世界への挑戦編
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点を奪われたナイツオブクィーンの監督は、直ぐに4人のメンバー交代をだした。
大幅にメンバーが入れ替わった彼らのポジショニングは独特で、両サイドを開け、エドガーを鏃と見立て先頭とし、矢ような形の隊列を組んでいた。
「あれじゃあ中盤は中央を意識するしかなくなる……」
「そう見せかけてサイドから来るのかもしれないよ」
元ミッドフィールダーらしい意見を述べる立向居に、ひねくれ者の木暮は彼らしく警戒を告げる。
どっちも警戒するに越したことはないが、……警戒しすぎるとこうなるよね。
中央のエドガーが後方の選手にボールをパスすればDFがサイドに別れて走っていく。
それにつられてイナズマジャパンのFWとMFが左右に散ってしまい、中央が空いたところでエドガーにボールが戻り、彼を中心に他3人の選手が3角に陣形を取り、ボールを持ったエドガーを守って突撃していく。
「止めるんだ!」
気づいた時には遅く、彼らの必殺タクティクス、無敵の槍にイナズマジャパンの選手達は吹き飛ばされて行く。
「クソッ!止められねぇ!」
「見たか!これが攻撃型必殺タクティクス、無敵の槍!」
あっという間にゴールに到着したエドガーは、行くぞ!と叫んだ。
「何がなんでも止めてやる!」
「ふっ、ここはこの技だ」
不敵に笑ったエドガーは、くるりとその場でターンした。
「パラディンストライク!」
振り向きざまに蹴り飛ばされたボールはゴールへと飛んでいく。
「なにっ!」
シュートの前にタメのあるオーディンソードだと思った円堂は驚き慌てて拳を握って飛び上がった。
「いかりのてっつい!」
拳をボールに叩きつけるも、ボールの勢いに押し負け弾き飛ばされてしまい、ゴールを許してしまった。
ホイッスルが鳴り観客たちが湧き上がる。
「まだあんなシュートを持っていたのか」
『まあ、世界レベルだもの』
各国を制して勝ち上がって来たんだからそれ相応の戦略も技も数あるだろう。
1点追加を許したところで前半終了のホイッスルも鳴り響いた。
「どうやったらあのシュートを止められるんでしょうか」
ハーフタイムでロッカーに集まり、皆が水分補給などをしている中、同じキーパーとして立向居は真剣な表情で考えている。
「あのスピードでは上から叩きつけるのでは威力を殺せない……」
『そうだね。立向居のムゲン・ザ・ハンドのように幾重にも手が押さえつけるのであれば可能かな』
「いえ、俺のムゲン・ザ・ハンドでは、恐らく向こうのシュートの意力が強すぎて全ての手が覆い尽くす前に破られてしまうかも……」
だろうねぇ。
「では、円堂でも止められないか」
そう聞いてきたのは久遠監督。
円堂がトイレに行ってていないからって、ハッキリ言うねぇ。
『まあ、止めるのは無理でしょうね』
「おい、お前それは!」
声を荒らげたのは綱海だった。
『止めることと、点を入れさせないことは必ずしもイコールじゃないよ』
「はあ?」
どういう事だ?と綱海は首を傾げている。
「なるほど。それで円堂のトレーニングメニューは、パンチング練習が多かったわけか」
分かったというように言った鬼道の口元は弧を描いていた。
『流石、パワーシールドを使う源田と同じチームだっただけある』
それにしても、自分以外の練習メニューを良く把握していることで。
「ああ、そういうことか」
鬼道と同じく帝国学園の佐久間もピンと来たようだ。
「どういうことだよ?」
綱海は未だに分からないようだ。
『ふふ。まあ、円堂もそろそろヒントもらってるだろうし、試合を見てたらわかるよ』
「あ!じゃあオレもヒントもらってもいいですか!」
ハイ!と手を挙げたのは虎丸だった。
『うん?答えられるものならいいよ』
「ストーンプリズン、オレのジャンプ力で越えられると思いますか?」
ああ、なるほど。さっき豪炎寺がやったのと同じことがしたいわけだ。
『虎丸は元々出前で足腰鍛わってるし、私のトレーニングメニューちゃんとこなしてたなら問題ないと思うよ』
身体能力も高いから発動されたらすぐに反射で動けるだろうし。
「はい!ばっちりこなしてますよ!」
『よしよーし、なら大丈夫だ!』
「わっ、もう!子供扱いやめてくださいって!!」
虎丸の頭を撫でようとしたら逃げられた。
「じゃあ、オレもしつもーん」
『はい、木暮クン。どうぞ』
「無敵の槍はどうやって攻略すんの?」
『それは……』
監督!仕事ですよ
私が全部答えちゃったら意味無いもんね。