脅威の侵略者編
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「やるじゃないか」
そう呟いて、ガゼルが自身の長い前髪をガシッと掴む。
「これが雷門と、円堂守と戦って得た力だというのか」
ガゼルは左目にかかった前髪を掻き上げる。
「叩き潰してやるよ!」
アフロディによる先制点で雷門イレブンの士気が上がると共に、ガゼルの闘志にも火を付けてしまったようだった。
「見せてやろう。絶対零度の闇を!」
試合再開そうそうボールを取った鬼道に、ベルガがフローズンスティールで、ボールを奪い、リオーネにパスした。
リオーネはそれをダイレクトパスして、ドロルに繋げた。
「止めて見せるッス!」
そう言って壁山が、ザ・ウォールを発動するが……、ドロルはその場でくるりとターンした後、ボールを両足で地面に踏み込んだ。
「ウォーターベール!」
間欠泉の様に地面から吹き出した水が、膜のように広がって、その水圧でザ・ウォールを打ち砕いた。
壁山が倒れる中、ドロルからガゼルへとパスが通った。
「フッ、凍てつくがいい!」
「来いっ!」
円堂が構えると、ガゼルはゴール前で一度立ち止まり腕を組んだ。その瞬間、彼の背中から冷気が漂いオーロラを生む。
それから勢いよく踏み出したガゼルは、右足を主軸に、身体を回転させ回し蹴りの様に左足でボールを蹴った。
「ノーザンインパクト!」
カチコチに凍ったボールが真っ直ぐ物凄い勢いで飛んでいく。
「これはガゼルの必殺シュートだあ!」
「はあああああ!」
円堂は両手をグッと握りしめ、左足を大きく振り上げた後、思いっきり振り下ろした。
「正義の鉄拳!」
足を振り下ろすのと同時に突き出された拳が、ノーザンインパクトとぶつかり合う。
「くっ……」
歯を食いしばって、円堂は耐える、が……。
「うわあっ」
ノーザンインパクトの威力に押し負け、ボール事ゴールへ吹き飛ばされた。
「ゴール!!決められてしまったぁ!?正義の鉄拳が打ち砕かれた……!」
「この程度とは、ガッカリだよ」
シュートを決めたガゼルが、円堂を見下ろした後踵を返すと共に、ピッピーと前半終了のホイッスルが鳴り響いた。
ハーフタイムを終え、後半戦が始まった。
先程点を取られたが、それでも雷門イレブンの士気は下がらず、ダイヤモンドダストとの戦いは拮抗していた。
「みんな、頑張れ……」
みんなの熱気が伝わってか、前回の試合では、空虚を見つめていた吹雪が、膝の上でグッと拳を握りしめてフィールドのみんなを見つめている。
その様子を見て、よかった、と小さく息を吐く。キャラバンを立ち去ろうとした時にはヒヤヒヤしたけど、今はちゃんと前を向いてくれてるようで本当によかった。
そう、息をつくのもつかの間。
また、ガゼルがゴールへ向かってノーザンインパクトを放った。
今度こそ!と円堂が正義の鉄拳を出したのだが、威力負けしてしまい、またもゴールを決められてしまった。
「正義の鉄拳が二度も破られた……」
ようやく出来るようになった円堂の、究極奥義がまた破られた事でリカちゃんが青い顔をする。
「大丈夫よ」
秋ちゃんが真っ直ぐゴールを見つめながら、力強くそう言う。
「究極奥義に完成無し。このまま終わるはずがないわ」
夏未ちゃんの言葉に春奈ちゃんも、はい、と強く頷いた。
「でも、これ以上失点はできない……」
『吹雪の言う通りだけど、でも守ってばかりでも勝てないしねぇ……』
「ええ。ここは怯まずに攻撃するのみよ」
そう言って瞳子さんは、センターラインに戻ったボールへ視線を移す。
雷門側のボールで再会し、すぐさま鬼道が攻め上がって行けと皆に指示をだす。
連携で攻め上がった雷門は、アフロディからのパスで豪炎寺が爆熱ストームを放ち、相手のGKの必殺技、アイスブロックを見事に打ち破った。
引き分けに持ち直し、みんなが、やった!と盛り上がった。
そして、今度はダイヤモンドダストのボールで始まり、残り時間が少ないのもあってか、彼らは焦ったように攻め上がり、徹底的に豪炎寺とアフロディにマークを付けてボールを回させないようにした。
「もう一点……先にゴールを決めれば、必ず勝てる……!」
円堂の言葉に、ボールをダイヤモンドダストから奪った鬼道が、ならば!と振り返ってそれから一之瀬を見た。
うん、と円堂と一之瀬が頷いて鬼道が走る。
真っ直ぐドリブルで進む、と見せかけた鬼道は飛び上がって、後ろから駆け上がってきた一之瀬にパスを出した。
「土門!円堂!」
一之瀬が呼べば、おう!と返事した2人が前線へ駆け上がって行く。
「おい!!ゴールはどうするんだよ!?」
雷門のこの攻撃方法を初めて見た綱海が慌てたように叫んでいる。
『初めは驚くよね』
キーパーが飛び出して行くのなんて……っと、眺めていたら、ボールを持って走る一之瀬の横からクララがフローズンスティールを仕掛けた。
氷と共に滑ってきたクララのスライディングで一之瀬が吹っ飛ばされ、ボールが奪われた。
「これは……!」
「危ない!円堂がゴールを空けている!」
「こっちだ!」
ガゼルがクララを呼べば、彼女はすぐさまボールを蹴り飛ばした。
「うおおおおぉ!」
それを超人的な運動神経で反応した綱海が飛び上がって、両足を揃えて、ボールの上に乗っかるように降りてパスカットして、跳ねたボールがラインの外にでた。
ぴっ、とホイッスルが鳴り、試合が1度止まったところで、急いで円堂がゴールへ帰った。
「サンキュー綱海!」
「へっ!礼なんていらねえよ!」
片手を上げて礼をする円堂に、綱海が同じように手を挙げて返した。
「土門、一之瀬!次は決めようぜ!」
おう!と2人が力強く返事を返した。
『………ザ・フェニックス。イナズマ1号、イナズマ1号落とし、イナズマブレイク……』
「それは……?」
不思議そうに吹雪が見つめてくる。そっか、吹雪が入ってから円堂が、シュート打ちに行く事ってほとんどなかったっけ。
「全て円堂くんが参加する連携シュートですね」
くい、と眼鏡を持ち上げながら、目金が説明してくれる。
『いずれも強力だけど、円堂が必ずゴールを空ける事になるんだよね……』
千羽山中戦の頃から言ってきてはいるが、円堂が関わるシュート技があまりにも多すぎるのだ。
瞳子さんも、フィールドの鬼道もどう使うべきか、じっと考え込んでいるようだった。
リスキー
それでも、勝ち点を取るにはこの方法しかないのであった。