世界への挑戦編
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前半戦の最初は皆、チームメンバーの居ない状況で自分がなんとかしなくては、その想いが強すぎて空回り連携が上手く行かなかった。
しかし、そこにヒロトが気づいて途中から連携が繋がるようになった。流石、ジェネシスのキャプテンだった男だ。彼の指示は的確だったと思う。
だが、アンデスの不落の要塞と呼ばれるテレス・トルーエにせっかく転じた攻めも止められてしまい、逆に速攻を仕掛けられ立向居がムゲン・ザ・ハンドで立ち向かおうとしたが、相手のFW、レオーネのベルファイアに敗れて先制点を決められてしまう。
1人離れたところでモニターを見ているミスターKが、腹立たしいことにニヤリと口角を上げた。
ジャパンボールで再開するも、ボールを持った染岡にDFのゴルドがジグザグフレイムで突っ込んできてボールを奪い、そのままあっという間にパス連携でゴール前のレオーネにボールが渡った。
再び打たれたヘルファイアに、立向居は今度はまだ完成していない新必殺技を行おうとしたが、彼の背後に一瞬現れた紫の魔王は糸が解けたように消え、強烈なシュートが立向居ごとゴールネットに刺さってしまった。
その後センターにボールが戻されてジャパンボールで再開するも、また同じような状況で攻めいられてしまう。
MFのエステバンがレオーネの名を呼びパスをしようとした所を、ジャパン1のスピードを誇る風丸がディフェンスに戻ってスライディングでボールを弾きラインの外へ押し出した。
「いいぞ!風丸!」
円堂がガッツポーズで喜び、他の3人もほっとしたような顔をしている。
「なんとか3点目は防いだな」
こんな事になってしまった引け目を感じているようだったフィディオも安堵しているようだった。
『けど……』
風丸がスライディングした後、モニターに一瞬移ったヒロトの顔が驚いた表情をしていた。あれはパスを止めたことに驚いてる顔ではなかった。
《 おっと、どうしたんでしょうか?風丸が足を抑えています!》
実況のマクスターの声と共にカメラがフィールドに座り込み左膝を抑える風丸の姿を移した。
直ぐにDF陣が風丸の周りに集まっていき、綱海が風丸に肩を貸してフィールドの外へ歩いていく。
「そんな……!」
「これでイナズマジャパンの敗北は決まりだな」
フッ、とミスターKが笑う。
『うるさいですよ。まだ前半なんだから黙って見ててください』
この状況下で、指示出しも出来てスピードがトップクラスで攻守のつなぎ目でもある風丸が居なくなるのが痛手なのは確かだし、この試合の結果がどうなるかなんて最初から分かっているが、それでもムカつくのでとりあえずミスターKの事は睨んでおく。
「そうだ!試合はまだ終わっちゃいない!」
円堂が反撃してくれるが、ミスターKはクククと笑うだけだった。
風丸に変わってDF栗松が入り、風丸のいたMFのポジションに飛鷹が移動し、キャプテンマークはヒロトが引き継いだ。
ボールが出たタッチラインから、ジ・エンパイアのスローインで再開する。
エステバンが両手でボールを投げ入れて、それを割って入った栗松がトラップした。
だが、胸で跳ね返ったボールをラインの中に戻ってきたエステバンが瞬時に蹴り飛ばしてレオーネにパスした。
彼には綱海がぴっちりとマークしてシュートを打たせないようにしようとしているが、フィールドを走り周り振り払おうとされている。
綱海が振り切られたら終わり、とゴールで青い顔をしている立向居に、飛鷹が身振り手振りで何か叫んでいる。
モニター越しでは彼らの声は聞こえないが、飛鷹が何か言った後、立向居の表情がきりりと変わった。
綱海が振り切られ、レオーネがヘルファイアを打ってきた。
頭上でクロスさせた腕を下側に大きく振り下ろして、雄叫びを上げると立向居の後ろから紫の魔王が現れた。
そして立向居と魔王は、手首を合わせるようにして両手を開き、ボールを受け止めた。
『魔王・ザ・バンド!!』
止めたー!と実況の声が響いたあと、続いて前半終了のホイッスルも鳴り響いた。
練習期間ほんっとに短くなってしまったからどうなる事かと思ったけど、よくやってくれた。
プレッシャーやばかっただろうに、よく頑張った。
「円堂」
「ああ!これなら後半も十分に戦える!」
立向居が止めてくれるのなら、皆安心して攻めに回れると鬼道も円堂も思ったのだろう。
「の、割に水津チャンは浮かない顔してんじゃねーの」
何かあんだろと、言うように不動が見てきた。ホントやだねぇ、賢い子は。
『そりゃ、これからそこのおじ様とお話しなきゃならんからね』
話?と首傾げる皆を置いて、ミスターKの元に寄る。
元よりこれが目的でしたし
2日前の約束、果たしてもらいましょうか。