世界への挑戦編
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試合再開後も直ぐにボールを持った土方とその傍にいた飛鷹がファイアードラゴンのパーフェクトゾーンプレスによって分断されてしまう。
囲われて動けない土方と飛鷹からボールを奪って涼野に渡るやいなや、ファイアードラゴンの面々はすぐさまフォーメーションを変えゴールへと一斉に駆け出した。
イナズマジャパンいち足の早い風丸が涼野に追いつけば、彼はセンターを走るチェ・チャンスウにボールを回した。
それを見て、行かせないっス!と正面から壁山がザ・ウォールで立ち向かうが、チェ・チャンスウはならく落としで切り抜けてライト側の南雲にボールを繋いだ。
ボールをもらった南雲は、高く飛び上がってオーバーヘッドからアトミックフレアをゴールに打った。
それに立向居はムゲン・ザ・ハンドで応戦するものの、敗れてしまう。
まあこればっかりは相性が悪い。立向居は林属性で南雲は火属性だから。
1点を犠牲にはしたが、どうやら鬼道が気付いたらしく、久遠さんの方を見つめていた。
「そろそろ練習の成果を見せてくれないか」
鬼道の視線に久遠さんがそう返せば、鬼道はみんなを集めた。
「みんな、泥のフィールドを思い出せ!下を泥だと思ってコントロールするんだ!」
「泥?」
フィールド上のみんなもベンチにいるみんなも考える。
『3日間練習させられたでしょ?』
「……そうか!」
分かったと円堂は顔を上げる。
センターラインから再開されたボールは、豪炎寺から虎丸に渡りドリブルで上がっていく。
「虎丸こっちだ!」
前方から2人がマークに付いてきたのを見て鬼道が叫べば、虎丸ばヒールでバックパスをだし鬼道はトラップして受け取りそのまま走り出した。
「パーフェクトゾーンプレス!」
行かせはしないと、チェ・チャンスウがタクティクスの指揮を取る。
南雲とキム・ウンヨンが鬼道の周りを取り囲むように走り、虎丸の周りを鬼道を囲っている周りごとアフロディ、ガゼル、チェ・チャンスウの3人が取り囲んだ。
「次なる餌食は貴方です」
「ここは泥のフィールドだ」
挑発したが、会話として成り立っていない返事をした鬼道にチェ・チャンスウは何?と聞き返す。
「さあ、奪ってみろ!」
鬼道はそう言ってボールを自分の真上へと高く蹴り上げた。
「俺が取る!」
驚いたファイアードラゴンの面々の中で1番最初に動いたのは南雲だった。
高さに自身のある彼だが、彼がジャンプのために踏み込むよりも先に頭上に影が伸びた。
「ふんっ!」
南雲の頭上を飛んだ風丸がボールを蹴飛ばし、それは虎丸の元へ飛んでいく。
「泥のフィールドって、こういうことですか!」
そう言って虎丸は、胸でトラップしたボールを軽く打ち上げてそれをその高さから蹴り飛ばした。
「旋風陣!」
それ!と木暮が軌道を修正して前へとボールを運ぶ。
「ちゃんとボールが繋がってますよ!」
「いける!泥の特訓が効いてるぜ!」
やった!と春奈ちゃんと綱海が喜ぶ。
「よし!いいぞみんな!」
「素晴らしい!素晴らしい必殺タクティクス!この戦術をルートオブスカイと名ずけてはいかがでしょう!」
カッコイイじゃん!と綱海が肩を組み、いきなりのことに目金がうおっと体勢を崩した。
『こら、そこの怪我人!興奮するのは分かるけど、立ち上がらないの!ひ弱な目金じゃ支えになんないんだからね』
「あ、わりぃわりぃ」
「ちょっと水津さん!?」
さ、支えれますからね!このくらい!といいながらプルプルと震えた目金はそっと綱海をベンチまで運んだ。
泥のフィールドで散々やってきた地上に落とさないボール運びで、フィールド上の面々は次々とボールをパスしてゴールへと上がっていく。
「流星ブレード!」
鬼道からのセンタリングでヒロトがシュートを放つ。
「大爆発張り手!」
はっはっはっ!と張り手を繰り返されてシュートの威力が落ちていき、最後の爆発で、完璧に封殺され、GKのチョ・ジョンスががっしりとボールを掴んで止めた。
「かーっ!惜しい!」
『綱海』
また立ち上がろうとした綱海を見て、睨めば彼はあっ、という顔をして、大人しく座った。
まったく……怪我で下げられた自覚ある?
