脅威の侵略者編
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すう、と円堂が鼻から大きく息を吸って、にっと笑った。
「戻ってきたぞー!」
稲妻町の河川敷に、イナズマキャラバンが帰ってきた。
「よし、1度家に帰ろう!」
「家か〜」
円堂の言葉を聞いて壁山が、しみじみとつぶやいた。
「長いこと留守にしてたからな」
「お母さんたちも心配してるだろうなぁ」
鬼道や秋ちゃんもそう呟く。
「家庭でのリフレッシュも大事だわ」
「いいですよね、監督?」
夏未ちゃんがそう言い、円堂が監督に訊ねれば、監督は頷いた。
「いいわ。1日ぐらい休みましょう」
やったー!!と、雷門中生達が喜びの声を上げる。
そんな中、おいおい、と綱海が言いながら自分の顔を指さした。
「俺達はどうするんだよ」
「みんな家に来いよ!母ちゃんの肉じゃが、最っ高に美味いんだぜ!」
「俺、肉じゃが大好きです!」
「オレはきらーい」
立向居がキラキラと目を輝かせ、木暮が壁山の頭の上で嫌そうな顔をした。
『みんなで押し掛けたら大変だろうし、塔子ちゃんとリカちゃんは家に来る?ワンルームだから広くはないけど』
「確かに、円堂んちに沢山で行ったら迷惑かもな」
「ほんなら、ウチらは水津んとこ行こかー!」
『うん、おいでおいでー』
そんな会話をしていたら、あっ、と吹雪が呟いて、空を見上げた。
「どうした吹雪?」
吹雪の隣に立つ土門が気が付いて掛ける中、空気が冷えた。
「ん?」
それから、空から黒と水色のサッカーボールが、青白い光を纏って、物凄い勢いで落ちてきた。
眩い光が落ち着いて、目を開ければグラウンドにぽっかりと穴があいていた。
《雷門イレブンの諸君。我々、ダイヤモンドダストはフットボールフロンティアスタジアムで待っている。来なければ黒いボールを無作為にこの東京へ打ち込む》
「なんだって!?」
ボールから聞こえてきた音声に、円堂が驚きの声を上げる。
「無作為に……!?」
「無作為って?」
鬼道が眉を顰める後ろで壁山が首を傾げた。
「デタラメって事ですよ!もしそんな事されたら東京がめちゃくちゃに……!」
目金がそう説明すると、壁山は、ええっーと驚いた。
「大変ッス!!」
「仕方ないわ。直ちにスタジアムに向かいます」
皆、はいっと返事をして急いでキャラバンへ乗り込んだのだった。
「相手はどんな連中か、全く謎よ」
フットボールフロンティアスタジアムに着いて、監督がみんなを集めた。
「どのような攻撃をしてくるか分からない。豪炎寺くん、FWは任せるわ」
「はい」
力強く豪炎寺が頷き、横で見ていた円堂が嬉しそうな顔をしていた。
「豪炎寺くんは確実にマークされるわ。彼にボールを回すのも大事だけど、チャンスがあればゴールを狙いなさい」
はいっ、とみんなが返事をする。
「来いって言っときながら奴らは来てないじゃないッスか」
壁山の言葉に、目金が、ん?と後ろのベンチを振り返って見た。
確かに彼が言うように、そこには誰も居なかった。
「この僕に恐れをなしたんでしょうよ」
壁山の方に向き直り、メガネのフレームを持ってキランと光らせた目金の後ろから、青白いく眩い光が放たれて、皆、目をつぶった。
光の眩さが落ち着くと共に、薄い氷が花びらのように舞う中、青いユニフォームを着た11人が現れた。
ダイヤモンドダストのキャプテン、ガゼルは、ふっと、口元を緩めれば、壁山と目金が身を寄せあって震えた。
『僕に恐れをなした、とか言ってなかった?』
「い、言ってませんよ、そんな事!」
ブンブンブンと青い顔をしながら目金は首を振った。
「エイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダストだ」
ガゼルは改めてチームを紹介した。
「マスターランク……」
「円堂。君達に凍てつく闇の冷たさを教えてあげるよ」
「冷たいとか暑いとかどうでもいい!街や学校を壊そうとする奴らなんて、俺は絶対許さない!」
ガゼルの厨二病を円堂が持ち前の熱血であしらう。
それからガゼルはダイヤモンドダストと共に 、さっさとポジションに着きに行った。
やはり、ガゼルの興味は円堂のようで、グランのようなあからさまな視線を送ってきたりはしない。
バーンのように、勧誘してきたりしない。
少しだけ、ホッとして、ベンチでドリンクとタオルの準備を進めるのだった。
履霜堅氷
何も起こらず、シナリオ通りに進めばいいのだけれど。