サブストーリー
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目金が持ってきたホラーゲームをやろうぜと集まって早数時間。
ホラゲなのにアクション要素もあって、それが中々に難しく俺たちは同じ所で30分以上詰んでしまっていた。
「だあああ、また死んだ!」
何度見たか分からないゲームオーバーの文字。
ゲームオーバー事にプレイヤーを交代していくが皆、尽くボス幽霊にやられていく。
変わらぬ画面に飽きが来て、最初は恐ろしかった幽霊のビジュアルにも見慣れてしまった頃、目金が立ち上がった。
「助っ人を呼んできます」
その間やってて下さい、と目金は言って部屋を出ていき、俺は持っていたコントローラーを壁山に渡した。
「ひぃーっ!?来ないで欲しいっス!!」
ビビりの壁山は、何十分も見てるのにまだこの幽霊に慣れないのか悲鳴をあげ目を瞑った。その結果、主人公は幽霊に襲われ惨たらしい姿になりゲームオーバーとなった。
「ヒロトさん、パスっス!」
「あ、次オレ?さっきは直ぐにやられちゃったからなあ」
「最初の攻撃はドッジロールで回避でヤンスよ!」
コントローラーを受け取ったヒロトが先程目金が居なくなった席に座ってゲームをリトライする。
栗松からのアドバイスを受けて、先程即死した攻撃を避けて行く。
「おー、中々うめぇじゃねーか!」
「ふふ、流石に操作に慣れてきたかな……あっ」
綱海が褒めた途端、ヒロトが操作をミスって攻撃を食らってしまった。
「あー……」
「ちょっと調子に乗りすぎたね」
あはは、とヒロトが笑う中、ガチャと後ろの扉が開く音がした。
「うわあ!」
音にビックリしたのか壁山が大きな声を上げると、扉を空けて入ってきた人物達も、うおっ、とビックリしたような声を上げた。
「なんだ、目金さんッスか。ビックリしたッス」
「ビックリしたのはこっちですよ!ねぇ、水津さん」
目金が呼んだ名前を聞いて思わず背筋を正す。
『……ああ、うん。ちょっと驚いたよね』
胸に手を置いて、ふう、と息を吐きながら水津は目金と共に部屋の中に入ってきた。
『みんなでゲームしてるとは聞いてきたけど、何やって……』
画面を見て水津が固まった。
そう言えば、水津ってホラー苦手じゃなかったか?合宿の時怖がってたはず……。
「大丈夫か?」
そう声をかければ、水津はハッと意識を取り戻して、ギギギと効果音が聞こえそうな程硬い動きで首を動かし目金の方を見た。
『アクションゲームで詰まってるって言ったよね?』
「はい。アクションホラーゲームです!」
『ホラゲじゃん……。これカメラで写真と取って幽霊撃退するやつだよね』
「ええ、そうですよ。流石にゲーム好きだと知ってますよね」
『うぅー、これ怖いって有名じゃん。その上なぜかアクション難易度も高いって……』
水津は嫌そうな顔をしながら目を細めて画面の方を見た。
「ええ、その高い難易度故、何十分もこのボスと戦う羽目になっていまして、水津さんの力を借りれればと」
『目金はゲーム好きなんじゃないの?』
「好きな事と上手いかどうかは別ですよ」
『それは、そうね』
はあ、と大きなため息を吐いた後、水津は俺たちが座ってるソファの後ろに立った。
『壁山、怖いの苦手なのに大丈夫なの?』
「大丈夫じゃないッスよ……。栗松に誘われて来たらホラーゲームだったッス」
「いやぁ、流石にオイラも1人じゃ怖いでヤンスから」
『道ずれにされたのか……可哀想に』
そう言って水津はヨシヨシと前にあるでかい壁山のアフロを撫でた。
「ところで、水津先輩後ろからで画面見えるでヤンスか?」
『えー、あ、うん、見えないことはないかな。というか別に見えなくても……』
「あっ、オレで見えないッスよね。席変わるッス!」
そう言って俺の隣りの壁山は立ち上がって席を譲る。
「ちょうど2人分空きましたね」
そう言って目金が水津を手招く。
小柄な2人なら巨体の壁山の退いた席に詰めれば座れるだろう。
目金が先にヒロトの隣に座った事により、必然的に水津が俺の隣に座る。
…………近ぇ。
思わず赤くなる顔を悟られないように顔を画面の方に向ける。
『……はあ。目金、操作方法教えながら見本プレイしてよ』
「フッフフ、任せて下さい!」
キランと目金を光らせて、コントローラーを握った目金が意気揚揚と操作説明を始める。
「Bがドッジロールで、Aでカメラのシャッターを切ります」
『うわ、これ攻撃回避しながら幽霊にエイム合わせなきゃいけないの?』
「ええ、残念ながらオートエイムではないので回避した後、素早くスティックで幽霊のほうを向かないといけません」
そう言って目金は攻撃してきた幽霊を避けた。
そしてカメラを向ける。
だが、幽霊はパッと画面から姿を消す。
『え、』
「これが厄介なんですよね」
消えた幽霊をコントローラーのスティックを回して目金が探す。
そんな時だった。
バッと画面に血まみれの頭で白目まで真っ黒で、真っ赤な唇がやけに長い幽霊の顔が画面いっぱい貼り付けられた。
「ヒィッ!」
『ッ、!』
「え、」
目金が悲鳴を上げると共に、水津がビクリと震えたかと思うと俺の腕にしがみついた。
二の腕にふに、と柔らかい感触が当たる。
「お、おい、水津ッ……」
『ご、ごめん、びっくりして……』
そう言った水津は俺の腕にしがみついたまま震えている。
「い、いや、まあ、最初はビビるよな」
俺はもうこの幽霊に見慣れてしまったからそんなに怖いとも思わないが……。
『プ、プレイヤーの邪魔しなかっただけ褒めて欲しい』
「お、おう、そ、そうだな。けど、水津、そろそろ……」
腕を離して欲しい、そう言おうと思った時だった。
水津の後ろに回った綱海が、手を伸ばして水津の項に触れた。
『ひゃあっ、』
珍しく可愛い悲鳴を上げた水津が俺の胸に飛び込むように抱きついて来た。
「お、おい!綱海!!」
「アハハ!水津お前意外とビビりなんだな!」
「綱海さん最低ッス」
「水津さん可愛そうでやんす」
「わりぃわりぃ!珍しいもん見たさでな!」
面白おかしそうに綱海は笑っているが、こっちは笑い事じゃない。
ホラーゲームとは別に
ドキドキしてんのは俺だけだろう。
その後、綱海にブチ切れた後、死んだような顔した水津がビックリさせてくるタイミングさえ分かれば怖くないんじゃ!と呟きながら、俺らが何十分も苦戦したボス戦を早々にクリアするのだった。
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