サブストーリー
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※ナチュラルにセクハラ発言をしてくる野坂がいます。
「梅雨さん」
授業が終わり王帝月ノ宮中から、サッカー部の寮へと戻ろうとした所で、目の死んだ少年に声をかけられた。
『野坂』
後輩のクセにナチュラルに先輩女子を名前呼びしてくるこの子は、私が強化委員として所属することになったサッカー部のキャプテンだ。
そしてその後ろにはいつもの如く薄い色の髪をエリンギのように生やした少年が立っている。目が合うとぺこりと頭を下げる。こちらは先輩に対して礼儀がなっているいい子だ。
2人も授業が終わったばかりなので同じ制服姿だ。
『どうした?』
「今日は私服に着替えて、サッカー部寮前に集合してください」
え、今日のスケジュールでは部活動があり、基礎練をやる予定だったはず。
「ではまた後で」
そう言って野坂は足早に去っていく。
その後ろを雛鳥が如く西蔭が付いていく。
アレスの天秤システムを無視してのこの行動...、彼の意図は分からないが、私も自室へ戻って私服に着替えるとこにする。
言われた通り私服に着替えて寮前へ出ると、上下黒で統一した私服の野坂とパーカーにジャケットを重ね着した西蔭が居た。
「あ、来ましたね」
そう言って野坂は私を上から下まで見回した。
『なに』
「かわいいですね。よく似合ってますよ。ね、西蔭」
「は?え、は、はい」
野坂はホントタラシだな。全く。そして、西蔭は相変わらず野坂イエスマンだなぁ。
「いえ、その...俺も、可愛らしい、と思います」
私の心の声が出ていたのか、最後の方は尻すぼみで聞こえなかったが、西蔭は頬を少し赤く染め、そう伝えてくれた。
野坂とは違う女性を褒めなれてない初々しい中学校らしい反応に思わずニヤニヤとしてしまう。
『ところで、今日は基礎練じゃ無くなったの?』
「ええ。僕達は、ですけどね。他の皆はスケジュール通りです」
ドリンクやサポーター、冷却スプレーなど、雷門中マネージャーしてた時の買い物なんかはここ王帝月ノ宮では学園側が用意してくれるから買い出しなんて事はない。
わざわざ、キャプテンたる彼が部活動を休んでまでやる事、となると...。
『他校の偵察?』
「ふふ、そんなところです」
さあ、行きましょうと野坂が歩きだして、私も西蔭も黙ってついて行く事にした。
「はい、どうぞ」
『これのどこが偵察なんだ』
少し待っててと言っていなくなった野坂が戻って来て、その手に持っていたものを渡され、受け取りながら思わずボヤく。
「はい、西蔭も」
「は、はぁ...ありがとうございます??」
同じく偵察だと思ってたいたであろう西蔭もハテナを浮かべなから、野坂が買ってきたタピオカミルクティーを受け取った。
「そうでも言わないと簡単には出掛けられないからね、僕らは」
王帝月ノ宮中はアレスの天秤システムというもので管理されていて、確かに簡単に出掛けられない。
そこでキャプテンという立場を利用して、他校偵察と偽って出てきたと言うわけか。
『でもなんでタピオカ?』
「タピるの流行りじゃないですか」
「...タピる...」
野坂のJK用語使用に西蔭と共に、え、ドン引く。
「梅雨さんは女子中学生だし飲んだことあるかもしれないですけど、僕ら男子は中々機会がないんですよ」
女子中学生、と言う1年経っても未だに慣れない単語に顔が引き攣りそうになる。
『いや、私もね、王帝月ノ宮生だしね、買い食い禁止あるし飲んだことないよ。それに、ちょっと見た目カエルの卵みたいで飲んでみる勇気なかった』
「確かに、カエルっぽいですね...。野坂さんこれなんの卵なんですか」
そう言って西蔭が怪訝そうにタピオカミルクティーのプラッスチック容器をまじまじと見つめていて、その可愛らしい発言に思わず吹き出してしまう。
『ふふ、』
「なんの卵だろうね?飲んで当ててみてよ」
なんて、正体の知っている野坂はしらっと嘘をつく。
え″っ、と言いながらも西蔭は恐る恐るストローに口を付ける。
吸い込んだそれを、ゆっくりと噛んで西蔭は首を傾げた。
「もちもち、してますね」
『だろうね、キャッサバのデンプンの固まりだもんそれ』
「え、」
卵じゃないのといったように驚きの表情の西蔭を見てから、自分もストローに口を付ける。
