脅威の侵略者編
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点を取られたイプシロン改のキックオフで再開されされ、攻め上がってきた彼らのシュートを円堂がセーブする。
「ナイス円堂!」
ナイスだが、ナイスじゃない。このまま雷門が得点リードしていたら、彼はキーパーのままだし、彼も現れないじゃないか。
どうしたら……。
「水津!」
悩む私に、もう一度シュートだとパスが飛んでくる。
それをトラップして、受け取る。
「来い」
にやり、と楽しげにデザームが笑う。
「決めたれ梅雨ー!!」
リカちゃんの叫びを聞いて、ボールを蹴りあげた。
もう一度、先程と同じように、必殺技を打った。
『レインドロップ』
地に叩き落とされたボールが跳ね返ってゴールへ向かう。
「ワームホール!」
先程で学んだのか、デザームはシュートを打った直後出なく、ボールが落ちるのを待ってから必殺技を使った。
跳ね返ってゴールに向かっていたボールがワームホールに吸い込まれ、上から吐き出され止められる。
「もう一度だ」
落ちたボールを片手で拾ったデザームはボールを投げつけてきた。
ちら、と後ろを振り返れば、やれ、と言うように鬼道が頷いた。
致し方ないと3回目の必殺シュートを放つ。
「ふん」
今度もボールが一度落ちて跳ね返るまで待ったあとデザームはボールに手を伸ばし、必殺技を使わずに止めた。
やっぱり、初見じゃないと強くないなこのシュートは。パワーもスピードもあるわけじゃない。それをカバーするためのドロップシュートなのだから。
「こんなものか…」
どこか物悲しそうにデザームが呟く。
「もっと本気で打って来い!お前の渾身のシュートを俺に食らわせてみろ!」
そう言ってデザームが、またボールを渡してきた。
もう一度シュートを……。
けどこのままだともうすぐ
前半が終わってしまうのに、彼をキーパーのまま居させることにならないか?
1-0。まさかのリード。本来の話なら0-0で進んで………、というか今ですら勝ってしまっているのに、これ以上点を取る行為はダメでは。
私がしなきゃいけないのは、彼が戻ってくる場面を作る事なのに。
『うん、そうだよね』
よし決めた。
『やーめた』
くるり、と踵を返してボールをドリブルしてディフェンスラインまで下がる。
「梅雨ちゃん!?なにしてんの!?」
近くの土門が驚いている、いや雷門側もイプシロン改側もみんな驚いている。
「貴様何を……」
デザームの赤い目がじろりとこちらを見つめている。
『だって、デザーム、キミも本気じゃないじゃん?だいたいこっちがリードしてんのに、点も取りに来ず、こっちには本気でシュートを打ってこいだなんて、ちゃんちゃらおかしいわ』
「……なるほど。確かにそう言われればおかしいな」
「デザーム様!?」
素直に答えたデザームに、ゼルが驚いたような声をあげた。
「おいおい梅雨ちゃんそれってアイツらに攻めに来いって言ってるような…」
土門は聡いね~。そう言ってんだよ。
『私たちは宇宙人に勝てればいいのだから、このままこの1点さえ守ってしまえばいい』
御影専農が雷門との前半にやって見せたように。同じことをすればいい。
「それは……!」
「確かにッス…!」
「梅雨さん頭いい!」
壁山と木暮の1年生2人が褒めてくれる端で、何人かが複雑そうな顔をしている。
まあ、染岡や半田なんかが居たらそんなのは雷門のサッカーじゃねぇ!って怒られそうな話だけれど。
「水津!!」
やっぱり円堂も怒るよねぇ。
でも、実際に御影専農のあの作戦で我らがキーパーは最前線へ自ら飛び出した。
………デザームも同じ類でしょ?
『先に舐め腐ってきたのは向こうだし。なによりこれは試合放棄じゃなく立派な作戦だよ。勝つためのね』
ボールを片足で踏んで、デザームを見れば彼は、ハッハッハと高笑いを始めた。
「なるほど。分かった。そこまで言うのなら望み通りにしてやろう!」
そう、デザームが言った次の瞬間、彼はゴールから離れ、私目の前に居た。
『早っ、』
彼が私の足元に足を伸ばし下にあったボールを蹴り飛ばした。
ボールはラインの外へ飛び出して、ピィ、とホイッスルが鳴る。
「審判!私とフォワードのゼルとポジションジェンジだ!」
デザームが高らかにそう宣言し、雷門イレブンたちは、えっ、と驚きの声をあげた。
きっとそのままキーパーのままシュートに参加してくるのなら、ここのみんなは円堂で慣れているので驚かなかったんだろうけど、ちゃんとポジションを変える、と言うことに驚いている。
「フィールドプレイヤーとキーパーのポジションチェンジ!?」
そう、ベンチのキーパーと入れ替わりでもなく、フォワードをキーパーとして置くと言うのは中々ないだろう。
デザームとゼルはそれぞれ自分のユニフォームの胸の真ん中にあるコアの様なものに触れた。そうすると長い黒ユニフォームだったデザームは赤い半袖のユニフォームへ、ゼルは逆に赤から黒のユニフォームに変わった。
「試合が止まっている時、審判に交代を告げ、ユニフォームを交換すればルール上は問題ない。だが、実際に行うことは滅多にない……」
あの鬼道ですら、とても驚いている。
「デザームがフォワードに……」
「梅雨あんたこれいらんことしたんちゃうん……」
じろりとリカちゃんに見られる。
『ははは……』
いらんことはもっと前にしてしまったんだよ。
でも、これで……
改修完了
だと嬉しいけど。