世界への挑戦編①
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テレスに教えてもらった道の先にあったカフェに入り頼んだ飲み物とデザートが届いたところで、目の前に座る土門の顔を見上げて、さて、と口を開く。
『本題に入るけど、手術の結果は答えられないよ』
彼の手術が成功して、将来もアメリカが選手をやっていることは分かっているが、私が言ったが最後、未来が変わってしまう事もある。
『理由は以前説明した通り』
ダークエンペラーズでの戦いが終わったあと、みんなには説明している。
「ああ、分かってる。というか、こんな状況になって初めて分かった。しんどいな、自分だけが知ってるって」
そう言った土門は疲れたような顔をしていた。
『そうだね……』
一之瀬の容態の事は、他のチームメンバーには伝えられていないはず。
唯一、親友の土門だからこそ一之瀬も打ち明けたのだろうけど、命に関わる問題を秘密にしなきゃいけない土門は色々とキツイだろうな。
「今回、梅雨ちゃんに連絡したのは、結果が聞きたかったからじゃないんだ。いや、まあ聞けるなら聞きたいけどね」
『だろうね』
まあ、絶対に教えないけど。
「一之瀬がみんなに隠してるのに俺が勝手に話すわけにもいかないしさ。けど、命に関わることだし、話した方がいいんじゃないかって気持ちもあって。その葛藤を抱えたままだとおかしくなりそうでさぁ」
そう言って土門は、目の前のコーヒーを匙でクルクルとかき混ぜた。
「梅雨ちゃんなら知ってるだろうし、オレの愚痴くらいは聞いてくれるかなって」
『えらいなぁ、土門は』
そう呟けば、土門はコーヒーをかき混ぜる手を止めて、え?と聞き返してきた。
『私は、吹雪の時に"それ"できなかったから。それこそ土門は私が話せるようにしようとしてくれてたじゃない』
なにわランドでも1人で抱え込むなと言ってくれてたしね。
「まあ、そうだけど……。今回の件でオレも梅雨ちゃんの気持ち分かったから、何も知らないオレたちに話せなかったのはしょうがないと思うぜ?」
『うん、でもさぁ、響木さんには別の世界から来たこと伝えてたんだし、今の土門みたいに気持ちを聞いてもらうことくらいしとけば、ああはならなかったかもなって』
あの頃の自分の精神状態がまともだったとは到底思えないし。
まあ、今も隠し事し続けている時点でまともじゃ無いのかも知れないが……。
「それは本当にそう。あの頃の梅雨ちゃんだいぶ変だったからね」
『だからね、土門はおかしくなる前に話聞いてくれ〜って私のとこに来たの凄く偉いよ。答えはあげられないけどさ、吐くだけでも楽になるだろうしね』
私も、鬼道に話したあとは少し楽だったもんな。
「じゃあさあ、オレの思ってること愚痴っていいか?」
『うん』
「オレさ、本当は一之瀬には直ぐにでも帰国して手術を受けて欲しい」
そりゃあ、遅ければ遅いほどリスクは高まるだろうしね。
「でも、もし、手術が失敗して、二度とサッカーが出来なくなるなんて事になるんなら、悔いがないようにこの世界大会で一之瀬に思う存分サッカーをやらせてやりたい」
『一之瀬自身もその考えなんだろうね』
だからこそ、チームメイトに隠して、アメリカ代表選手を続けている。
「ああ。だからこそアイツに帰って手術しろなんて余計に言えないし……でも体の事を思うなら……」
そう土門は声を震わせた。
サッカーをやめろ
それこそ、それは彼にとって死を意味するだろう。
かつての私がそうだったように。