知識はあるが実際に飲んでみるのは初めてだ。
野坂も自分の分のタピオカを飲み出した。
『うーん、美味しいかって言われたらそこまで、って感じ』
「そうですか?僕はわりと好きですよ」
この飲み物にもちもちしたのが入ってるのは好みが分かれそうだ。
『カロリーも相当高いし私は好んで買わないかなぁ』
「トンコツラーメンと同じカロリーらしいですからね」
その発言に、西蔭はえ″っと呟き嫌そうな顔で再び手に持ったタピオカミルクティーを見た。
西蔭は一見無表情に見えるが意外と顔に出やすいな。
「これそんなにするんですか」
『らしいよ』
ストイックにGKとして身体作ってる彼は食事にも気を使ってそうだもんなぁ。そりゃ飲み物1杯でそんなカロリーあったら最悪だろう。
『カロリー消費の為に帰りは走って帰る?』
「そうしましょう」
西蔭が力強く頷き、野坂もそうですね、と笑っている。
「そうだ」
3分の1くらい飲み終わったところで、野坂が切り出した。
「梅雨さんはフリスタやってらっしゃるじゃないですか」
『ん?そうだね』
「おっぱいでボールキープしたりするじゃないですか」
『うん、胴な。せめて胸と言え』
野坂はにこにこと...いや笑ってんのか?死んだ目をしているので分かりずらいな。まあ、なんか嫌な予感がする。
「というわけで、タピオカチャレンジ、ボールキープの特訓になると思うんですが」
『いや、何言ってんだならねぇよ』
「タピオカチャレンジってなんですか?」
きょとん、と西蔭が首を傾げている。
そっかー、知らないのか。そのままの西蔭でいて欲しい、というかなんでネット規制ある王帝月ノ宮生の野坂はそんなもの知ってんだよ。
「西蔭知らないの」
「はい」
「それなら今から梅雨さんが見せてくれるよ」
サッカーの特訓になると聞いたからか期待した目で西蔭がこちらを見てきた。
けど、ごめん。
ずぞぞぞ、と手に持った残りのミルクティーを一気飲みする。
『残念。飲み終わったのでできませーん』
ヒラヒラと野坂の目の前で空になった容器を振る。
「西蔭、それ貸して」
「え、野坂さん?」
『ちょ、っと!?』
西蔭に有無を言わさず彼の手に持ったタピオカミルクティーを奪って、あろう事か野坂は私の胸の谷間に乗せた。
「やっぱり梅雨さんのサイズなら簡単に乗りますね」
『お前なぁ~!!セクハラやぞ!』
本来ストローを咥え、胸で容器を支えてバランスを取るものだが、これは西蔭の分のやつなのでストローを咥えるというわけにもいかず。
確かにちょっと胸でのボールキープの特訓になりそうなのがムカつく。
取ろうと手を伸ばすと、横から野坂に手を掴まれる。
「あ、まだダメですよ。特訓なんですから」
『のーさーかー』
「それにタピオカチャレンジは飲むまでがタピオカチャレンジです」
何言ってんのマジで。胸に乗せるのがタピオカチャレンジだわ。
「西蔭。...西蔭?」
「は、はい、なんですか野坂さん」
顔を赤くし私から目を背けるといった初々しい反応をしていた西蔭に、野坂は告げた。
「西蔭がこれを飲むまでがこの特訓だからね」
そう言って私の胸を指差す。野坂お前鬼か。
「は、え...飲む?いや、これは...」
困惑してる西蔭はかわいいな。野坂と違って。
「できない?」
「や、やります」
ンンン、さすが野坂のイエスマン。
『野坂パワハラよくない』
「え?違うよね西蔭」
「俺は野坂さんの指示に従います」
野坂信者大概にしろ。
「ほらね」
いや何がほらねなの。絶対パワハラだからそれ。
「あの、失礼、します」
正面に来た西蔭が、私の胸元にそっと顔を近づける。
西蔭の方が遥かに背が高いので、中腰姿勢になるのにか、はたまた緊張してか、ぷるぷると震えている。
端正な顔が近くにあって、こちらも緊張してしまう。
野坂の命とあってか、真剣な顔だが、耳まで真っ赤になっていて可愛らしい。
ストローを咥えて、ズっと1口、西蔭は中身を吸って瞬時に胸から顔を離し、私から距離を取った。
「野坂さん、飲みました」
「え、まだ残ってるけど?」
鬼畜かお前は。西蔭も嘘だろといった顔で野坂を見つめている。
「冗談だよ」
野坂の発言に、はぁ、と西蔭は大きなため息をついた。
『帰ろうか』
胸に乗ったタピオカミルクティーを退けながらそう言えば、疲れきった顔の西蔭が頷いた。
野坂に振り回される
