいところです》
『おっ、』
画面に表示されたポジショニングの情報に思わずニヤついてしまい、慌てて頬を押さえる。
《審判が代わり、イナズマジャパンにも選手交代があります。宇都宮に代わって染岡!久遠監督、FWを入れ替えてきました》
《点を取るために攻撃のリズムを変えようといった狙いでしょう。準決勝からトーナメント制。負けたらそこで終わりですからね》
みんな頑張れと手を握る中、ザ・キングダムのキックオフで後半が開始された。
自由になったザ・キングダムと熱い戦いが出来ると誰もが思っただろう。
だけど、ガルシルドによる支配は根深かった。
彼らは、ボールを自分たちの陣内で回し合い、攻撃には転じ無かった。
メンバーの家族のほとんどが、ガルシルドの関連企業に務めている。だからガルシルドが捕まったら職を失い家族が……という不安。
そんなもの今サッカーをする事に正直関係ないし、ガルシルドの悪事が世間に公表されれば、あれだけの大企業なら潰れる前に会社を買い取ろうとする企業も出てくるはずだし、意外とどうとでもなると思うのだが、子供達ゆえそこまで考えは及ばないだろう。
本来そういう不安を監督が解消してあげるべきだが、この世界の監督たちはなんというか……その、口下手だししょうがないか。
そんなわけで、頼りにならない大人の代わりに声を上げたのは土方だった。
熱い思い
熱は伝染していくものだ