世界への挑戦編
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今日は水津が円堂達を連れて影山との戦いに向かって、監督たちも影山について報告するため大会本部へ出かけた。
監督もトレーナーも居ない状況だが、3日後のアルゼンチン戦に向けて練習を残ったメンバーで行っていれば慌てた様子で古株さんがグラウンドにやってきた。
「おーい!お前さんたち!た、大変じゃぞい!」
みんなに聞こえるように古株さんは大きな声で叫んだ。
「今、大会本部から連絡があって……!試合日程が変わって、急遽、今日の3時からアルゼンチン対日本の試合を行うと……!」
「な、なんだって!?」
グラウンドにそれぞれ散っていた俺たちは慌てて古株さんの元に集まった。
「何かの間違いじゃないんスか?」
壁山がそう言う端で、カタカタとノートパソコンを叩いていた音無がのパソコンの画面をくるりと回してみんなに見えるようにしてみせた。
「間違いないみたいです」
「えぇ!?」
パソコンの画面に表示されていたのは、フットボールフロンティアインターナショナルのホームページ。
そこには日程変更のお知らせと、今日の試合予定が乗っていた。
「ホントだ!今日になってる!」
「そんな無茶苦茶な……」
「一体なんでこんな事に……?」
立向居が驚く後ろで土方が困惑し、目金が顎に手を置いて考え出す。
「そうだ!円堂たちはこの事を知ってるんだろうか」
風丸の言葉にハッとした様に木野が携帯電話をスカートのポケットから取り出して、電話してみるとボタンを押し耳に当てた。
しばらくコールの音を聞いていた木野だったが、フルフルと頭を振って、携帯電話を耳から話した。
「ダメ、出ないわ。水津ちゃんに掛けてみる」
木野、そう言ってもう一度ボタンを押して耳に携帯電話を当てた。だが、それもすぐに耳から離した。
「電源切ってるみたい」
音声ガイダンスが流れたのだろう。
携帯電話を切って、木野はどうしよう、というようにみんなを見た。
「とりあえず、港に向かった方がいい。次のフェリーの出る時間は何時だ?」
豪炎寺の言葉に、そうだ!と思い出す。
試合が行われるのは5つある離れ小島のどれかで、どこも必ずフェリーに乗らなければならないし、出港時間が決まっている。
「調べます!」
「ワシはキャラバンの準備をしてくるぞ!」
慌てて音無がまたパソコンを叩き、古株さんは急いで宿舎の駐車場へ走っていった。
俺、豪炎寺、風丸、壁山、栗松、木暮、立向居、綱海、土方、虎丸、ヒロト、飛鷹。
選手は12人いる。
とりあえず俺たちだけでも会場に着いていれば不戦敗にはならないだろう。
「みんな、急いでキャラバンに乗る準備しろ!」
ああだとか、おうだとか、はいだとか、様々な返事が飛び交って、みんなグラウンドに散らばったボールを急いで集めて片付けて、古株さん回してきたキャラバンに飛び乗るのだった。
フェリー乗り場で円堂達を待ったが、あれから電話の折り返しもないし来る気配もなかった。おそらくは試合中なのだろう。
キャラバンで移動しながら監督達にも電話をかけたが繋がらず、どうするか、と皆不安がったが、とりあえずこの便を逃せば次の便は試合の最中の到着になり、それでは不戦敗となってしまうので、フェリーに乗り込んだ。
「キャプテンたち途中からでも来てくれるッスかね……」
「そんな不安がんなって!円堂たちなら必ず来る!」
綱海が根拠もなくそう壁山を励ますが……。
「どうでしょうかね」
そう言ったのは目金で、皆の視線が集まる。
「どうでしょうって、目金さんはキャプテン達が来ないと思ってるでやんすか!?」
「ええ」
こくりと頷いた目金に何人かがなんでだよと突っかかる。
正直、俺も来ないと思ってるんだよな……。
「みなさんは何故急に試合日程が変更されたのか分かりますか?」
「それは……」
「なんでだ?」
分からないと1年生たちや綱海が首を傾げている。
「影山の仕業じゃないか?」
その言葉を聞いて皆、ハッとしたように豪炎寺の方を向いた。
「ええ。豪炎寺くんの言う通りです。円堂くん達が影山のチームと戦うと知って、イナズマジャパンのメンバーが減った今が好機と言わんばかりに日程を変更させたのでしょう!」
「そこまでやる人なら、円堂くん達が妨害を受けて来れない可能性もあるって事だね」
ヒロトの言葉に目金は、ええと頷いた。
夕香ちゃんをあんな目に遭わせたり、バスに細工をしたり鉄骨を振らせたり、ドーピングしたりする奴だ。そのくらいのことをしてきても、なんらおかしくはない。
「……姐さんはそれを知らなかったんっすかね」
ポツリ、と飛鷹が呟けば、土方と虎丸がどういうことだと首を傾げた。
雷門中生とキャラバンに乗ってた奴らは水津の事情を知ってるだろうけど、他の奴らは意味分かんねぇよな……。
「って飛鷹、お前、知ってんのか?」
驚いてそう聞けば、飛鷹はコクと頷いた。
「キャプテンから聞いた。未来に起こることを知ってるって」
「ええ!?なんですかそれ!?」
虎丸が大きな瞳を更に大きく開いて驚いている。
その後ろで土方が小さく、あー、と呟いていて、何となく思い当たる節があったのだろう。
「その事は後で説明してやるよ」
簡単に説明できる内容ではないし。
「まあ、でもそうッスよね!知っててキャプテン達連れてくわけないッスもんね」
「いや、」
そう壁山の言葉を否定したのは風丸で、険しい顔をしている。他にも何人か険しい顔をしていて、俺もきっと似たような顔をしているのだろう。
「水津さんが前に言ってただろう?未来が変わるから言えない、って」
「そうだな。それに知ってるからこそ、円堂たちの方についていったんだろ」
「どういうことでヤンスか?」
「アイツがついて行くつーことは、あっちの方が危険な事が起きるつーわけだよ」
そう答えれば、壁山と栗松が納得したように、あーと呟いた。
「つまり水津は俺ただけで試合はなんとかなるって踏んでんだ。俺たちはその信頼に答えるしかねぇだろ」
「「染岡さん!」」
キラキラとした目で壁山と栗松が見つめてくる。
「そうッスね、オレ、がんばるッス!」
「俺もでヤンス!」
「ふーん、梅雨さんがオレらを信頼してるってのは悪い気分じゃないかもね」
先程までは不安そうな顔をしてた癖に、今はうしし、と余裕そうに笑う木暮の後ろで立向居が思い詰めたような顔をしていた。
「俺にできるでしょうか……。必殺技もまだ、完成していないのに……」
そんな立向居の背中を綱海がバーンと力強く叩いた。
「大丈夫だ!」
なんの根拠もない言葉だが、綱海が言うと安心感がある。
「が、がんばります!」
若干まだ硬いが、やる気はあるのだろう。立向居は拳を握って見せた。
約束通り
頼まれてやるよ。