世界への挑戦編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、オルフェウスの7人とイナズマジャパンの4人を連れてイタリアエリアの練習グラウンドに向かった。
グラウンドにはポツンと金髪の男がフィールドを背にひとりで立っていた。
「来たか」
『昨日は約束を破ってごめんなさい。色々と立て込んでしまったもので』
「構わん。貴様ならば必ず連れてくると思っていたからな」
男はそう言って振り返り、サングラスの奥の瞳が1人の少年へと向けられた。
「ククク……久しぶりだな鬼道!」
「影山!」
「私の最高の作品……。お前は必ず来ると思っていた」
先程の言葉もやっぱり鬼道の事か。
まあ、影山も私の事情を知ってるからこそ、最初から鬼道を連れてくること前提で、私の思っていた日よりも早い昨日という日にオルフェウスの監督就任を行ったのだろう。
「だまれ!……貴様には聞きたいことがたくさんある!」
「フッ、常に冷静であれと教えたはずだぞ。苛立ちは判断を曇らせる」
うん。やっぱりこの人、師としては優秀なんだよなぁ。
「おい、ミスターK!お前の好きにはさせないぜ。イタリア代表の座は渡さない!」
影山と鬼道のやり取りにベントが割って入ると、影山はパチンと指を鳴らしてみせた。
そうすれば建物の影にでも潜んでいたのか、ぞろぞろと青と鼠色の長袖ユニフォームを来た少年たちが現れる。
「……黙らせろ」
「はい、総帥」
そう返事をして1歩前に出た少年にみんなは驚き息を飲んだ。
「なっ……」
1番驚いたのは鬼道だろう。
何せ自分と同じドレッドヘアーに、ゴーグル。そしてマントを付けていて、背格好もほぼ同じ。
まあ、若干ドレッドを結んでいる位置が鬼道より低かったり、ゴーグルの色が赤かったりと間違い探しのような違いはある。
「鬼道にそっくりじゃないか、アイツ……」
皆が驚いている中、鬼道にそっくりな少年は、素早い動きで鬼道の後ろに周り、彼の傍にいたベントに蹴りを喰らわせようとした。
『くっ……!』
「なんだ、貴様は……!」
少年の蹴り上げた脚は、私の伸ばした腕に当たった。
『ッー!こっちは……うる覚えだったけど、思い出せてよかった……』
痛む手をふるふると振って痛みを誤魔化そうと試みる。
ゲームの内容思い出せなかったら、早々に監督達との約束守れないところだったわ。それに影山が黙らせろって命令してくれたおかげで目標が分かってたから何とかなった。
『躾がなってないですよ、影山さん』
「それは失礼した。紹介しよう。これが私の新たなる作品。我がチームKの司令塔、デモーニオ・ストラーダだ。鬼道より鋭く、早く、そして強く!私の作品はここまで進化したのだ!」
鬼道の顔色はすこぶる悪くなる。
「……そこまでするかね」
ぽつりと呟いた不動の言葉に、同感と頷く。
『イカれてるよね』
「何を言われようと、私はこのチームKで世界の頂点を極め、全てのサッカーを否定し破壊する。お前たちは決別した過去に未来を破壊されるのだ」
お前たちなんて言っているが、影山は過去使っていた選手である佐久間にも不動にも見向きもしない。その瞳に映るのは鬼道と、彼がこうなった原因の一つ、円堂大介の孫である円堂ぐらいだ。
そんな彼に臆することなく真正面からフィディオが歩いていく。
「ミスターK!約束です。この試合に勝った方がイタリア代表になると!」
「ああ。私は約束は守る。サッカーは勝つことが全て。負ければ存在する意味がないのだからな」
「お前は、まだそんなことを!」
怒る円堂を無視して、影山は試合を始めるといわんばかりにベンチの方へ歩いていってしまう。
チームKたちもぞろぞろとその後を追って行く。
それにしても約束は守る、ね……。
私との約束も守ってくれるといいんだけど。
「腕は大丈夫か?すまない、俺のせいで」
後ろからそう声をかけられてハッと振り返れば、ベントが申し訳なさそうな顔をしていた。
『ああ、うん、大丈夫。名誉の負傷って言いたいところだから、みんなには勝ってもらうわよ!』
「ああ!」
「やるぞ!」
円堂とイタリア代表のみんなは、士気を上げるように声を出してくれた。
鬼道は険しい顔をしたままで、そんな彼を佐久間は心配そうに見つめ、不動はやれやれと呆れたようにため息を吐いている。
『無理もない、か』
私の呟きに、そうだなと円堂も小さく頷くのだった。
ドッペルゲンガー
会ったら死ぬとか言われてるし。そうでなくとも、自分そっくりの他人が作られてたなんて、気持ち悪い以外の何者でもないよね。