世界への挑戦編
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「諦めてちょうだいって……」
「そんな……!」
「クソッ」
円堂や佐久間が諦められるわけない、という顔で私を見て、不動が悪態をつき、鬼道は依然影山を睨んでいる。
今回の件に巻き込んでしまったと思っているイタリア代表の皆や、チームKの皆も険しい顔をしている。
それをミスターKだけが愉快そうに笑って見ている。
「お前たちなしでどこまで戦えるかな」
モニターからは、間もなく試合開始です!とアナウンスが流れている。
『私は!』
みんなに聞こえるように大きく声を張る。
『トレーナーとして、イナズマジャパンのみんなを弱く育てた覚えはありません!彼らだけでも十分に戦えると信じています!』
「水津……」
イナズマジャパンの4人が、じっとこちらを見た。
それから円堂が大きく頷いた。
「そうだな!全員、厳しい特訓を乗り越えて来たんだ!」
『チームを取り纏めるのは風丸がやってくれる』
世宇子中との戦いの前に円堂が心折れてしまっていたあの合宿中でも風丸が皆をまとめていた。
『染岡がみんなを引っ張るように切り込んでくれる』
上記の時も風丸と共に皆を引っ張っていたし、鬼道が雷門に入った時だって割とすぐに状況を受け入れていたから今回も大丈夫だろう。
それに、任せろって言ってくれたんだもん。
『1年生たちは不安がるでしょうけど、そこは兄貴分の綱海や、どっしり構えた土方が背を押してくれるはず』
こういう時ノリと勢いの綱海だけじゃ、逆に不安になる所だけどオカンみのある土方に言われたら安心感あるもんね。
『壁山もビビりだけど最近は逃げ腰も解消されたし、栗松も一緒に立ち上がる仲間がいるのなら、もう逃げたりしないだろうし』
FFIの選抜が始まった頃、栗松が話してくれた。
エイリア学園との戦いに逃げ出したオレが選ばれてもよかったんでやんすでしょうか?と。
あの時、逃げ出したことをずっと後悔していると。
だから、きっともう逃げないだろう。
『木暮は最後までごねるかもしれないけど、頼りにされたら意外とやるもの』
初めてチームに加入した時のイプシロン戦ではビビり散らしてたけど、エイリア学園とかいうヤバい奴らのシュートを見てきたおかげで、FFIからはシュートを止めに行くことに躊躇いがない。
『飛鷹は未経験者なのに世界大会に放り込まれたこと以上にビビることはないだろうし、虎丸も小6で放り込まれたのに食らいついていく気概があるし』
「ククク……。確かにメンタルが保てれば個人の通常のプレイは可能だろう。だが、それではサッカーは上手くいかないのだよ、フリースタイルフットボーラーよ」
笑って見下ろしてくるミスターKを、分かってますよと言って睨みつける。
「そうか、ジャパンの策略家は2人もここに……」
先程、鬼道と不動の能力を見たフィディオはミスターKの言葉の意味がピンと来たようだ。
『確かに序盤はチームとして噛み合わないかもしれません。それでも……。お忘れじゃないですか?うちのチームにはエイリア皇帝閣下のお気に入りがいるんですよ』
ジェネシスのキャプテン、グランこと基山ヒロト。
彼なら、チームをまとめ指示を出しながらプレーもできる。
『それに、貴方がビビって棄権させた豪炎寺修也もいます』
豪炎寺は熱が入りすぎたり、無口故のコミュニケーションエラー起こしたりせず、冷静に周りを見てくれれば、突破口を開けるくらいには賢いから。
「なるほど。では、貴様の育成したチームがどこまでやれるのか、楽しませてもらおうではないか」
そう言ってミスターKは、我々から離れてベンチに向かいそこで腰を下ろした。
キックオフのホイッスルがモニターから聞こえ顔を向ける。
がんばれ、と同じようにモニターを見上げた円堂が呟く。
きっと、みんな善戦してくれるはず。勝てなくとも。
ただ、1つ気がかりなのは立向居の事だ。
私が焦ってミスターKと接触したせいで、本来ならアルゼンチン戦が1日前倒しとなるはずが、3日も前倒しになった。
そのせいで立向居の新必殺技の特訓が本来より進んで居ない。
無事、完成させてくれるといいんだけど……。
願をかける
この場合は、神や仏じゃなくて魔王にだけど。