世界への挑戦編②
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「どうして知ってんだよ」
染岡がにらみながらそう聞けば、フォクスはそれはと簡単に口を開いた。
「お声がけするタイミングを見計らって様子を見ていましたら、何やら怪しげな本を読まれている様子でしたので。本来の主の件は学生ながらトレーナーをしているという日本の子供と話がしてみたいと言うものだったのですが、あなた方にも都合がよろしいのではないかと思いあのような言い方を」
失礼しましたと頭を下げるフォクスの様子に、染岡はそうか、と納得してしまった。
恐らく本当はもっと前から知っていたのであろう。
私が神代の情報を得るために影山さんに接触し、ガルシルドについて探っていた為、警戒され監視でも付けられてたからなんだろうが……。
実際、フォクスが言うように都合がいい。
だからこそどう考えたって怪しいが……。
どうするよ、といったように染岡がこちらを振り返る。
明らかについて行かない方が良い。
私の現状をガルシルドが行っている非合法な方法ならどうにか出来るかもしれないという僅かな可能性もあるが、何を対価に取られるかわからないし危険すぎる。
だから、普段なら断っていた。
だが、今がブラジル戦前と言うのがなぁ……。
とあるイベントが起こる事を知っているか故に悩んでいる。
これ、いつもの私が行かないと本来起きるはずだったイベントが始まらないってバク。
それのケアの為にも。なによりそのイベント自体が結構危険な事であるし、子供たちの身を案ずるなら出向いとく方が良さげではある。
『………、彼も一緒に行っても大丈夫ですか?流石に、知らない人の所へ一人で行くのは不安なので』
そう言えば、染岡が随分と驚いた顔をしていた。
今まで、危険な所へ行く時について来ようとする染岡を跳ね除けてたからかな。
「もちろん構いませんよ」
『それから、私たち未成年なので監督に連絡をさせてもらいますね』
「ええ、それがよろしいかと。図書館内は電話禁止ですからとりあえず外へ出ましょうか」
フォクスの言葉にうんと頷いて、外へ出てから久遠さんの携帯に電話をかけた。
少しの呼び出し音の後、もしもしと言う低い声が耳元から聞こえた。
『もしもし。久遠監督、お疲れ様です。すみません、ちょっとガルシルド・ベイハンさんにお呼ばれしまして、今から染岡と行って来るんで帰り遅くなりそうです』
ガルシルド・ベイハン!?と流石の久遠さんも驚いている。
『なんでも学生ながらトレーナーをしている事に興味を持たれたようで少しお話したいと。まあ、FFIの主催者と話せる機会なんてそうそうないだろうし、行ってみようと思うんですけど、ダメですかね?』
何かあるんだな、と何かを察したように小さな声で久遠さんが呟いた後、気をつけろと続けた。
『分かりました。あ、夕飯のメニューについて後でメールするってマネージャー達に伝えといてもらえます?』
ああ、という久遠さんの返事を聞いて、それでは、と電話を切る。
『すみません。お待たせしました。監督の許可もおりたので行きましょうか』
「はい、ではあちらの車へどうぞ」
フォクスが手で差した先にはお高そうな黒塗りの車が止まっていた。
あの中にもうガルシルドが居るのかと少し身構えたが、近づいて行くにつれ運転手しか載っていない事か見て取れた。
「こちらでガルシルド様のお屋敷までお連れいたしますので、どうぞ、ご乗車下さい。」
フォクスが後部座席の扉を開け私たちは言われるがままに車に乗り込んだ。
扉を閉めた後、フォクスが助手席に乗り、運転手が車を発進させた。
図書館のあるエントランスエリアからブラジルエリアまで来れば車窓から見えるのはあちらこちらで子供達が道々でボールを蹴って遊んでいる姿。
『へぇ、流石、サッカー大国』
観光客も居るだろうが、本国からの応援に来た家族が多いのだろう。他の国のエリアよりも小さな子供達が多い気がする。
「ええ、この街はガルシルド様が支援している事もあって、あちらこちらでサッカーをしている様子が見られますよ」
『へえ』
支援、ね。支配の間違いじゃないとは口が滑っても言えないが……。
街中から少し進んた郊外にブラジルエリアで一等にデカイ、アラブっぽい建物があった。
それがガルシルド邸。
車は大きな門を通り抜けて、玄関前大きな園庭で止まった。
フォクスと運転手がそれぞれ降りて後部座席の扉を開けてくれ、我々は左右それぞれで車からおりた。
『わー、でっかぁ』
大きい建物の全容を見ようと顔をあげるが、とても一望できる広さではない。
だが、目に付いた監視カメラの位置は覚えた。
「では、ご案内します。こちらへどうぞ」
そう行ってフォクスの案内で正面玄関から堂々と中へ入っていく。
『うわぁ、凄い』
キョロキョロと大袈裟に建物を中を見回しながらフォクスの後をついて行く。
「お前、そんな田舎者みたいに……」
『うるさいな、田舎モンですよこちとら』
小声で突っ込んできた染岡にそう返しながらも、一生懸命頭の中に少しでもと、建物内のマッピング情報を残していく。
「こちらでお待ちください。主を呼んでまいります」
そう通されたのは応接室のような部屋。
中にある大きなソファに腰掛けて、フォクスが出ていったのを見て、ポケットから携帯を取り出しメールを打つ。
「どうしたんだ?」
『んー、秋ちゃん達に晩御飯の事をね〜。ある程度お昼に仕込みはしたけど調理に困るかもたし』
と、実際に打ち込んでいる内容とは別の事を染岡に話しながら進めていく。
ガルシルド邸の入口の監視カメラの位置、建物の大まかな配置。建物内の監視カメラの位置。
思ったよりカメラの数はなく、通ってきた道なりの配置は意外と記憶できたと思う。
あとは、私というか、水津梅雨がゲームをやった時の曖昧な記憶で確か建物の右側にコンピュータールームがあったような気がするというもの。
役に立てるかは分からないが……。
宛先を鬼道とヒロトに買えて、そして、
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この2人ならこの情報を使って上手く立ち回ってくれるだろう。