脅威の侵略者編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
嘘だ、と言わんばかりの目を円堂は我々に向けた。
「どうしちゃったんだよ……みんな」
「円堂くん。あなたにももう時期分かりますよ。誰もが取り憑かれる魅力。それがエイリア石!」
「ッ!」
反論しようとした円堂にビシッと人差し指が突きつけられた。
「雷門イレブンはダークエンペラーズの記念すべき最初の相手に選ばれた。さあ、サッカーやろうぜ円堂!」
そう言って風丸は、突きつけていた人差し指以外の指を開いて、差し出すように手を向けた。
だが、それは先程とは逆に円堂の方から叩き落とされるのだった。
「いやだ」
円堂は現実から逃げるかのように、ぎゅっと両目を瞑った。
「こんな状態のお前たちと試合なんて……!」
次に目を開けた円堂の瞳は潤んでいた。
「そうッス!いやッス!!」
便乗するようにそう言った壁山の目の縁にも涙が溜まっていた。
「ああ。お互いに得るものは何も無い!」
鬼道がそう言えば、周りのみんなも、うん、と強く頷いた。
「フッ。試合を断ればどうなるか、お教えしましょう」
研崎が笑う後ろで染岡がコートを脱いだ。
「まず、手始めに雷門中を破壊いたします」
研崎の言葉に従うように染岡は、紫色のサッカーボールを地に置いて、足を上げた。
「ダメだ!やめろ、染岡!」
「分かりますか?あなた達に選択肢はないのですよ?」
卑怯な……!と一之瀬が研崎を睨みつけるが、まあ、そんなことは痛くも痒くもないだろう。
円堂は、響木さんに目配せをした後、風丸に視線を戻した。
くっ、と歯を食いしばった後、表情を歪ませた円堂は、覚悟を決めたように顔を上げた。
「わかった。勝負だ!」
「やっとその気になりましたね」
「人間の努力には限界がある事を教えてやる」
そう言って、円堂に対し踵を返した風丸を筆頭に、我々は準備のためにベンチへ移動する。
暫し茫然とした様子の円堂も、豪炎寺に肩を叩かれて、雷門イレブンと共に反対側のベンチへ移動していった。
『メンバーはジェネシス戦と変えて来ないはず』
「ということは、キーパーは円堂じゃなく立向居、というわけか」
キーパーじゃない円堂か、と風丸はコートの先にいる幼なじみに目を向けていた。
『うん。円堂は連携技多いし、キーパーに置いとくにはリスク高いし』
「そうなると、トライペガサス……いや、ザフェニックスだったな。あれも打ってくるだろうな」
同じく西垣も、向こうにいる幼なじみ達へ目を向けていた。
「フェニックスは俺が止める」
『まあ、あの技に関してはここの誰よりも西垣が詳しいもんね。任せるよ』
「任せるっていう割には渋い顔してるよねー。何が気がかりなの?」
そう言って松野が顔を覗いてきた。
『うーん。今の向こうのメンツ的にDFが多いんだよ。だから、フェニックスを打つチャンスを掴みやすくするためにも土門を前目のポジションに起きそうだな、って』
本来の物語で、DFの土門がかなり前に配置されてて驚いた記憶がある。
ただ、鬼道がなー。私が向こうの配置を知っている事を読んで、変えてくる可能性もある。
『まあ、土門が何処に居ても、なにより吹雪がどこでもディフェンスしてくるだろうからな……』
豪炎寺とのツートップだろうけど、それでも吹雪はあの位置から余裕でゴール前の守護にまで戻れるもんなぁ。
「吹雪か……。負けねぇ」
染岡がぐっと拳を握って、闘志を燃やしている。
「スピード勝負ならもう負けないさ」
そう言う風丸の目もギラギラしていた。
『そうだね。うん。向こうはMFも守備型のMFが多いし、逆にこっちはMFも攻撃型が多い。マンツーマンで付かれても突破しやすい。予定通りのスターティングで行こう。任せたよ』
そういえば、おう、と頷く者と、言われなくともと返してくる者がいた。
「かつて一緒に栄冠を手にした雷門イレブンのチームメイト達が戦って鎬を削ることになるとは……!残酷な運命の糸に導かれ、雷門イレブン対ダークエンペラーズの1戦!実況はわたくし、角馬圭太でお送りします!」
滝のような涙を流しながら行われた角馬くんの実況を聞きながら、皆はフィールドの中へ入って、それぞれのポジションについて行く。
向こうのポジションは、物語と変わりなかった。
こちらのポジションも変わりなく、染岡、シャドウ、そして風丸の3トップ編成だった。
雷門vs雷門
信じたものを証明する戦いが、今始まる。