オリオンの刻印
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代表発表が終わった翌日、私と西蔭は日本サッカー協会が用意したバスで富士山近くの河口スポーツセンターへと到着した。
バスを降りれば先に来ていたフットボールフロンティアインターナショナルの代表選手たちがすでに挨拶を交わしたり、同じ学校の者同士で固まっていた。
「西蔭!水津さん!」
こちらに気づき人懐っこい笑みで手を振って来たのは稲森明日人だった。
雷門中のメンバーと一緒にいる彼のところに西蔭と共に歩み寄る。
「あ?なんでお前がいるんだよ」
そう言ったのは稲森の左隣にいる灰崎凌兵で、相変わらずの態度だ。
「そりゃあ、代表選手だからだろ?」
「フリースタイルフットボールのだろ」
「確かに」
そう呟いて灰崎の後ろから水色の髪のひょっこりとイケメンが顔を出した。
「同じく日本代表ではありますけど、種目が違いますよね。それなのになぜ?」
うーん、と彼は顎に手を置いて考え始めた。
『それは趙金雲監督が、フリースタイルのコーチングも担当してるからだよ』
「あのオッサン、フリースタイルなんか分かるのか?」
『うーん。ワタシに任せなさーい!とは言ってたけど、怪しいよね』
見た目だけではなく、経歴も怪しいし。
『まあとにかく、体力作りとかの基礎練とかはみんなと一緒にやるとこになると思うよ』
事前説明の段階で、まとめて教えた方が楽……いや、一石二鳥ですから!とか言ってたし。
「なるほど。では、改めて……、氷浦貴利名です。水津さんが雷門中に来られたって日はちょうど会えませんでしたからね。改めてよろしくお願いします」
『ああ、そう言えば、ゴーレムくん?もあの日いなかったんだよね』
「えっ、今、オレの話をしたでゴス?」
そんな特徴的な語尾で聞き返すように振り返ったのは、稲森達の後ろで剛陣や万作と話をしていた巨漢の男、岩戸高志だった。
『ちょうど雷門に行った時に居なかったからねぇ』
そう言ってヒラヒラと手を振れば、彼は丁寧に頭を下げた。
『改めてよろしくね』
そう言って笑えば、岩戸は顔を赤くしてハイでゴス!と返事をした。
ウブで可愛いじゃないか。伊那国島の子たちがゴーレムというあだ名で呼ぶのがよく分かる。四角で出来たサンドボックスゲームの世界のゴーレムみたいな可愛いさがあるな。
なんて思いながら辺りを見回していれば、とある2人が目に入った。
「……鬼道有人が気になりますか?」
後ろから西蔭にそう声をかけられ、振り返って彼を見れば少しばかりむくれている気がした。
『……うーん。気になるというか、鬼道と不動が普通に挨拶してるのに違和感があるというか』
「違和感?」
まあ、私の知ってるイナズマイレブンの世界とは異なる世界線へ来てしまったのだから鬼道と不動が険悪じゃないのは当然っちゃ当然なんだけど、アレを知ってるから変に思うのは仕方ないよねぇ。
吹雪だって知っている彼と凄く雰囲気が違うし、ヒロト……じゃなくて基山タツヤもなんか顔色も良いし目がキラキラしてるし……、いろいろ違和感だらけではある。
『まあ、私が勝手に変に思ってるだけだから気にしないで』
背伸びしてぽんぽんと西蔭の頭を撫でれば、彼は困惑したように、はあ、と返事をした。
そういえば、と西蔭の頭に手を置いたまま考える。
前も鬼道といる時に西蔭が不機嫌だったな。
『もしかして、鬼道のこと苦手?』
「いえ、そのような事は……」
うーん。即答だけどどうかなこれは。私と鬼道が仲良いからこそ正直には答えにくいよね。
「お前らいつまでイチャついてんだよ」
その声に振り返れば、灰崎がゲェっとした顔をしていた。
『なに?灰崎も頭撫でて欲しいの?』
「気持ちわりぃこと言ってんじゃねーよ!だいたいいつまでここにいんだよ。さっさと行くぞ!!」
身震いしながら大声でそう言った灰崎は、大股でスポーツセンターの建物の方へ進んでいく。
「照れなくてもいいのになー」
稲森がからかうように笑って言えば、照れてねぇ、気持ち悪がってんだよ!と叫んでいる。
「というか、イチャついてる事は否定しないんですね」
『そりゃあ……』
後輩は愛でるもの
ですからね。とは言ったものの、西蔭も否定しないのは意外だったなぁ。