脅威の侵略者編
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フットボールフロンティアスタジアムから出たキャラバンは、雷門中学校へと到着した。
「みんな、明日からは新しい体制での練習よ」
おー!とみんなが拳を挙げて気合いを入れる。
『じゃあ、今日はここで解散ですね』
「ええ。また明日、雷門中に集合してちょうだい」
はーい、と返事をする雷門中生達の中で俺らは?と言う顔をした追加メンバー達に円堂がニカッと笑ってみせた。
「それじゃあ、みんなは家に来いよ!みんなまとめて泊まってくれ!」
河川敷でも言っていたように、円堂はそう声をかける。
「ウチらは梅雨ん家に泊まる約束やんな」
『うん。ただちょっと寄りたいところがあるからリカちゃんも塔子ちゃんも円堂ん家で待っててくれる?』
「寄りたいところ?」
こてん、と塔子ちゃんが首を傾げる。
「ははーん、男やな!」
そう言ってリカちゃんはニマニマと笑っている。
まあ、あながち間違いではないが。
「そういう事ならウチらは大人しく円堂ん家で待ってるわー。ほな行こか」
荷物を持って、行こうとリカちゃんが、円堂と追加メンバー組を急かす。
「染岡くんのところ?」
前の席の夏未ちゃんが振り返ってこそっと聞いてきた。まあ、こないだの電話聞かれてたしね。
『うん。他のみんなのお見舞いもね』
「場虎に言って、送りましょうか?」
『病院すぐそこだし大丈夫よ。夏未ちゃんは、早く理事長に顔見せてあげなさいな』
「そうね」
そんなやり取りをしてると、隣でドサッと大きな音がした。
音の原因である荷物を抱きとめた吹雪が、キョトンとした顔で、荷物を投げてきた綱海を見つめた。
「ぼーっとしてねえでお前も来い来い」
綱海がそう声を掛けて、みんながぞろぞろとキャラバンを降りていく。
「うん」
吹雪もたちが上がってみんなについて行こうとする。
『あ、吹雪』
呼び止めれば吹雪は、振り返って首を傾げた。
「なにかな」
『今の話聞いてたでしょ?一緒に行かない?お見舞いに』
「えっ……。僕が行って、お邪魔じゃないかな………」
『ないない。そんな心配しなくても、別れ際は仲良くなってじゃん。今更最初の頃みたいに邪険にはしないと思うよ』
「いや、そういう意味じゃなくて………2人の邪魔に………」
2人?と首を傾げると、吹雪は困ったように眉を下げた。
「水津さんってサッカーに関することは鋭いのに、こういうことには鈍いよね」
『ん?なんか喧嘩売られてる?』
「フッ、」
吹雪と反対の横に座る豪炎寺が、小さく吹き出した。
『豪炎寺?』
「吹雪。お前の言う通り、水津も鈍いが、染岡もあれで自分の気持ちに気づいていないからな。気にせず行って来ればいい」
「豪炎寺くん………。あれで自覚してないって本当なの?僕、もの凄く睨まれてたよ?」
「ああ。傍から見ればあんなにわかりやすいのにな」
『……なんか分かんないけど2人して私と染岡に喧嘩売ってることはわかった』
「そういうつもりじゃないんだよ?ただ……うん。僕は染岡くんを応援してるから」
『うん?』
本当に何言ってるのか分からん。なんで吹雪は染岡を応援してるんだ??
「とりあえず、吹雪も行って染岡と話して来るといい」
「うん…、そうだね。そうするよ」
『なんか誤魔化された気がするんだけど、まあいいか』
とりあえず、行こうと声をかけて吹雪と共にキャラバンを降りる。
病院に向かう途中でコンビニに寄って、事前に聞いてたみんなの欲しい物を買ってから稲妻総合病院へ行った。
半田達の部屋に寄って、染岡の部屋聞こうと思っていたらちょうど染岡も彼らの部屋に遊びに来ていた。
「おー、水津!」
よ、と半田が手を挙げた。
「水津先輩、頼んでたの買ってきてくれました!?」
『うん、コ□コ□コミックねー』
じゃじゃーん、とレジ袋から買ってきた分厚い雑誌を宍戸へ掲げてみせる。
「うおー!ありがとうございます!」
「ここの売店、ジャ〇プしか売ってないんだよなー」
「あ、水津、ボクが頼んでたのはー」
『松野のは………』
凄い勢いでお見舞いの品に群がった雷門イレブンに隣の吹雪は目を丸くしている。
「知らねー奴らの見舞いに付き合うのは困るだろ。水津はこいつらと話があるだろうし、俺らは屋上でも行こうぜ。結構いい風吹いてんだぜ」
そう言って染岡が吹雪に声を掛けて2人は部屋を出ていく。
事前に連絡しておいたし、上手くやってくれるだろう。
「なになに水津ってば、染岡の事、目で追いかけちゃって」
ニヤニヤとマックスが目の前で笑っている。
『あー、うん。吹雪の事でちょっとね。大丈夫かなって』
「なーんだそういう事。……中継でイプシロンとの試合見てたけど、彼なんか調子悪そうだったもんね」
『うーん、ちょっと複雑な事情があってね。
吹雪、キャラバンで1番仲良かったの染岡だったし、男同士なら気負わず吐露できるかなって』
なるほどね、とマックスが頷く。
『ところで、みんなの様態はどう?』
「おー、俺たちはもう時期退院出来そうだぜ」
「俺、早くサッカーしたくてうずうずしてます」
半田と少林寺の言葉に、よかったと息を吐く。
「そう言えば、水津さんもお腹怪我をしたって聞いたけど……」
ぼそり、と奥の方のベッドにいる影野が呟く。
『うん、けど、もう大丈夫だよ』
「イプシロン戦も出てたもんな」
同じお腹の怪我でも、影野の怪我は相当酷いし、私の怪我なんか大したことない。
それに、ここのみんなの怪我は私が知らぬふりしたからさせたようなものだし。
でも、真・帝国戦のことを思えば、最初のジェミニとの戦いで余計なことをしてたらもっと酷い怪我だったかもしれないし……って、そんなことを考えて安心しようとしてる自分は最悪だな。
そもそも、どの面下げて見舞いに来てんだよ。
みんなの事を心配してるつもりで、ただ、
罪悪感を減らしたいだけに過ぎない
ホント、酷いヤツだよね。