世界への挑戦編②
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その日、円堂たちがガルシルドの屋敷から取ってきたデータは、とんでもないものだった。
簡単に言えば、ガルシルドによる世界征服の計画書。
FFI大会主催でブラジル代表ザ・キングダムの監督をしているガルシルドは、世界各地に油田を持つオイルカンパニーの社長なのだが、その油田が枯れかけているというデータと、最近買収した軍事関連企業の兵器に関する製造計画書によれば、兵器の製造数が5倍に引き上げられていた。
これから考えられるのは、戦争を起こし、兵器を売り、その兵器に必要な貴重な原油を高値で売りつけるマッチポンプ。
そういった証拠が手に入った。
次の日、響木さんがその証拠を警察へ行くという話でまとまり、円堂たちはこれでガルシルドが捕まればロニージョたちと真剣勝負が出来ると喜んでいたが……。
家宅侵入し、不正に手に入れた証拠だしだから……
『どうだかなぁ……』
「何がだよ?」
『!?』
ぽつりと呟いた言葉に、返事があって驚いて頭だけ振り返ればサッカーボールを片手に持った染岡がいた。
『びっくりした……』
誰も居ない夜のグラウンドに居たのだが、近づいてくる足音に気がついて居なかった。
「お前、なんか最近よくここにいるな」
グラウンドの地面に座ってたのだが、染岡は隣に来て同じように腰を下ろした。
『え、あー、なんか、グラウンド眺めるの好きなんだよね』
「昼もあんなに眺めてんのにか?」
不思議そうな顔をする染岡を見て、うーんと考えて、そのまま頭を後ろに倒して、グラウンドに寝転んだ。
『うそ。眺めるのも嫌いじゃないけど本当は、私もやりたいなって……。それでリフティングしにきた』
そう言って寝転がったまま、少し離れた所に転がっているリフティングボールを指さした。
「あー、長い間続けてたな」
『え、見てたの』
「ああ……って、別にずっと後追っかけてたとかじゃねぇぞ!向こうのコートで特訓した帰りに誰か居たから様子見にきただけで……」
慌ててストーカーではないと弁明する染岡の様子を見ながら、ああ、と考える。
午後からは私と出かけてたし、準決前だがいいのか?と思っていたが、努力家の彼が特訓を怠るわけないか。
このグラウンドの近くに、前に立向居が魔王·ザ·ハンドの特訓をしていた小さいサッカーコートがある。そこに行って隠れ特訓していたわけだ。
私の事を言い訳にしないためだな。染岡らしい。
『ふふっ、』
「な、何笑ってんだよ」
『そんな一生懸命弁明しなくても、ジャージ姿なのとボールで何となく察しつくよ』
「……そうかよ」
くすくすと笑ったまま言えば、染岡は少しむくれた顔をした。
「つーか、見てたらお前急にリフティングやめて座り込んだけど、どうしたんだよ」
『ん?あー、みんなのサッカー見てたらやりたくなったんだけど、一人でリフティングしてるのはなんか違うなーって思って』
虚しくなって座り込んで、今日の事を振り返っていたわけだ。
「なんだよ。言えばみんな一緒にやるだろ」
『……うん、でも、急に身体透けたりするし』
ほら、と右手を上に上げて見せる。
さっき、リフティングボールを指さした時は何ともなかったのに、今は手首から上が透けている。
「………。それ、この間みたいにいつも全身って訳じゃないんだな……」
『うん。こうやって片手だけの時もあれば膝から下だけの時とかもあるし、透けてる時間もまばらだし、どういう法則なんだか……』
神代は関係ないって、いったけど今日だって少し物語を変えた影響かこうやって身体が透けている。
『まあ、そういうわけで、みんなにバレないようにこっそり夜にやりにきたわけですよ』
透けても夜なら、近く出ない限りパッと見わかんないだろうし。
「じゃあ、俺に言えよ。サッカーならいくらでもできるし」
そう言って染岡は、透けてない腕の部分を掴んでわたしの身体を起こした。
「それにお前、その身体をどうにかする方法探すのあんま乗り気じゃないんだろ?俺は別に諦めるつもりはねえけど。……けど、お前がやりたいことがあるっつーんならそっちを優先してぇ」
真っ直ぐ目を見てそう言ってきた染岡をみて、目の奥と鼻の頭が喉が、ジーンと熱くなる。
『……私ね、染岡とサッカーがしたい』
何故だか濡れてきた目の下を、透けていない左の手で拭う。
マグニート山でダークエンジェルとの戦いで、戦略を考えるのに、私もフィールドに立ちたいと思った。
『ダークエンペラーズの時みたいにもう一度、染岡とシュートを打ってみたい。この世界のね、水津梅雨にしか出来ないんだよ、サッカー』
どう足掻いても消えてしまうのなら、この世界の私にしか出来ないことをやりたい
「……ああ。やろうぜ、サッカー!」
そう言って染岡は、片手に持っていたサッカーボールを私へ向けた。
私はそれを両手で受け取る。
いつの間にか透けていた右手も元に戻っていた。
「俺もあのシュート、もう一度打ってみたかった」
立ち上がりながらそう言って、染岡は今度は空いた手を差し伸べてきた。
『ありがとう』
ボールを左の小脇に抱えて、空けた右手でその手を掴むのだった。
君はいつも
欲しい言葉をくれるのだ。