世界への挑戦編
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『おかえりなさい』
空に星々が輝く頃に帰ってきた5人を食堂で出迎える。
「ただいまー!」
元気よくそう返したのは円堂。
『虎丸の秘密はわかった?』
「はい!まさかあんな事情があったなんて思いませんでした」
そう答えたのは春奈ちゃん。
「お父さんが途中で帰る許可を出してるのも納得しました」
冬花ちゃんのその言葉に秋ちゃんがウンウンと頷いた。
その後ろで、豪炎寺だけがずっと考え込んだような顔をしていた。
『それで、みんなお手伝いしてきたんでしょ?お疲れ様。ご飯は食べた?』
そう聞けば女の子達が、あっ、と青い顔をした。そんな中で円堂だけが、ああ!と返事をした。
「あの、ごめんなさい。虎丸くんのお母さんが、まかないを……」
「ご飯作って待ってましたよね……」
「それどころか私たち今日のご飯の準備も……」
『大丈夫大丈夫。壁山ー』
「はいっス!」
不安そうな顔をした女の子たちを見て、大きな声で呼ぶと壁山は待ってました、と言わんばかりの勢で現れた。
『みんな、ご飯たべてきちゃったんだって』
「ってことは、オレが食べていいんッスね?」
いいよ、と返事をすれば壁山は、やったーと喜んで厨房にしまった5人前の料理を取りに走っていった。
食事制限があるが、今日はチートデイってことで事で。
『ってことで、ご飯は残らないから心配ご無用。準備は目金が手伝ってくれたら後で労わってあげてね』
こき使ったから、と笑う。
『さ、お疲れだろうし、みんなお風呂入って早く寝るんだよ』
はーい、と返事をして4人が食堂を出ていく。
『豪炎寺?』
「今回、何故練習途中で帰るのかはわかった。だが、アイツのあのプレーの理由は分からなかった。なぜ、虎丸は、自分でシュートを決めない」
真っ直ぐな目で豪炎寺はこちらを見てきた。
サッカーに対する姿勢も、真っ直ぐだからこそ虎丸のあのプレーは理解できないのだろうな。
『私は分かるけどね』
「知っているということか?」
『それもあるけど、気持ちがね……』
エイリア学園との戦いで選手として試合に出なければいけなかった時。
みんなの活躍の場を奪わないとように。されど負けないように立ち向かわなければならなかった。
虎丸とそうなった理由は異なるけれど、そういうプレーをしなければといった思いは分かる。
『まあ、そうね……。私が言えることは、虎丸だって好きであのプレーをしてるんじゃないって事かな』
「好きでしているわけではない、か」
そう繰り返して豪炎寺は考えるように黙った。
『環境が違えばキミにだって有り得た話さ』
豪炎寺はエースストライカーであるわけだし。実際周りに対抗心を燃やす染岡や武方三兄弟がいたわけだし。
彼らよりももっとどす黒い妬みや嫉みの感情を持つ人が居たら豪炎寺だって違っていたかもしれない。
『だから、まあ、あんまり怒りすぎないようにね』
ファイアトルネード治療は本当に勘弁してあげて欲しい。
私からこれ以上のことは言えない。
口の虎は身を破る
って言うしね。