脅威の侵略者編
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『円堂守が主人公の物語として、私の世界では君らを見ることが出来た。そして私はその物語の内容を知っている』
「円堂の物語……」
『うん。君ら帝国学園が豪炎寺が目的で雷門と試合しに来た事も、土門が帝国のスパイだって事も気づいたわけじゃなくて最初から知ってた』
「それは………」
鬼道が眉を顰める。
『君を雷門に勧誘したあの日、豪炎寺とあの場で会話するのも知ってたし、なんなら君と春奈ちゃんのご両親が飛行機事故でなくなったのも知ってる。無論、春奈ちゃんから聞いたわけじゃないよ』
「……っ、そんなことまで物語になっているのか」
『うん。雷門イレブンは主要メンバーだからね。そして、帝国戦で影山が鉄骨を落としてくるのも知ってたし、世宇子中が何をするのかも知ってた』
「…!だからあの日、守りのプレイングをしろと頑なだったのか」
『そう。結局その案は通らなかったから、ああいう形で神のアクアをどうにかしようとした』
「知っていたから影山の邪魔をしようとしていたと言うわけか。それならそうと言えば……」
『信じてた?今なら、それこそエイリア学園なんかがいるから他の世界の人間がいてもおかしくないと思うだろけど、あの時に異世界人です。影山の悪事を止めに来ましたって言って誰が信じた?』
「………確かに。それこそ俺が先程言ったように頭のおかしい女、で終わってただろうな。しかし総帥が固執してた理由はそれか…。物語として未来を知っているから、か」
はあ、とひとつ鬼道はため息を吐いた。
「お前は宇宙人が来ることも知っていて黙っていたんだな?」
『そうだよ。半田達が病院送りにされるのも知ってて黙ってた。幻滅したでしょ』
ああ、と真っ直ぐこちらを見つめて鬼道は頷いた。
「だが、不思議だ。世宇子戦の時は皆を助けようとしていた。真・帝国の時も知っていてアイツらを助けようとしてくれただろう?何故ジェミニストームが襲来したの日は何もしなかったんだ」
『……怖かったんだ。また怪我をしてサッカーできなくなるのが……。ずるいよね、みんなには戦わせておいて。でもね、私が知ってるのは私の関わらないみんなの世界で、私が関わった先どんな異変が起こるか分からなかったのもあるんだよ』
「知っているのは水津が関わってない世界か………。佐久間たちを助けた後に異常に落ち込んでいたのは、染岡が予想外に怪我をした、と言うことか?」
いやまあ、それは元々だけど……。
『……うん。本来負う源田の怪我は防げたけたけど、染岡の怪我だけじゃなくて、佐久間の容態も知ってたものより悪くなった。私が余計なことを言って行動にしたから………』
「お前の知らない未来になって、怖くなった………。吹雪の事を言わなかったのはそれでか」
『そう』
はあ……と鬼道はまたひとつ大きなため息を吐いた。
「思っていた以上に壮大で深刻だな。つまりお前はこれから起こることも全て知ってるが、予想外の未来に変わることを防ぐため喋れない、と」
『左様です』
マジで話が早くて助かる。話してよかったな。
「……監督は知ってるのか?」
『瞳子さんは響木さんからざっくり異世界人っての聞いてるだろうけど、たぶん私が未来を知ってることは知らないんじゃないかな。未だに私のことをエイリア学園の人間だと疑ってるみたいだし』
「まて、響木監督は知ってるのか」
『うん。異世界人ってことだけね。記憶喪失とかなんとかいうデタラメは全部響木さん案だし』
あー……と鬼道は呟いて頭を抱える。
『私と響木さんの中じゃ、みんなに話したところでどうにかなる問題じゃないし、むしろ荒れるから言わないでいいって判断だったんよ』
「……内容を聞けば確かにな。分かった。この事は他言しないでおく。話したところで皆が理解するのは難しいだろうしな」
『うん』
「しかし、これから先、皆が怪我をするとしても何も言わないつもりか?」
『……言ってもっと酷い怪我を負ったらどうするの?私はやだよ……。私のせいでこれ以上誰かが傷つくのは………』
そう答えれば鬼道は何故か、ふっ、と笑った。
『なに?』
「いや、お前が敵であることはなさそうだなと思ってな」
はあ…?それでなんで笑うんだ。
「あまり気にするな。本来なら皆自分の未来など分からないものだ」
『いいの?知れば簡単にエイリア学園を倒せるかもしれないよ?』
「ふん。いらんな。それは神のアクアに頼るのとなんら変わらないだろう」
鬼道の言葉に、ハッとさせられた。
『そうだね。私自分でずっと言ってたのにね、チートだって』
ああ、と鬼道は頷いた。
チーターを罰せよ
ゲーム改造はやっぱり悪なんだよね。
私もいずれ裁かれるのだろう。