世界への挑戦編②
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アルゼンチン代表ジ・エンパイア対アメリカ代表スターユニコーンの試合は1対0でジ・エンパイアの勝利で終わった。
これによりスターユニコーンの決勝進出が無くなり、イナズマジャパンの決勝トーナメント進出が決まった。
それから雷門夏未が久遠冬花の記憶を頼りに探し出した円堂のじいさんの特訓ノートを持ってきて、相変わらず汚い字で読めないそれを円堂が解読し、俺らはその特訓ノートに書かれた11の心得を胸に4日後に行われる決勝トーナメントに向けて練習を開始した。
「綱海くん!」
吹雪のパスがドンピシャで走っている綱海の足元に落ちる。
「よっしゃ行くぞ!うおっ!?っと、わりぃ!」
力んだ綱海のキックに寄りボールは高く遥か彼方に飛んでいく。
「どこ蹴ってんだよ!」
ツッコミながら、柵を越えてしまいそうなボールを見上げていれば、ふたつの影が飛び上がったのが見えた。
「「バタフライドリーム!!」」
空中で手と手を繋いだ浦部リカと財前塔子がボールを蹴り飛ばした。
「塔子!?リカってぇ!!?」
『円堂!!』
突然現れた2人に驚いた円堂の顔面に2人が蹴り飛ばしたボールが当たり、鈍い音と共に円堂が後ろに倒れた。
ベンチに居た水津がすぐさま飛び出してゴールへと駆け寄る。
「あっ……」
「サプラーイズ!みんなびっくりしたやろ!あっ、梅雨〜!土産あんで〜!!」
円堂にボールが当たったことで青い顔をしている塔子とは反対に、浦部はそんな事は気にせずといった様子でブンブンと水津に手を振る。
『うん、今それどころじゃないー』
水津は、浦部の方を見向きもせず倒れた円堂の様態を確認している。
「なんや相変わらずやなぁ。まあええわ」
そう言って浦部は大量の荷物をグラウンドまで運んで来て地面に座り込んで化粧直しをし始めた。
すっかり練習という雰囲気ではなくなってしまったし、水津が円堂に肩を貸しベンチまで運んでいる様子から続けるのは無理だとみんな浦部と塔子ほ元に集まって行く。
『私桶に水汲んでくるから冬花ちゃん、これタオルで挟んで顔に当てといて』
円堂をベンチに寝かせた水津は、久遠に氷嚢を渡して走って水汲み場へ向かう。
お前の蹴ったボールのせいで水津は忙しそうにしてんのに呑気なもんだな、と化粧をしている浦部を見下ろす。
「2人とも久しぶりだね」
「来るんなら連絡よこせよな」
イナズマキャラバンでの旅で付き合いの長かった吹雪と綱海が率先して話しかける。
「それじゃあサプライズにならへんやろ」
「リカがさぁ。とにかくみんなをびっくりさせてやろうって言ってさ」
塔子の言葉に、せや、と頷きながら浦部は化粧品を荷物にしまって飛び上がるように立ち上がった
「イナズマジャパン熱血サポーター、浦部リカと!」
「同じく!財前塔子!」
「ついにサッカーアイランド到着や〜!」
「決勝トーナメント進出おめでとう!」
「うちら、アンタらが優勝できるようにハッパかけに来たんやで!」
凄い勢いの2人に押されて、はあ、と皆気の抜けたような返事をする。
「リカさん、あの……」
言いにくそうに木野が浦部に声をかける。
「ん?」
「一之瀬くんの事だけど……」
手段の為一之瀬は俺らとの戦いの後すぐアメリカに返ってしまっていると土門から聞いた。
その土門も今朝アメリカに返っちまったらしいし……。
「分かってる!分かってる!こないだダーリンから電話あったんや!」
そう言って浦部は木野の傍に寄って耳元でコソコソと何かを囁いていた。
「しっかし、ダーリン女のフり方ヘタやわ!」
大きな声でそう言って浦部は木野から離れる。
「夢がどーのこーのって、それって遠回しに日本へは帰らんって事やろ」
夢がどーのこーの、なあ……。
遠回しにフってる、か…………。
ベンチの方へ視線を向ければ、桶を抱えた水津がちょうど戻ってきていた。
「でも、ダーリンとの出会いと別れはウチをもっといい女に輝かせるんや!」
そう言って劇的に両腕を空に伸ばす浦部に、木野があら?と呟く。
「それは?」
木野が指さしたのは浦部の手首に着いている白と水色のブレスレットだった。
「ああ、これか?タダで貰ったんや〜。塔子も持ってんねんで」
「だからアタシは趣味じゃないってば、こういうの」
そう言って塔子がカバンから取り出したのは黒と紫のブレスレットだった。
「私も好みじゃないかも」
「だろ?」
「私はこれカッコイイと思うけどなあ」
趣味じゃないという塔子と木野に反し、音無が目を輝かせて塔子に近寄る。
欲しいならやるよ、と言った様子で塔子がブレスレットを渡せば、音無はわあ、と声を上げながらブレスレットを腕にはめた。
「梅雨先輩もこういうの好きじゃないですか?」
そう言って音無がベンチの方へ振り返る。
「あ、春奈、梅雨はアカンで!彼氏からもろたミサンガ着けとるからな〜!」
「ゴホッ……!!? 」
浦部の発言に驚いて噎せる。
「えっ!そうなんですか!」
『違う違う。リカちゃんの妄想』
驚く音無に淡々とそう言う水津にもう少し照れてもいいだろと思う。確かに彼氏じゃねえけどよ。
にしても、まだ、あのミサンガ着けてくれてんだよな。分かんねぇんだよな……いい感じなような時もある気がするけど、さっき浦部が言ってたような当回しにフろうとしている感じもする時があるし。
「いや、彼氏やないにしろ絶対男からやろ!アンタの趣味ちゃうもん!!」
『趣味とかじゃなくてもこれほら日本代表カラーだから』
なんで浦部は男からってわかるんだよ。
それで、しかも水津はそれ
趣味じゃなかったのかよ
見てたのこれだと思ったんだけどな。
でも趣味じゃないもん律儀に着けてくれてんのか。