寮に着いたら野坂からそれぞれのスマホに写真が送られていて、2人はまた頭を抱えた。
「梅雨さん」
授業が終わり王帝月ノ宮中から、サッカー部の寮へと戻ろうとした所で、目の死んだ少年に声をかけられた。
『野坂』
後輩のクセにナチュラルに先輩女子を名前呼びしてくるこの子は、私が強化委員として所属することになったサッカー部のキャプテンだ。
そしてその後ろにはいつもの如く薄い色の髪をエリンギのように生やした少年が立っている。目が合うとぺこりと頭を下げる。こちらは先輩に対して礼儀がなっているいい子だ。
2人も授業が終わったばかりなので同じ制服姿だ。
『どうした?』
「今日は私服に着替えて、サッカー部寮前に集合してください」
え、今日のスケジュールでは部活動があり、基礎練をやる予定だったはず。
「ではまた後で」
そう言って野坂は足早に去っていく。
その後ろを雛鳥が如く西蔭が付いていく。
アレスの天秤システムを無視してのこの行動...、彼の意図は分からないが、私も自室へ戻って私服に着替えるとこにする。
言われた通り私服に着替えて寮前へ出ると、上下黒で統一した私服の野坂とパーカーにジャケットを重ね着した西蔭が居た。
「あ、来ましたね」
そう言って野坂は私を上から下まで見回した。
『なに』
「かわいいですね。よく似合ってますよ。ね、西蔭」
「は?え、は、はい」
野坂はホントタラシだな。全く。そして、西蔭は相変わらず野坂イエスマンだなぁ。
「いえ、その...俺も、可愛らしい、と思います」
私の心の声が出ていたのか、最後の方は尻すぼみで聞こえなかったが、西蔭は頬を少し赤く染め、そう伝えてくれた。
野坂とは違う女性を褒めなれてない初々しい中学校らしい反応に思わずニヤニヤとしてしまう。
『ところで、今日は基礎練じゃ無くなったの?』
「ええ。僕達は、ですけどね。他の皆はスケジュール通りです」
ドリンクやサポーター、冷却スプレーなど、雷門中マネージャーしてた時の買い物なんかはここ王帝月ノ宮では学園側が用意してくれるから買い出しなんて事はない。
わざわざ、キャプテンたる彼が部活動を休んでまでやる事、となると...。
『他校の偵察?』
「ふふ、そんなところです」
さあ、行きましょうと野坂が歩きだして、私も西蔭も黙ってついて行く事にした。
「はい、どうぞ」
『これのどこが偵察なんだ』
少し待っててと言っていなくなった野坂が戻って来て、その手に持っていたものを渡され、受け取りながら思わずボヤく。
「はい、西蔭も」
「は、はぁ...ありがとうございます??」
同じく偵察だと思ってたいたであろう西蔭もハテナを浮かべなから、野坂が買ってきたタピオカミルクティーを受け取った。
「そうでも言わないと簡単には出掛けられないからね、僕らは」
王帝月ノ宮中はアレスの天秤システムというもので管理されていて、確かに簡単に出掛けられない。
そこでキャプテンという立場を利用して、他校偵察と偽って出てきたと言うわけか。
『でもなんでタピオカ?』
「タピるの流行りじゃないですか」
「...タピる...」
野坂のJK用語使用に西蔭と共に、え、ドン引く。
「梅雨さんは女子中学生だし飲んだことあるかもしれないですけど、僕ら男子は中々機会がないんですよ」
女子中学生、と言う1年経っても未だに慣れない単語に顔が引き攣りそうになる。
『いや、私もね、王帝月ノ宮生だしね、買い食い禁止あるし飲んだことないよ。それに、ちょっと見た目カエルの卵みたいで飲んでみる勇気なかった』
「確かに、カエルっぽいですね...。野坂さんこれなんの卵なんですか」
そう言って西蔭が怪訝そうにタピオカミルクティーのプラッスチック容器をまじまじと見つめていて、その可愛らしい発言に思わず吹き出してしまう。
『ふふ、』
「なんの卵だろうね?飲んで当ててみてよ」
なんて、正体の知っている野坂はしらっと嘘をつく。
え″っ、と言いながらも西蔭は恐る恐るストローに口を付ける。
吸い込んだそれを、ゆっくりと噛んで西蔭は首を傾げた。
「もちもち、してますね」
『だろうね、キャッサバのデンプンの固まりだもんそれ』
「え、」
卵じゃないのといったように驚きの表情の西蔭を見てから、自分もストローに口を付ける。
知識はあるが実際に飲んでみるのは初めてだ。
野坂も自分の分のタピオカを飲み出した。
