脅威の侵略者編
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後半戦は、前半の終わりに鬼道が気が付いたカオスのリズムを狂わす休止符…………ネッパーの存在のお陰でカオスのパス連携を崩しボールを優位に持てるようになった。
開始早々にアフロディがゴッドノウズで得点を決め、その後も、ダイヤモンドダストの選手へパスを出さないネッパーの動きを読んでパスカットし、豪炎寺の爆熱ストームで点を取る。
そしてノリに乗った雷門はそのまま、ゴットノウズ、ツナミブースト、デスゾーン2と立て続けに必殺技を決め得点を返していく。
こんなに簡単に決まるのも、最初はネッパー1人の行動だったものが、先程無視されたダイヤモンドダスト側のリオーネも反発し、プロミネンスへのパスを行わなくなって、チーム連携が完全に崩れてしまったからだった。
そんな彼らから、今度は円堂がメガトンヘッドで点を取り、今や7対10にまで追いついた。
「あと3点!残り時間もたっぷりありますし、逆転勝利間違いなしですね!」
うきうきで言う目金を横目に見た後、それはどうかなぁ、とカオス側に目を向ける。
センターに戻されたボールを点を取られたカオス側がキックオフする。
すると、すぐさまガゼルとバーンが飛び出し、並行して2人で短いパスとドリブルで繋ぎ雷門イレブンを抜き去って行く。
「バーン!」
「ガゼル!」
2人は互いの名を呼んで宙へ飛び上がった。
「これが我らカオスの力……!」
「宇宙最強チームの力ぁ!」
「「ファイアブリザード」」
バーンが炎を、ガゼルが氷を、それぞれ脚に渦のように纏わせて、2人は共にボールを蹴った。
2人の氷と炎を纏ったボールが、螺旋のように回りながら雷門ゴールへ飛んでいく。
「立向居!」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
4つの黄色い腕が伸びてボールを掴む、が…………パリンと腕は割れてファイアブリザードが立向居を吹き飛ばし、ゴールへとボールが刺さった。
究極奥義ムゲン・ザ・ハンドが破られた。
「そんなことって……」
絶望したように、ベンチで春奈ちゃんが呟く。
あまりのシュートの威力に雷門イレブンが驚く反対でまた、カオスイレブン達も別の意味で驚いていた。自分達のキャプテンが互いに協力する姿に……。
しょんぼりとする立向居に、究極奥義に完成なしだ、と円堂の力強い励ましで気を入れ直した雷門イレブンは、キックオフから直ぐにバックパスでボールを受け取った土門が、アフロディへとロングパスを蹴った。
だが、それをドロルがカットし、ドロルは取ったボールをネッパーへパスした。
ダイヤモンドの選手からのボールに驚き呆然とするネッパーの目を覚ますように、ヒートが彼の名を叫び、ハッとしたようにネッパーはドリブルで駆け出した。
ボールを持ったままネッパーは誰にもパスを出さずに走っている。
そんな彼を見て、チャンスだと言わんばかりに円堂、塔子ちゃん、木暮の3人がマークに付いた。
「止めるぞ!」
「もらった!」
3人からの圧に足を止めたネッパーは、てや!とボールを蹴り飛ばした。
そのボールはリオーネの足首に丁度よくパスされた
「え……」
「リオーネ!そのまま持ち込め!」
リオーネはネッパーの言葉に小さく頷いて、ドリブルで駆け出した。
「壁山!」
鬼道が急いで指揮を飛ばせば、リオーネの前に壁山が立ち塞がる。
「ザ・ウォール!」
「ウォーターベール」
壁山が出した大きな土壁を、リオーネが水圧で破壊していく。
「リズムが変わった!?」
音村の影響で、ずっとリズムを測っていた鬼道は驚いた。
「バーン様、ガゼル様!」
リオーネは、空高くパスを上げる。
それに合わせて2人は同時に高く飛び上がった。
また、ファイアブリザードか、と思いきや、彼ら宇宙人の身体能力についていける、身体能力高すぎな綱海が飛び上がってボールをカットした。
「豪炎寺!」
綱海はカットしたボールをそのまま空中からダイレクトに豪炎寺の足元れボールをたたき落とした。
それを受け取った豪炎寺はカウンターでそのままドリブルで駆け抜ける。
「こっから先は行かせん!イグナイトスティール!」
ゴール前に立ち塞がったボンバの攻撃を豪炎寺は軽く飛んで交わしたのだが…………。
「フローズンスティール」
着地のタイミングを狙ったゴッカの必殺技で、ボールごと白線の外へ飛ばされてしまった。
「豪炎寺、大丈夫か!?」
「……ああ、問題ない」
すっと立ち上がったところを見るに、怪我はないようだし、打ちどころが悪いところもなさそうだ。
ゴッカが触って出たボールだったので、雷門のスローインで再開し、またも豪炎寺にボールが渡るが……イグナイトスティールとフローズンスティールの連続攻撃に、先程と同じようにボールを外へ出されてしまった。
「勝負あったみたいだな」
「お前たちに宇宙最強のダブルディフェンスは破れない!」
ボールを止めた2人の後ろで、ガゼルとバーンが、ふふん、と胸を張った。
あの豪炎寺でさえ避けられないディフェンス。
どうしたものか、と悩む雷門イレブンの中で、1人が口を開くのだった。
僕に任せて
鶴の一声ならぬ、神の一声だった。