チョ・ジョンスが速攻と言うようにボールをセンターラインより奥に投げ込んだが、それを頂き!と虎丸がカットして行く。
ドリブルで駆け上がる虎丸にキム・ウンヨンがドリブルを仕掛けたが、彼はぴょんと上に飛んでそれを避けた。
「風丸さん!」
受け取ってすぐドリブルで掛ける風丸の前に、コ・ソンファンが立ち向かう。
「地走り火炎」
炎を纏った脚を回して風丸を引っ掛けボールを奪われた。
取られたボールを今度は緑川がスライディングで奪い返し、虎丸に渡った。
「豪炎寺さん!」
「ああ。…あ、」
虎丸が声を掛けたあとシュート体制にはいる。
「タイガーーーー!!」
一瞬、観客席の入口を見てしまった豪炎寺が少し遅れた。
「ストーム!!」
《豪炎寺と虎丸の連携必殺シュート!おっと!?だが大きく逸れた!》
ボールはグンと軌道を上に逸らし、ゴールネットの上を飛んで行ってしまった。
「豪炎寺……」
先ほど豪炎寺が見たであろう観客席の入口の方へ視線を向けてみる。
一般の観客たちが試合中なのもあって席に付いて、入口付近には誰もいない。
正直、ここら辺記憶が曖昧だ。
お父さんが来ていなくての反応だったか、来ていて驚いたの反応だったか……どちらだったか。
流石の私も全ての内容を暗記している訳ではない。
さっきの豪炎寺が反応した瞬間の観客席を見ていた訳ではないから分からないが……、もし本来、来ていたものが今回来ていなかったら完全にイレギュラーである私のせいだ。
いやでも、流石に父親ならあそこまで言われた来るでしょ。
来ると信じるしかない。
同じく豪炎寺の事情を知る円堂も、頑張れというように豪炎寺を見つめている。
……それがキャプテン失格と言われた理由の1つだと気づかずに。
参ったね、とフィールドをみれば、先ほどゴールラインを超えたボールだったのでチョ・ジョンスがゴール前からチェ・チャンスウへとボールをぶん投げた。
そのボールをカットしようと鬼道と土方が駆け寄る。
「ならく落とし!」
チェ・チャンスウのかかと落としで地面に叩きつけられたボールは大きく跳ね返って大柄の土方ごとぶっ飛ばした。
『危ないっ!』
叫んだ時にはもう遅い。
土方が背中から傍にいた鬼道の方に倒れる。
私とあまり背格好の変わらない鬼道だ。
無論耐えれるわけもなく押しつぶされる。
「大丈夫か」
倒れた体を起こしながら鬼道が土方に声を掛ける。
「捻っちまった……」
いってぇと小さく呟く土方は倒れたまま足首を抑えている。
「……。すまん。チェ・チャンスウの動きを読み切れなかった」
ゆっくりと立ち上がった鬼道はそう言って謝っている。
『監督、土方と鬼道を下げてください』
「えっ、鬼道も?」
驚くのは円堂。他のベンチのみんなもどうして?という顔をしている。
「お兄ちゃんなら大丈夫そうですよ」
ほら、と春奈ちゃんが指さすフィールドでは鬼道が駆け足でポジションに戻って行く。
『接触事故です、監督』
これは譲れないと、久遠さんを睨めば彼はじっと鬼道を見つめた。
「あと、3分だ」
『…は?』
「栗松。土方と交代だ」
行け、と急かされて栗松がベンチからフィールドへ走っていく。
『あと3分って……前半終わるまで待ってことですか』
「その間に土方の怪我を診ておくように」
『はあーーー。分かりました』
今回は折れてあげる
その代わり、後半は緑川も下げてくださいね。