世界への挑戦編①
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バスを降りて、イタリアエリアに足を踏み入れる。
ヴェネツィアをイメージしているのか、ボートで移動する水路があったり、ローマ建築のベージュやブラウン、オレンジなど外観で窓の多い建物が並んだ美しい街並みが模してあった。
そんな景色を前にして、ゆっくり観光とはいかず、金髪ロン毛のおじさんを探さないといけないなんて、世も末だよ。
「影山が悪事を企てようとしているのなら、なんとしてでも止めなくては」
「アルゼンチン戦は3日後だが、今日のうちに心配事を片付けて、試合に臨もう」
「ああ。みんなで影山の野望を止めよう!」
鬼道も佐久間も円堂も意気込んでいるが、そんな彼らから少し離れたところに立った不動は、そう上手くいくかねぇと言ったようにこちらを見た。
それに対し、さあね、と片手でやれやれみたいなポーズを取って答えを伏せる。
そんな私たちのやり取りに鬼道は眉を潜めた。
鬼道の様子に気がついた円堂がどうした?と問う。
「少なくとも俺たちは影山を止めるためだが……。不動、お前は何のために着いて来たんだ?昨日、水津が影山と会っていたことを隠していたのは、アイツの所に行くつもりだったからなんじゃないのか」
鬼道がそう問いただす横で、佐久間もそうだそうだと言うように厳しい視線を不動に送れば、彼はさあな、とそっぽを向いた。
「不動!」
鬼道が怒ったように声を張り上げるが彼が答えることはない。
それを見た円堂が目を閉じて、うんと1つ頷いた。
「俺は不動を信じる!」
円堂のその言葉に驚いたようにみんなの視線が集まった。
「円堂…?」
「俺には、不動も、鬼道や佐久間と同じ大事な仲間だ。あっ、もちろん水津もだせ?」
『うん、ありがとうね』
こういう所が彼がキャプテンたる所以だよね。
「しかし!」
「俺はみんなを信じてる!」
異論を唱えようとした佐久間に対し円堂は力強く笑って答える。
そう言われてしまってはこれ以上誰も何も言えないだろう。
仲間扱いに照れたのか鼻で笑った不動がまたそっぽを向いてしまう。
『とりあえず、久遠さんにキミらの事任されてるから、全員着いてきてくれないと困るんで、良いも悪いもなく全員強制連行だからね〜?』
「ああ…、そうだったな」
無理に自分を納得させるように鬼道は呟いて、話を切り替えるように口を開いた。
「水津、影山とはどこで会う予定だったんだ?」
『いや、それが、イタリアエリアに来いとしか……。多分イタリア代表のグラウンドに行けば居るんじゃないかな』
「監督になっているなら、か」
鬼道の言葉に、うんと頷いて歩き出す。
しばらくイタリア街を歩いていれば、青い長袖のユニフォームを来た数人の少年たちの姿が道の先にあった。
「アレ、イタリア代表じゃないか?」
「本当だ!フィディオもいる!」
オルフェウスのFWである茶髪の少年に円堂が気づき、私もその子へ視線を向けた。
『あ、まずい』
彼が通ろうとしている通りの建物と建物の隙間に立てかけられた建築資材のような木材が目に入り思わず口を滑らせてしまう。
「まさか!」
聞き逃さなかった鬼道は物凄いスピードで走りだした。
そのタイミングでフィディオが建物の間の前を通り、その隙間にあった資材のロープが解けて、バラバラと木材が彼に向かって倒れ始めた。
「フィディオ!?」
突然の事に驚き動けないフィディオと彼の仲間たちが気づかないうちに彼らの後ろに追いついた鬼道は、イタリア代表の1人が持っていたサッカーボールを奪い去ってそれを蹴り飛ばした。
鬼道の蹴ったボールが木材に当たって、うまく倒れる軌道を逸らした。
ズシン!と大きな音を立て木材が地面へと倒れ、土煙を上げる。
大丈夫か、と皆が心配する中、土煙が晴れれば、サッカーボールを拾い、呆然と立ち尽くしたフィディオが無傷でいた。
「このボールが俺を助けてくれた……」
知ってはいたが、私のせいで大きく時間軸が歪んでいるからもしかしたらと被害を心配していたが、鬼道のおかげで彼が無事で済んだ、とホッと息を吐く。
その背中を円堂に軽く叩かれる。
「無事でよかったな。行こうぜ、水津!」
うんと頷いて、みんなで鬼道の元へ走った。
できることなら
被害は最小限で済ませたい。