サブストーリー
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オレには最近、お気に入りの場所がある。
そこに教科書とノートを持って行く。
「梅雨さーん」
トレーナーの仕事で書き物をしている梅雨さんの隣の席に座る。
『お、木暮、勉強?偉いじゃん』
「へへ、まあね。あのさ、わかんないとこあるから教えてよ」
そう言えば、いいよいいよと梅雨さんは笑う。
梅雨さんがオレの事甘やかしてくれるし、梅雨さんといるとサボってても久遠監督も鬼道さんもしょうがないなって感じで見逃してくれるし、音無は……、木暮くんばっかりずるいですよ!って怒って来てうるさいけどなんか楽しそうだし、梅雨さんの隣って悪くないんだよね。
それに、この人、不動さんや飛鷹さんみたいな一匹狼とは違うのに、何故かみんなと距離を置いて1人で居ることが多くってどっかに行っちゃうんじゃないかって、……オレの母ちゃんみたいに。
だから、何となく不安で……1人でいるのをみるとそばに行っちゃうのかな。
『ん?どうした、木暮?』
「ううん、なんでもない。それより、ここなんだけどさぁ」
ぼんやりと梅雨さんを見て考えていたから、不思議そうに首を傾げられたのを見て、慌ててオレは首を横に振って、教科書の分からないところを指さした。
『あー、これはねぇ……』
梅雨さんに教えてもらいながら勉強を進めていると、視線を感じて顔を上げた。
「また、だ」
『また?』
どうしたの?と言うように梅雨さんは聞き返してきた。
「うん。あのさぁ、最近、染岡さんによく睨まれるんだよね」
『染岡に?何かイタズラした……なら怒鳴り込んで来そうだけどな染岡は』
「それが、まだ何にもしてないのに睨まれんの」
『まだ、ね』
そう言って梅雨さんはケラケラと笑った後、うーん、と考えながら染岡さんの方を見た。
すると染岡さんはオレを睨むのを止めて顔を逸らした。
『まあ、染岡って強面だからただこっち見てただけなのが、睨んでるように見えただけなんじゃないかな?』
「そうかなぁ」
明らかに最近、梅雨さんと居ると睨まれるんだけど。
染岡さんは、やはりこちらが気になるのか、ちらりとこちらを向いた。
『こういう時は手でも振ってあげるといいよ』
そう言って梅雨さんが、染岡に向かって小さく手を振ると、染岡さんは真っ赤な顔になった。
「あー、なるほどね」
どういうことか分かったわ、とオレも染岡さんに向かって手を振った。
オレはそういうんじゃないんだけどねー。
こちら側に気づかれていると分かった染岡さんは慌てたようにその場から離れて行く。
その際にまた、睨まれた気がした。
「ふーん、面白いじゃん」
最高のイタズラを思いついて、うししと笑う。
隣をキープ
悪いけどどんなに睨まれたって、しばらくは隣を開けてやんないよ。オレのお気に入りの場所だしね。