世界への挑戦編①
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私では答えを上げることはできないが、それでも話して少し楽になったという土門と別れてジャパンの寄宿舎へ帰って来た。
扉を開けてただいまと中に入れば、入口付近にソワソワとした様子の染岡が居て思わず吹き出しそうになる。
「お、おかえり。あー、その……」
何か言おうとしているようだが、続きの言葉が上手く纏まらないのか、あー、と呟きながら染岡は頭を搔いた。
試合中はあんなにカッコイイのに、こういったことには途端にダメになるなぁ。
『ふふ、尾行はもうちょっと上手にやらなきゃだめだよ』
「いや、あれは……吹雪と音無が無理やり……。いや、勝手につけたりして悪かった」
『まあ、怒ってないけど……、そんなに
「まあ、他人のつーかお前だったから……」
おやまあ随分と素直に言う、と思って驚いて顔を見上げれば、染岡自身も無意識にでた言葉だったのか、あっ、と呟いて顔を赤く染めた。
「いや、その、音無たちが、気になったんじゃねぇかって……その、珍しいだろ、お前のそういうの!」
『あはは、そうだね。まあ、デートってのは冗談でただの人生相談だったんだけどねー』
真っ赤な顔の染岡につられたのか、自分の顔も赤い気がして、顔を逸らしてそう答えを明かす。
「えっ、あ、そ、そうなのか。へー、へぇー」
染岡も興味無いような返事をしながら手で口元を抑えながらふいと顔を背けた。
それから少し無言の時間が続き、いたたまれなくなったのか、染岡がこちらを向いた。
「あのよぉ、」
『……なに?』
「つ、次の休みは、その、俺が誘ってもいいか」
『え?』
話の流れからして、デートに、って事だよね?
まさか、染岡からそんな風に誘われるとは思っていなかった。
赤い気がする顔が確実に赤いだろうと分かる。
熱を冷ます為、右手で首元を触る。
『い、いいけど………』
あー、久遠さんが知ったら期待させるなと言っただろうと怒られそう。まして、私の抱える問題は、影山とあっても何も解決しなかったわけだし……。
それでも、好きな人が意を決して誘ってくれたのを無下に出来るわけがない。
「っ、」
嬉しそうな顔をして小さく拳を握るのなんか見ちゃったら余計にね。
「水津!」
ドタバタと言う足音と共に久遠さんが現れ珍しい大きな声で私の名を呼ぶものだから、染岡との会話を聞いて怒っているのか、とビクリと肩を揺らした。
「久遠監督?」
『く、久遠さん?未成年に手を出すつもりは……』
「冬花が交通事故にあった!」
私の元までやってきた久遠さんは珍しく焦った顔をしていた。
『え……あ!私の代わりに買い出しに行くって……』
「ああ、外傷はないらしいが気を失ったと円堂から連絡があった。私はすぐに病院に向かう」
円堂と一緒ってことは、トラックが突っ込んで来たアレか……。
『分かりました。宿舎の方は私が責任を持ちますから、古株さんに運転してもらって下さい。慌てて向かって久遠さんまで何かあったら冬花ちゃんは2度も家族を失うことになるんですからね』
そういえば久遠さんは、ハッとしたような顔をした後、一呼吸吐いた。
「そうだな。後の事は頼む」
『はい。気をつけて』
慌ただしく出ていった久遠さんを見送れば、染岡が何か聞きたそうにこちらを見ていた。
「2度もって……」
『他には秘密ね?本人すら覚えてない事だから』
「覚えてないって……」
『円堂は幼い頃の冬花ちゃんのこと知ってたけど、彼女は覚えてなかったでしょう?』
「あー、サッカーの守くんか」
冬花ちゃんが初めて雷門中に来た時に円堂をからかっていたから覚えがあるだろう。
『そう。冬花ちゃんは覚えてないんだよねぇ』
今は久遠さんと幸せに暮らしているのだから記憶が無いことに可哀想だとは思わない。
それどころか、少し羨ましくもある。
私もみんなのこと何も知らずにこの世界に来れたら……。
こんなに悩まずに済んだ
なんて、思ったけれど、イナズマイレブンに出会わなかったらそもそも私は生きていなかっただろうし。