世界への挑戦編
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エイリア学園事件が終わってから数週間が立った。
修復された新しい校舎で授業を終えた後、放課後はサッカー部に新たに加わったシャドウを含め選手16人とマネージャー4人で部活動を続ける毎日をおくっている。
みんなの私に対する態度はまちまちで、前と全く変わらないのが、1年生たちと、鬼道、松野、一之瀬、土門、影野。
呼び方とかは変わらないから本人に自覚はないのだろうけど、私を大人とみて甘えてくる、というか、相談事が増えたのが夏未ちゃんと円堂と豪炎寺。
歳上として敬ってくるようになったのが、風丸、目金、シャドウ。
まだ、どうするべきか悩んでいる様子があるのが秋ちゃんと半田。
そして、その中のどれとも当てはまらないのが染岡だ。
最初は私が歳上だと分かったからよそよそしくなったのかと思ったが、松野から聞いた話ではどうやら照れているらしい。照れるってなんだよ。松野には自分で考えなよと放置されてしまった。
思春期の男の子の事は分からん、と隣りの席の染岡へ視線をやれば、赤い顔して目を逸らされた。
うーん、確かに照れてるっぽい?歳上のお姉さんに見つめられるとドキドキしちゃう、とかそういう話??
まあ、この染岡の反応可愛いし面白いから暫くはこのままでいいか。
そう、ぼんやりと思っているとスパンと教室の扉が開かれて、涙目の円堂が飛び込んできた。
『あれ?今日は夏未ちゃんに理事長室に来るよう言われたんじゃないの?』
それでさっき夏未ちゃんは教室を出ていったはずだ。
「行ったよ!行ったから困ってんだ……。水津、助けてくれ!!来週のテストまでサッカー部活動中止とか、赤点とったら部活動出禁って夏未が!」
そう言って円堂が私の席に泣きついてきた。
「来週のテストまで部活動が休みなのは他の部もです!部活出禁が嫌なら、泣き言を言う前に勉強をなさい!」
円堂の後から教室へ入ってきた夏未ちゃんがそう叱る。
『まあ学生の本分は勉強だからねぇ。赤点にならないように勉強頑張ろうね』
「そんなぁ!」
「もっと言ってやって頂戴。円堂くんのこれまでの成績、目も当てられないもの」
『あー』
見なくても何となく想像がつく。
『円堂が部活出禁は困るもんね。テスト勉強一緒にやる?』
「水津〜!いいのか!今回は風丸もエイリア学園の事であんまり勉強出来なかったから自分の勉強で手一杯って見放されてたんだ……!」
『まあ、大半の子はそうだろうね。瞳子さんが勉強の時間用意してたけど、ほとんどはサッカーしてる事が多かったもんね』
「そうなんだよ……それでみんなも大変だろうし……。水津が教えてくれるんだったらすげー助かる!」
『うん。いいよ。うちでお勉強会やろうか』
「水津ん家でいいのか?」
『ええ。いっつもいっつも円堂ん家に人来るんじゃ、迷惑でしょ』
「そんな事ないぜ?」
円堂はなくてもお母さんは大変だと思うんだけど。
『まあ、たまには円堂が他所に行くのもいいんじゃない?』
「そうだな!」
『うん。で、染岡もくる?』
円堂と夏未ちゃんと喋っている間無言でじっとこちらを見ていた染岡に話を振れば、急だったからか驚いた顔をしていた。
「え、あ、俺?」
『だって、染岡もあんまりお勉強得意なほうじゃないでしょ?』
「失礼な奴だな。まあ、その通りだけどよぉ。円堂よりかマシだぞ」
話し出すとわりと今まで通りなんだよね。なんなんだろ。
『まあ、赤点取らないだけね。で、参加する?』
「あー」
どうするかな、というように染岡は考えている。その視線は円堂の方へ移ったあと、もう一度私の方へ向き直った。
「行く」
『じゃあ、決定ね。いつがいいかな』
「オレはいつでもいいぞ!」
円堂がそう言えば染岡も部活ねえしな、と続けてそう答えた。
『ちょっとまってね』
と、私は携帯電話のスケジュール帳を開く。
「明日は私との約束がありますからね」
忘れてないでしょうね、と言うように夏未ちゃんが少しムッとしている。
『わかってるよ。明日は夏未ちゃん、この日は……あー、響木さんとこの手伝いがあるんだった』
「雷雷軒の?」
「ちょっと。うちはバイト禁止よ」
円堂の言葉でアルバイトだと思った夏未ちゃんがジロリと睨む。
『あー違う違う。雷雷軒のお手伝いじゃなくて、ちょっと相談事的な?』
「そう。それなら良いのだけれど」
「でも、相談事って響木監督が?」
円堂が不思議がっている理由は、私より歳上の響木さんが私に?って事なんだろう。
『人生相談とかじゃないよ?ちょっとサッカーに関することでね』
「サッカーのことで?何かあんのか!?まさか練習試合先を決めるとかか!?」
ワクワクとした様子で円堂が見つめてくるが、教えられないよ。
だから、口元に人差し指を置いて内緒、と1つウインクして誤魔化すのだった。
次の準備
いいタイミングで予鈴が鳴って円堂が慌てて教室を出ていったおかげで、未来に関して話さずに済んだ。