世界への挑戦編②
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しばらく待てばガルシルド・ベイハンはやってきた。
互いに挨拶を交わした後、学生ながらにトレーナになった理由や、実際経験してみてどうだったかなどそれっぽい質問で会話が進んで行った。
「他に、そうだな。困っている事はないかね?トレーナーとして、いや、それ以外の事でも構わないが」
ガルシルドは大きな宝石の付いた指輪をいくつもしている指輪を組んで、ニコリと笑みを浮かべた。
『実は…………、いえ、』
そう言って、わざと言葉を詰まらせて、染岡の方を確認するようにみる。
これで不安げな少女の演出ができてればいいが。
「何か私に力になれることがあるかもしれない。遠慮せずに言ってみなさい」
『その、突拍子もない話しで驚かれるかもしれないのですが……、私、異世界から来たんです』
「ほう」
ガルシルドの表情が明らかに変わった。
興味、好奇心、そういった目だが、恐らくその裏にあるのは金になるかどうかだろうな。
「それが本当だとして、なぜこの世界へ?」
『その理由は……、私にも分からないんです。気がついたらこの世界にいて……』
理由は神代から聞いた通りだか、それをコイツにわざわざ話す意味もないし。
「つまり、戻る方法を探している、と」
『あ、いえ、逆なんです。私、この世界に留まりたいんです。だけど、体が消えかかっていて……』
「体が消える?」
『はい、日本にある星の使徒研究所って所で調べてもらったんですけど、どうやら魂に肉体が合っていないらしくて、乖離をしているようで……』
まあ、星の使徒研究所で調べてわかった事は、この世界の人間の遺伝子とは異なる物で構成されているって事で魂云々は神代からの話だが。
『どうにか乖離を留める方法か、もしくは新しい肉体に魂を移し変えれないか、なんて、まあ、無茶ですよね』
ははは、なんてわざとらしく乾いた笑い声を上げる。
「新しい肉体……。随分と恐ろしい事を考えるのだね」
『そうですよね。そもそも肉体を用意してどうやって魂を移し替えるんだって話もありますし』
「その星の使徒研究所というところでは乖離を止める方法は見つからなかったのかね?」
はい、と頷けばガルシルドはふむと顎に手を置いて考える素振りを見せた。
「おっさん!俺たちを連れてきた奴が、目の見えないやつを見えるようにしたり、体が動かない奴を動けるようにしてもらったって言ってたんだ!どうにかなんないのか!」
今まで黙って話を聞いていた染岡が立ち上がってそう叫べば、そうだな、と呟いてガルシルドは顎から手を離した。
「正直、体が乖離しているのをどうにか出来るかは分からない。ましてや異世界人ともなるとね、人体構造がこちらの人間と同じとは限らないだろう」
へぇ、意外。簡単に出来るとも!とか言って騙して来るかと思ったのに。
「だが、研究者を募って方法を探る事は可能かもしれない」
モルモットになれば、確かに見つかるかもしれないな。
でも、それは嫌で過去に瞳子さんの提案も蹴った。
「水津!調べてもらおうぜ。そうすれば、もしかしたら!」
希望に満ちた目で染岡がこちらを見てくる。
妙に純粋なんだよなぁ……。
『そう、ですね。今は大会中なんですぐには無理でしょうから、また後日にでも』
「ああ。手筈だけは済ませておこう。もし、星の使徒研究所で調べたことのデータがあるなら帰ってから、郵送ていいから送ってもらえるかね」
『はい、分かりました』
それではそろそろと席を立ち上がったタイミングだった。
「ガルシルド様!」
慌てた様子で小太りな男が部屋へ飛び込んできた。
「なんだね、ヘンクタッカーくん。客人の前だぞ、騒々しい」
「すみません。少々お話したいことが」
チラリとこちらを見た後、男はガルシルドの傍に寄ってヒソヒソと何やら耳打ちした。
それを見た瞬間、私は染岡の手を取った。
「え、おい」
『走って!』
驚く染岡の手を引いて駆け出して、部屋から飛び出る。
後ろから、待て!と叫び声が聞こえた。
「おい、どうしたんだよ急に!」
『円堂達がこの屋敷に侵入してる!彼らが逃げるまでの時間稼ぎ!』
走りながら簡潔に説明するが、染岡は、はあ!?と意味が分からないといった驚きの声を上げる。
『とにかく!円堂達を逃がす為に、今からウチらが囮になってこの屋敷の人員を分散させるってこと!』
「なっ!お前まさか、ハナからそれ目的でココに……!」
『うん!そもそもガルシルド、普通に悪いやつだから─っと、染岡、こっち』
さっきどうにか頭に入れた屋敷のマップを思い出しながら角を曲がる。
後ろを見れば、待てー!とさっきの小太りの男が追いかけて来ている。
逃走スタート
囮とはいえ、私たちも捕まる訳には行かない。
全速力で逃げようか。