サブストーリー
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フリスタ教えてくれよ、とボールを小脇に抱えた赤毛の少女は私の手を引っ張った。
遠慮がない彼女の行動に少しホッとした。
「前に梅雨が言ってくれたろ?アタシは出来そうだって!」
確かに言った。あれは白恋中におじゃましてた頃だったかな。
『でも、塔子ちゃん、基礎練逃げたし……』
「うっ。あれは1時間もリフティングしろって言うから………」
バツの悪そうな顔をした彼女を見て小さく笑う。
あの課題も意地悪だったが、今のも意地悪し過ぎたな。
「最後に何か覚えていきたかったんだよ。ダメか?」
『最後かぁ……』
「あ!梅雨と会うのが最後ってわけじゃないぞ。この旅の最後にって意味だからな!!」
その訂正に、分かってるよ、と頷く。もう少し先でまた雷門中のみんなと彼女が会うことは知っている。
でも、その頃、私はまだここに居るのかな。
「梅雨?……また自分は本当は居ない人間だからとか言ったらアタシ怒るよ」
むっ、とした表情と声色から、本気で怒るという雰囲気が感じ取れる。
『ありがとう。塔子ちゃんは優しいね。私の歳が分かっても変わらず接してくれるし』
綱海や円堂のおかげで、みんな細かいことは気にしないという事になったが、それでも気にする子は多少なりともいて接し方がぎこちない。まあほんの数分じゃ、整理する時間も足りないだろから仕方ないのだが。
「あー、それは……優しいとかじゃなくて、アタシが元々大人達の中でサッカーしてたからだと思うよ」
抵抗がないんだ、と言った塔子ちゃんを見て納得する。
確かに、SPフィクサーズは塔子ちゃん以外、皆大人だった。
『なるほどね』
「普段から大人とサッカーしてるアタシからすれば、一緒にボールを蹴れば、大人も子供も関係ない。チームで仲間なんだ!」
そう言って塔子ちゃんはニカッと笑顔を向けながら私に押し付けるようにボールを渡してきた。
『そっか。塔子ちゃんはSPフィクサーズのことが大好きなんだね』
彼女がああ断定できるのはSPフィクサーズとの関係か良好で大切だからなのだろう。
「梅雨だってみんなの事が大好きだろ?」
『そうだね』
元々好きだったけれど、こっちに来てみんなと過ごす上で、もっともっと好きになった。
「アタシはもちろんの事、みんなだって梅雨が大好きさ!だからさ、もうみんなより一歩後ろに下がんないでいいと思うぜ!みんなの事を見守ってんのが悪いこととはいわないけどさ。遠慮してるんだったら要らないよ」
そういえば……、みんなが円陣を組む時も手を引いて仲間に入れてくれたのは塔子ちゃんだったっけ。
この引張力は流石、
総理大臣の娘
敬意を評して、彼女が総理と共に帰る時間になるまで、遠慮なく私が大好きなフリスタの技を意気揚々と教え込んだのだった。