世界への挑戦編②
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後半戦からオルフェウスは、MFのジャンルカに代わってキャプテンのヒデ・ナカタが入った。
彼が入ったことでオルフェウスはより一層チームとして引き締まり、素早い連携でパスを繋ぎサイドから上がったフィディオにボールが渡った。
「オーディンソード!」
「イジゲン・ザ・ハンド!」
魔法陣から伸びた剣先が、ドーム状の衝撃波の壁を貫いて円堂の横をすり抜ける。
そのボールを円堂の背後に回った鬼道が追いついて何とか脛に当てる。
おかげでボールは上に弾かれゴールポストに当たって跳ね返ったものを何とか円堂が取り押さえた。
間一髪の状況にベンチではみんな、ホッとしたように息を吐いていた。
「流石だな、影山。この短期間でチームをここまでまとめあげるとは……」
反対のベンチを見つめながら響木さんが呟くのに、そうですねと頷く。
「だが、俺も……、雷門イレブンの魂はイナズマジャパンにも引き継がれているぞ」
元イナズマイレブン同士、負けられない戦いになるだろう。
そして負けられないという思いが、今1番強いのは鬼道だろう。
ボールを持った鬼道がフィールドを駆ければ、カテナチオカウンターをしようと彼の周りをオルフェウスのメンバーがぐるりと囲んだ。
だが、先程フィディオの動きを見切った鬼道は、同じは技はもう通用しないと、簡単にフィディオを抜き去った。
だが、それを読みフィディオを抜いた先で鬼道を待っていた中田が、ボールを奪いラファエレへとパスを通した。
先程までならカウンターとしてそのままシュートを行っていたラファエレに流石にイナズマジャパンもマークを付けていたので、彼は近くまで上がってきたフィディオへパスを回した。
そして、フィディオのシュートかと円堂が身構え、壁山が守りに入ったところで、ボールはシュートではなくバックパスされた。
「中田!?」
フィディオのパスが渡ったのは中田で、つま先で押し出すように踏み込み回転をかけてボールを上に上げた中田は自身も高く飛び上がりオーバーヘッドでボールを蹴り落とした。
「ブレイブショット!!」
サムライブルーのような青い光を纏ったボールが飛んで行き、円堂が飛び上がり地面に拳を叩きつける。
「イジゲン・ザ・ハンド!」
ブレイブショットはイジゲン・ザ・ハンドを穿いて、ボールはゴールネットを揺らした。
《ゴール!!オルフェウス勝ち越し!》
実況の声を聞きながらベンチではマネージャー達も選手達も不安げな表情になっている。
無理もない。イナズマジャパンはここで勝たなければ決勝行きが決まらない。
中田の入ったことにより進化したカテナチオカウンター。
元のカテナチオカウンターですら鬼道にしか突破が出来ない状態で、進化したものを更に攻略しなければならない。
『鬼道1人しか攻略出来ないと思い込んでるな……』
「え?でもあんな芸当できるの鬼道さんくらいじゃん」
何言ってんのという顔で木暮が見つめてくる。
『そりゃあフィディオの動きを読むのはね』
鬼道自身も自分にしか出来ないと思ってるだろうし、木暮のようにフィールドのみんなもそう思っているのかも。
『……よし』
意を決してベンチから立ち上がる。
『みんな頑張れー!!』
でっかい声でそう叫べばベンチのみんなが、え?と見上げてきた。
そんな中、秋ちゃんも立ち上がって、頑張ってー!と声を張り上げてくれた。
それを見て春奈ちゃんと冬花ちゃんも立ち上がる。
「お兄ちゃんー!頑張ってー!!」
「みんな、頑張って!!」
それを見て、今度は染岡が立ち上がった。
「そうだな。ベンチの俺らだってチームだ!こう言う時こそ、声出していくぞ!」
そう言って染岡が控えのメンバーたちに声をかけてくれる。
はい!と元気よく立向居が立ち上がり、そうだね、と納得したように立ち上がるのが、ヒロトと土方と目金で。
うす、と静かに飛鷹も頷いて、しょうがないなぁ、と言いつつも、木暮が頑張れ〜と声を上げた。
賑やかになったベンチの方をボールを追う中で鬼道が向いて、小さく笑った。
随分遠回しにしたけど、意図は伝わっただろう。
オルフェウスのカテナチオカウンターが抜けないのは、彼らはチームで個を相手にしているから。
なら、こちらもチームで戦えばいいのだ。
きっと、鬼道も、フィールドで戦うみんなも気づいただろう。
先程より、連携を意識したプレーでイナズマジャパンのパス回しが良くなった。
豪炎寺から鬼道へパスが通り、そのボールを鬼道がゴール前まで持ち込もうとすれば、またもぐるりとオルフェウスの選手たちが囲んだ。
何度も見た中央で鬼道とフィディオが対峙する様子。
先程と同じように鬼道がボールを死守してフィディオを抜けば、その1歩先に中田が待ち構えた。
その中田は次の瞬間驚いて足を止めた。
「鬼道!」
「フッ」
鬼道の後ろから佐久間と不動が飛び出て、3人がかりのジグザグパスで中田を抜き去った。
そして、鬼道がピュユィと指笛を吹いた。
鬼道、不動、佐久間の3人は飛び上がって、ボールを大きく蹴りつける。
「「「皇帝ペンギン3号!!!」」」
目つきの鋭い紫のペンギンたちが、ボールと共にゴールへ飛んでいく。
「コロッセオガード!!」
ブラージが正面からボールを受け止めようとするが、コロッセオの壁をペンギンの嘴が砕いて、ボールはゴール突き刺さった。
《ゴーーーーール!イナズマジャパンついに追いつきました!》
やった!と喜んで春奈ちゃんが秋ちゃん飛びついて、勢いで秋ちゃんが倒れそうになるのを慌ててささえる。
これが俺たちのサッカーだ
そして、諦めないのが雷門魂。試合終了まであと僅か。