『うーん、美味しいかって言われたらそこまで、って感じ』
「そうですか?僕はわりと好きですよ」
この飲み物にもちもちしたのが入ってるのは好みが分かれそうだ。
『カロリーも相当高いし私は好んで買わないかなぁ』
「トンコツラーメンと同じカロリーらしいですからね」
その発言に、西蔭はえ″っと呟き嫌そうな顔で再び手に持ったタピオカミルクティーを見た。
西蔭は一見無表情に見えるが意外と顔に出やすいな。
「これそんなにするんですか」
『らしいよ』
ストイックにGKとして身体作ってる彼は食事にも気を使ってそうだもんなぁ。そりゃ飲み物1杯でそんなカロリーあったら最悪だろう。
『カロリー消費の為に帰りは走って帰る?』
「そうしましょう」
西蔭が力強く頷き、野坂もそうですね、と笑っている。
「そうだ」
3分の1くらい飲み終わったところで、野坂が切り出した。
「梅雨さんはフリスタやってらっしゃるじゃないですか」
『ん?そうだね』
「おっぱいでボールキープしたりするじゃないですか」
『うん、胴な。せめて胸と言え』
野坂はにこにこと...いや笑ってんのか?死んだ目をしているので分かりずらいな。まあ、なんか嫌な予感がする。
「というわけで、タピオカチャレンジ、ボールキープの特訓になると思うんですが」
『いや、何言ってんだならねぇよ』
「タピオカチャレンジってなんですか?」
きょとん、と西蔭が首を傾げている。
そっかー、知らないのか。そのままの西蔭でいて欲しい、というかなんでネット規制ある王帝月ノ宮生の野坂はそんなもの知ってんだよ。
「西蔭知らないの」
「はい」
「それなら今から梅雨さんが見せてくれるよ」
サッカーの特訓になると聞いたからか期待した目で西蔭がこちらを見てきた。
けど、ごめん。
ずぞぞぞ、と手に持った残りのミルクティーを一気飲みする。
『残念。飲み終わったのでできませーん』
ヒラヒラと野坂の目の前で空になった容器を振る。
「西蔭、それ貸して」
「え、野坂さん?」
『ちょ、っと!?』
西蔭に有無を言わさず彼の手に持ったタピオカミルクティーを奪って、あろう事か野坂は私の胸の谷間に乗せた。
「やっぱり梅雨さんのサイズなら簡単に乗りますね」
『お前なぁ~!!セクハラやぞ!』
本来ストローを咥え、胸で容器を支えてバランスを取るものだが、これは西蔭の分のやつなのでストローを咥えるというわけにもいかず。
確かにちょっと胸でのボールキープの特訓になりそうなのがムカつく。
取ろうと手を伸ばすと、横から野坂に手を掴まれる。
「あ、まだダメですよ。特訓なんですから」
『のーさーかー』
「それにタピオカチャレンジは飲むまでがタピオカチャレンジです」
何言ってんのマジで。胸に乗せるのがタピオカチャレンジだわ。
「西蔭。...西蔭?」
「は、はい、なんですか野坂さん」
顔を赤くし私から目を背けるといった初々しい反応をしていた西蔭に、野坂は告げた。
「西蔭がこれを飲むまでがこの特訓だからね」
そう言って私の胸を指差す。野坂お前鬼か。
「は、え...飲む?いや、これは...」
困惑してる西蔭はかわいいな。野坂と違って。
「できない?」
「や、やります」
ンンン、さすが野坂のイエスマン。
『野坂パワハラよくない』
「え?違うよね西蔭」
「俺は野坂さんの指示に従います」
野坂信者大概にしろ。
「ほらね」
いや何がほらねなの。絶対パワハラだからそれ。
「あの、失礼、します」
正面に来た西蔭が、私の胸元にそっと顔を近づける。
西蔭の方が遥かに背が高いので、中腰姿勢になるのにか、はたまた緊張してか、ぷるぷると震えている。
端正な顔が近くにあって、こちらも緊張してしまう。
野坂の命とあってか、真剣な顔だが、耳まで真っ赤になっていて可愛らしい。
ストローを咥えて、ズっと1口、西蔭は中身を吸って瞬時に胸から顔を離し、私から距離を取った。
「野坂さん、飲みました」
「え、まだ残ってるけど?」
鬼畜かお前は。西蔭も嘘だろといった顔で野坂を見つめている。
「冗談だよ」
野坂の発言に、はぁ、と西蔭は大きなため息をついた。
『帰ろうか』
胸に乗ったタピオカミルクティーを退けながらそう言えば、疲れきった顔の西蔭が頷いた。
野坂に振り回される
寮に着いたら野坂からそれぞれのスマホに写真が送られていて、2人はまた頭を抱えた。