世界への挑戦編②
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ぐるぐると屋敷内を逃げ続けていると、走っている廊下の向かい側からドタドタと多くの足音が聞こえた。
「水津に染岡!?お前たちなんで……!?」
向かい側走って来ながらこちらに気がついた様子の円堂がそう叫んだ。そんな彼の後ろには、ヒロトと鬼道と土方が続き、その更に後ろには黒服の男達が追いかけて来ている。
かくいう私たちの後ろはだいぶ距離を離してはいるがヘンクタッカーくんと黒服たちか追いかけて来ているわけで……。
「おい、このままだと挟み撃ちだぞ!」
戦力分散のつもりだったが、円堂たちは私たちがここにいることすら知らないのだからかち合ってしまうのはしょうがない。
大ピンチといったところだが、幸いな事にこのフロアは1階だ。
『染岡!あそこの窓開けて!』
少し先の窓を指さす。
私より現役選手の染岡の方が足が速い。
話を聞いた染岡かすぐさまスピードアップし、先にある窓の前に行ってガチャガチャと窓枠にかけられた鍵を外して外へと開けた。
ここから外へ出ようという意図だと分かってくれたようで一足先に染岡が窓の下枠に両手をついて、身を乗り出して外へ出た。
私も追いついて、同じように下枠に手をかけ身を持ち上げると、外側から染岡が引っ張りだしてくれた。
『ありがとう。っと!すぐ窓から離れた方がいいかも』
染岡の腕を引いて、窓の正面から横にズレる。
すると間髪入れずに、円堂が窓から外へ飛び出してきた。
そのまま、ヒロト、鬼道、土方と続いて出てきた所で私は叫んだ。
『みんな走って!』
掛け声と共に走り出したみんなを見ることなく、私は
窓ガラスに手を当てて、それを思いっきりバーンッと閉じた。
私たちを追おうとしていたひとりの男の顔面が、思いっきり窓にぶち当たった。木枠があるからさぞ痛いだろう。
男の叫び声を聞きながら、私も猛ダッシュで先に逃がした皆の後を追うのだった。
ブラジル街まで出て、ちょうどよくバス停に止まっていたバスへ一同は飛び込んだ。
このバスは観光用にぐるりとライオコット島を回るので無事日本エリアまで戻れるだろうとホッと息を吐いた。
「で、っ、なんで、染岡たちが、ガルシルドの、屋敷にいたんだよ…」
はっ、はっ、と息を整えながら円堂が私たちを見て問いかける。
「はー、俺らは、あのオッサンに、呼ばれたんだよ。話がしてみたいって、」
「それで、ホイホイついて行ったのか!?」
何をしてるんだ、というようにゴーグル越しに鬼道が睨みつけてくる。
「少なくとも水津は相手がどんな奴が知っていたはずだろう」
『ヤバいやつだって分かってたから、行ったんだよ。キミらが今日あそこに侵入する可能性があったから』
本当は染岡を連れていきたくなかったけど、連れて行かなきゃ行かせてもらえなかっただろうし、何より拗ねるだろうし。
「まあ、実際水津さんが送ってきてくれた情報のお陰で上手く侵入はできたよね」
フォローするようにヒロトが言ってくれると土方もああと頷いた。
「コンピュータールームもすぐに分かったしな」
『じゃあ、データは抜けたんだね?』
ヒロトを見れば、うん、と頷いている。
「データ?俺たちの事より、円堂たちのほうがなんかやべぇことしてんじゃねえかよ」
なにしてんだよ、と染岡がジト目で見れば、それがな、と円堂があそこへ行った経緯を話してくれた。
ことの発端は今朝。
早朝特訓をしていた円堂と土方の元に現れたブラジル代表のキャプテン、マック・ロニージョが八百長を頼んできた事が始まりだったらしい。
予選無敗のブラジル代表が何故そんなことを言ってきたのか、不思議に思った円堂と土方はヒロトと鬼道に相談して、ブラジルエリアで情報収集をする事にしたと。
そこで見たのは、ガルシルドに騙され脅されていたザ・キングダムのメンバーの姿で、彼らに話を聞いた円堂たちはガルシルドの悪事の証拠を掴むために、屋敷に乗り込んだのだと。
「お前ら無茶しすぎだろ。ましてや鬼道がついていながら……」
「返す言葉もない」
鬼道がそう言えば、はあ、と染岡はため息を吐いた。
「ガルシルドが悪いやつってことなら、水津の件は期待できないってことか……」
ぽつり、と染岡がそう呟き、ん?と円堂が首を傾げる。
「お前たちはガルシルドとなんの話をしたんだ?」
鬼道が染岡に尋ねれば、染岡は、困ったように私を見た。
「あー、それは、だな……」
みんなには言うなと釘を刺してあるのだが、流石に誤魔化すのが下手すぎる。
恐らく事情を知るヒロトは染岡の態度だけで何を話に行ったか察したことだろう。
『フリースタイルフットボールのことだよ』
「ほう?」
疑ってるようで鬼道はこちらを向いた。
『向こうが呼び出した理由は、学生ながらにトレーナーをやっている子供と話がしてみたいというもので、実の裏、何を企んでいたのかは知らないけれど、私たちの方ははフリスタの大会も開いてもらえないかってお願いする
「俺たちが行くって水津は分かっていたわけだから、わざとそう言ってガルシルドの気を引いていたって訳か」
土方の言葉にそうそうと頷いて見せれば、まあいい、そういうことにしておこうと鬼道は納得してない様子で納得してくれた。
それから鬼道は染岡を肘でつついていた。
「何を協力してるか知らないが、隠すならもっと上手くやれ」
「あ、ああ……」
そんなふたりのやり取りを円堂が首を傾げて見ている。
「鬼道くんは察しがいいね。巻き込んだ方が早いんじゃない?」
小声でこっそりヒロトが言ってきた。
『んー。いや、言えないよ』
影山さんの死を黙っていた私が、どの口で自分が消えるから助けてくれって言えるんだ。
例え彼が気づいたとしても
それに知った人か増えたところで、どうにかなる問題だとは思わないし。