サブストーリー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「梅雨さん、すみません」
控えめに声を掛けてきたのは茶毛の少年。
『どうしたの、立向居』
振り返ればキーパー用の手袋を外した立向居がそこに居た。
「あの………練習に使ってた俺のトレーニングメニュー表ってもらって帰ってもいいですか?」
『ああ、いいよいいよ!アレは立向居の分だしね』
そう答えて、ひとまとめにして置いていたバインダーの中から立向居用に書かれた紙を取り出して、彼に手渡した。
「ありがとうございます!」
『記念?』
「それもありますけど、陽花戸中に戻ってもコレを見ながら特訓しようかと思って」
『お、殊勝な心がけだね』
そう褒めると立向居は、えへへと恥ずかしそうに小さく笑った。
「これ、トレーニングメニューは結構キツイですけど、書いてあるアドバイスとか凄く分かりやすくていいんです」
『そう言ってもらえたら作ったかいがあるってもんよ』
「大事に使わせてもらいます!」
そう言って立向居は紙を胸に抱いた。
「オレ、さっきの試合で自分がまだまだだって思い知らされましたから、円堂さんみたいになれるよう、これを見てもっともっと頑張ります!」
『なるほど。そういうことなら……円堂のトレーニング表も持ってく?どうせ雷門中の子のは部活用に新しいのに変える予定だし』
「ええ〜!!い、いいんですか!?」
『いいよいいよ。直近のだと、リベロ用になるから1つ前のがいいよね』
確か古いのは………。
キャラバンに乗せたままだな。
ちょっとまっててと立向居に声をかけてキャラバンに行って資料を探す。
『あったあった。これだ』
過去のトレーニング表をまとめていたファイルから円堂のを取り出す。
『はい、どうぞ』
「わ〜!ありがとうございます!」
そう言って立向居は、受けとった紙をじっ〜と見つめた。
「やっぱりオレのとちょっと違いますね」
『まあね。それぞれの得意不得意で変えてるからね。立向居はガッチリとボールを持つようにキャッチするタイプだけど、円堂は割と掌で押し返したりパンチングで跳ね返したりするタイプでしょ』
「確かに……。円堂さんのメニューって、パンチングを鍛えるのが多いですね。このタイヤパンチとかもそうですよね」
『うん。それは元々円堂のおじいさんの特訓ノートにあったらしくて、小さい頃からずっとやってたらしいよ』
「円堂さんの原点って事なんですね!オレもやってみます」
『うん。いいけど、拳痛めやすいから、ちゃんとグローブしたり、終わったあとケアしなさいね』
「はい!」
そうしっかりと返事をした後、立向居は小さく笑った。
「これにもちゃんと書いてありますね」
そう言って立向居が指さした円堂のトレーニングメニューのアドバイス欄に、私の文字で、ちゃんと手のケアをすること!!忘れずに!と記入してあったのだった。
ファンボーイ
憧れるのはいいけど、悪いところ真似ないでね。そう言えば立向居は、はい!と力強く頷いたのだった。