世界への挑戦編①
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先日、交通事故にあい、気を失って病院に搬送された冬花ちゃんだったが無事に意識を取り戻して次の日の朝に久遠さんと共に戻ってきた。
過去の記憶が戻ったわけではないようだが、この日以来冬花ちゃんは夜見る夢に魘されている。可哀想だがこればっかりは時がくるまで仕方がない。
「雨やみませんねぇ」
一緒に夕飯の支度をしていた春奈ちゃんが、ポツリと呟く。
今日は昼から雨でグラウンドが使えなくなって午後から室内でのミーティングだった。
昨日の夕方、アメリカ対イギリスの試合のテレビ中継を観戦し、夕飯前にもうひと練習だ!とやる気を上げていたくらいだから、今日は午前中しかできなくてみんな残念がっていた。
『天気予報じゃ明日は晴れるらしいけど、この雨の後じゃグラウンド整備からかなぁ』
「分かりませんよ?アジア予選の時みたいに泥のグラウンドだ、って言ってそのままやるかも」
「ふふ、お父さんならありそう」
春奈ちゃんの言葉に冬花ちゃんがくすくす笑っている
。
『いやぁ、洗濯大変だから勘弁願いたい』
心からそう思い口に出していれば、バタバタと食堂に入ってくる足音が聞こえ調理の手を止め顔を上げた。
「遅くなってごめんなさい」
そう言って秋ちゃんが厨房へ顔を覗かせた。
秋ちゃんは今日は昼から一之瀬に会いにアメリカエリアに行っていた。
「いいえー!大丈夫ですよ」
「ありがとう」
『雨濡れなかった?』
「実はちょっと濡れちゃったから着替えてきたの」
「結構降ってましたもんね」
厨房に入って手を洗った秋ちゃんに私たちが先程までに下ごしらえした野菜をフライパンで炒めてもらう。
「一之瀬さん元気でしたか?」
「え、あー、うん。元気そうだったよ」
秋ちゃんの煮え切らない返事に春奈ちゃんが小首を傾げる。
「一之瀬さんって秋さんの幼なじみなんですよね」
「ええ、昔アメリカに住んでた時からの友達なの」
「昔からの友達……」
そう呟いて冬花ちゃんはぼんやりと遠くを見つめた。
「どうして守くんが…………」
「冬花ちゃん?」
「あっ、ごめんなさい。なんだかボーッとしてしまって」
幼なじみという言葉に、小さい頃の円堂でも思い出して何か冬花ちゃんの記憶に引っかかったのかもしれない。
「ところで……、一之瀬さんからの呼び出しってなんだったんですか?」
ワクワクといった顔で春奈ちゃんが秋ちゃんを見つめる。もしかして告白とかって思ってるんだろうな。
実際はプロポーズみたいなとこ言ってはずだから間違いじゃないんだけど。
「実はね、一之瀬くん、プロリーグのユースチームに入る事が決定したんだって」
「ええ!?凄いじゃないですか」
うん、と頷く秋ちゃんは何故か複雑そう顔をしていた。普通、幼なじみのプロユース入りなんて大喜びしそうなものだが……
『それを秋ちゃんに1番に話したかったなんて可愛いところがあるわね』
「本当にそれだけだったのかな……」
小さく呟いた秋ちゃんの言葉に春奈ちゃんと冬花ちゃんは首を傾げでいる。
「どういうことですか?」
「なんだか、一之瀬くんいつもと違う気がして」
「でも元気そうだったんですよね?」
そうなんだけど……と秋ちゃんは言葉を濁す。
『幼なじみの感ってやつじゃない?心配なら電話してみたらどう?』
「うーん……。そうね、夜に電話してみるわ」
そうして秋ちゃんが夜に一之瀬に電話をかけてみたが、彼には繋がらず、翌日秋ちゃんはもう一度話をするためアメリカエリアに行った。
だが、一之瀬は留守で会えなかったらしい。辛うじて土門に会えたらしいのだが、一之瀬のことを問正せば下手な嘘で誤魔化して逃げられてしまったらしい。
「ねえ、梅雨ちゃん。この間、土門くんに呼び出されたのってもしかして一之瀬くんの話じゃ……」
『……そうだよ』
一瞬言うか悩んだが、ここで黙っても肯定になる気がして口を開いた。
『土門も一之瀬の様子に悩んでるから攻めないであげてね』
「一之瀬くんに一体なにが……」
『どうしても知りたい?』
「うん……。でもそれは……」
言えないんでしょう?と言った様子で秋ちゃんは私の顔を見つめた。
『本人が言わないことを私の口からはいえないけど……試合前なら一之瀬と会えるはず。どうしても知りたいのならその時に会っていらっしゃい』
その間のマネージャーの仕事なら私がやっておくからさ。
でもその前に
私も1回会って話をしておきたいな。