世界への挑戦編①
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名を呼ばれた時に振り返れないままで入れば、次の言葉が後ろから飛んできた。
「今の、誰だ?」
『前にちょっと助けてもらったんだ』
顔に笑顔を貼り付けて振り返れば、後ろには怪訝そうに眉間に皺を寄せた不動が立っていた。
立向居が魔王·ザ·ハンドの足がかりも見つけていない状態だからまだ数日先だと思っていたのだけれど、どうやら世界の強制力が働いたらしい。
彼に見つかったこともそうだが、予定が早まるこの状況もマズイ。
実際のイベント日より先に起きてしまうと、試合日が変わるというこの後のイベントに本来参加出来ない子達が参加出来てしまうということになる。
そうなると大幅に物語を変えようとした代償がくるだろうな。
「助けてもらった?」
『うん。そのお礼をしただけだよ』
「ふーん」
不動は興味無さそうな返事をしたが、考え込んだようなその表情からするに相手の姿をバッチリ捉えてるんだろうなぁ。
「お前たち、こんな往来の真ん中で何してるんだ?」
通りの邪魔だぞ、と言われたその声に振り向けば、佐久間と鬼道が一緒に歩いてこちらへ来た。
2人の姿を見たとたん、不動はにやりと口角を上げた。
「鬼道クンには関係ねぇよ」
オイ!と食ってかかるのは鬼道では無く佐久間だ。
「じゃあ水津チャン、また"明日"な」
そう言って不動は手をヒラヒラとさせて去っていく。
……明日会う約束も見ていたと。
「明日?何かあるのか?」
鬼道がゴーグル越しにこちらを見てくる。
『あー、練習の事で相談乗ってただけだよ。ほら、あの子恥ずかしがり屋さんだから、2人に知られるの嫌だったんじゃない?だから多分話の続きは明日って…』
「恥ずかしがり屋さんって、」
フッ、と佐久間が笑いを零す横で、鬼道は、そうかと呟いた。
『じゃあ、私もそろそろ宿舎に戻るね』
「ああ」
梅雨が帰ったのを見送って、鬼道は、ふむ、と顎に手を置いた。
「どうした鬼道?」
「いや、わざわざこんな道の真ん中で、練習の相談を不動がするだろうか、と思ってな」
佐久間が声を掛ける前の不動の様子は何やら考え込んでいる様子だったから、相談していたというのも納得はできるのだが……。
それなのに何故か水津は慌てた様子だった事を鬼道は不思議に思うのだった。
1晩悩んだが、自分から頼んでおいて約束をすっぽかすのは流石に……と思い、久遠監督に外出の許可を得た。
皆は今、練習中だしサッと行ってサッと帰って来ようと思ったんだけどなぁ……。
着替えの為に戻っていた宿舎から出た扉の先の塀に不動がもたれかかって立って居た。
『グラウンドで練習中のはずだけど?』
「そりゃあ、こっちの台詞だぜ?トレーナーさんよぉ」
『私は用事。君は選手だから練習に戻ってねー』
そう言って不動をスルーして横を通り抜けようとしたら左腕を掴まれた。
「おっと、そうはいかないぜ?会いに行くんだろ、影山に」
「「なっ!?」」
2つの驚いた様な声が聞こえて、声のした塀の向こうを見れば、鬼道と佐久間が驚いた様な顔をしてそこに居た。
「お前たち、今、影山に会うと言ったか!?」
そう言いながら鬼道が詰め寄ってくる。
「アイツが、
佐久間も随分と驚いている様子だ。
まあ無理もない。影山とは因縁がある子らだ。
「さあ、どうだろうな?」
「不動、貴様まさか!」
「おいおい、俺を疑う前に梅雨チャンを疑うべきだろ?なんたってこれから影山に会いにいくんだからなぁ?」
疑ってきた鬼道に不動は煽るようにそう言って私を見た。
鬼道と佐久間の視線も私に向いた。
『はあ…』
ひとつ大きなため息を吐く。
どうせ何言ってもこの子ら怪しんで着いてくるんだろうな。
『そうだよ。まあ、ほんとに約束通り向こうが来るとは限らないけど』
「一体何のために!?影山がどんな奴かは知っているだろう!」
そう言ってガシッと鬼道に右肩を掴まれた。
おいおい、右も左も掴まれちゃ身動き取れねぇじゃん。
『そうだね。彼がいい人では無いことくらいは知ってるよ。でもね、私の為に行かなきゃいけないんだ』
「私の為、だと?」
オウム返しの様に聞いてきた鬼道に、ああ、と頷き返せば、彼はギュッと口を結んだ。
『だからね、そろそろ離して欲しいんだけど』
「お前の、自分の為と言う言葉は、結果、俺たちの為だろう」
結んでいた口を開いた鬼道は真っ直ぐ見つめてそう言ってきた。
それに対して、ふっ、と自嘲の息が漏れる。
『ごめんね。今回ばかりは本当に自分勝手なわがままなんだ。だから─』
手を離して、と続けようとした時だった。
「お前たち、何やってるんだ?」
純粋な疑問の声が塀の向こうから飛んできた。
「練習に居ない不動を探しに行くって言って鬼道も佐久間も、帰って来ないから探しにきたんだけど…?」
小走りにやって来た声の主は、私達の様子に首を傾げている。
結局この話の主役が揃ってしまったな。
「揉め事か?」
にしては何で水津が取り押さえられてる側なんだ?と円堂は更に謎を深めた。
『いや、』
「水津が影山に会いに行くらしい」
誤魔化しは許さないというように鬼道に先手を取られた。
「影山!?」
目を見開き驚いた表情で円堂が見つめてくる。
「アイツがココにいるのか!?」
先程の佐久間と同じ驚きをしている円堂に、らしいぜ、と不動がニヤつきながら答える。
『はあ……もうしょうがないね……』
大きなため息を吐き諦めを顕にする。
『久遠さんと響木さん、呼んで来てくれる?』
こうなったら無理やりだけど、もうひとつのシナリオにシフトチェンジする。
ゲームシナリオだって
イナズマイレブンに違いないでしょう?