世界への挑戦編
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『ミスターK。神代の件はどうなりました』
ハーフタイムは有意義に使わなくては、とミスターKの座っているベンチの元へ近寄る。
「おや、いいのかね?彼らに聞かれたくなくてわざわざ1人で私を探していたのだと思っていたが」
ミスターKの視線の先で、イナズマジャパンの4人が彼を睨みつけていた。
『そうですね。こんな事になってしまうし、彼らには知られたくなかったですけどね』
はあ、と1つため息を吐いたあと、前を向く。
『だからこそ、貴方からちゃんと情報を持って帰らないと帰るに帰れないんですよ』
そう行って仁王立ちして、話さないと目の前から動かないというアピールをすれば、ミスターKはククと笑った。
「ここで貴様を縛り付けておくのも悪くはないが、わざわざイナズマジャパンを犠牲にしたのだ。その分の報酬くらいは出してやろう」
は?別に犠牲になんてしてねぇわ。
と、言いたいところだが、抑えて抑えてと。
ここで私がキレてそれによりミスターKの機嫌が損なわれ情報をくれなくなるのは本末転倒だ。
「貴様が約束の時間に来なかったからな、その1日であの方から返答を頂けたよ」
『来なかったって、行きましたよイタリアエリアには!そもそも、私が行くの分かっててオルフェウスの子たちにあんな事したんでしょう?』
まあ、私が行かなくてもやったんだけど。
「なんのことやら。私は約束通り昼にはここで待っていたのだがね」
待ってはいたんだろうね、アリバイ工作に。
『まあ、いいですよ。それで、向こうはなんと?』
「会う必要性を感じないそうだ」
『つまり、神代の事は知らないって事……?』
神の用意した肉体だとかなら研究したくてしょうがないだろうと思ったのだけれど、そこに食いつかないってことは、そもそも神代についてしらないって事だろう。
「フッ、宛が外れて残念だったな」
あの人には接触してない?なら逆になんで吉良星二郎には接触したんだ……?
「これで貴様は無駄な情報の為に、彼らを犠牲にしたことになるな」
くつくつと笑った後、ミスターKは立ち上がった。
「さて、私は忙しい身でな。お前たちはここでゆっくりとイナズマジャパンが敗北する様を眺めているといい」
そう行ってミスターKは歩き出した。
「影山!」
鬼道が追いかけようとしたのを、不動が手を伸ばして制する。
「ほっとけ、あんなヤツ」
「………ッ!」
「今、アイツを捕まえられる証拠がないのはお前も分かってんだろ」
ここにいる皆は、ミスターKを名乗る彼が影山で、オルフェウスのGKのブラージに怪我を負わせたと思っているが、その証拠は誰も提示できない。
それに他の子たちへの行動も未遂に終わっている。
今回のデモーニオの失明もミスターKの与えたプログラムのせいだが、そうならない自身が彼にはありそうだったし、そもそもただの子供である我々には捕まえる権限すらない。
どうしようもなく、ただ、ミスターKが去っていくのを見守るしかなった。
「ミスターK。先程の少女の会話は一体?」
イタリア代表の練習グラウンドを出た先で、セミロングの白髪で赤いストールを巻いた男が、瞳を瞑ったまま話しかけてきた。
「ただの人探しだ。私のコネクションなら探せると思っていたのだろう。わざわざ調べてやる義理もないのでな」
「適当なことを伝えた、ということですか」
男の言葉にミスターKは、ああ、と頷いた。
「……確か、イナズマジャパンのトレーナーでしたね」
「フッ、取りに足りない小娘だ。あのお方の邪魔になる事はない」
ククク、と笑ってミスターKは男の横を通り過ぎていく。
「水津梅雨か………。影山零治、一体何を企んでいる?」
そう、小さく呟いた後、男はスッと姿を消したのだった。
情報戦術
情報とは力なのだよ。