脅威の侵略者編
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朝早くからみんなを叩き起して、フェリーに乗る。
まだこの島でサーフィンをするという綱海が見送りに来てくれて、またな、と別れを告げた。
数時間で沖縄に到着し、上陸するなり炎のストライカー探しを開始した。
私は1人でフラフラと島の中を歩く。
みんなが期待している豪炎寺がここで見つからないの分かってるし、探す意味もないから1人で沖縄観光だ。
『……、はあ……』
そのつもりだったんだけどなぁ。
目の前に居た人物を見て、思わず大きなため息を吐く。
「あ?なんだ人の顔見ていきなり」
ギロリと、金色の目がこちらを睨みつけた。
金の目に赤い髪で小脇にサッカーボールを抱え持つ少年、南雲晴矢。
蛇の目みたいだなぁ、なんて呑気に思っていると、彼はズカズカとこちらに歩み寄った。
そして、私の事を上から下まで見下ろして、ピンと来たという様な顔をした。
「あんたそのジャージ、雷門中だろ?」
どうやら彼は、私自身の事は知らないようだ。この分だといずれ表れるもう1人の白髪も知らないのだろう。ヒロトだけが、特別に知ってるのか。
目の前の彼が、私が、自分たちの事を知っているということを知っているなら、出会い頭の反応はこうにはならないだろう。
「なるほど俺の事、探してるってアンタらの事か。炎のストライカー、探してるんだろ?」
『あー………。……違います』
「おいこら!なんだその間!」
『……気のせいじゃないっすかねぇ…。じゃあ、私はこれで』
そう言って逃げようとすれば、待て待て待て、と腕を掴まれた。
えっ、キャー!痴漢!とか言っとくべきか?
「オイ、お前何やってんだ!!」
アホなこと考えていたら、後ろからそんな声が投げかけられた。
「あ?」
なんだ?と振り返れば、土門と吹雪という意外な組み合わせがそこに居て、慌てた様子でこちらにかけてきて、土門は私の腕を掴んでいる南雲の手を引き剥がし、吹雪は1枚壁になるように間に入った。
「ボクらのチームメイトに何してるのかな?」
そう言って冷ややかな目で吹雪が南雲を見つめた。
そう言えば前に、不動が現れた時も、吹雪と染岡が壁になってくれたっけ。
「何って、コイツが話も聞かず去ろうとするから引き止めてただけだっての」
「話?」
怪しいと睨む土門に対し、いいから聞けって、と落ち着いた様子で南雲は口を開いた。
「あんたら雷門中が探してる、炎のストライカーって多分オレ」
そう言って彼は自分自身を親指で指して見せた。
いや、雷門中が探してんのは豪炎寺修也なんだけどね。
「は?」
「アンタら宇宙人と戦ってんだろ?俺のシュート見てみろよ」
自信満々に、まるでチームに入れろと言うような雰囲気で南雲がそう言えば、えっと、と困ったように土門と吹雪が顔を見合せた。
まあ、2人は私がナンパでもされてると思って駆け寄って来てくれたのだから、急展開でついていけてないよな。
『キミ、名前は?』
とりあえず聞く前に名を言うっていうボロが出ちゃいそうだから先に聞いておく。
「南雲晴矢」
『南雲ね。分かった。1本打ってみてくれる?』
「言われなくとも」
そう言って彼は、小脇に抱えたサッカーボールを地に置いた。
足先で1、2回、ちょんちょんとボールを蹴り、その後高く真上にボールを蹴りあげると共に同じ高さまでジャンプした。
「アトミックフレア!」
そこからオーバーヘッドで足を振り下ろし、紅蓮の炎を纏ったボールが真っ直ぐ飛んで行った。
「ざっとこんなもんよ」
しゅたっと高い位置から降りてきた南雲が得意げに言う。
『確かに炎のストライカーだね』
「豪炎寺じゃなかったのは残念だけど、これは戦力になるんじゃないか?」
ひそひそ、と言ってきた土門に、うん、と頷く。
「とりあえずみんなまだ探してるだろうし、教えに行った方がいいんじゃない?」
吹雪の言葉にそれもそうだな、と頷いて、南雲のほうに向き直る。
「とりあえず皆に紹介するから付いて来てくれるか?」
「おう、いいぜ」
土門の言葉に南雲は二つ返事で返す。
じゃあ行こうと、土門が先陣切って歩き出せば、その横に吹雪が並ぶ。その後ろを南雲がついて行くので、また、その後ろを私が続く。
「つーか、あんたらの名前も教えてくれよ」
「ん?ああ、そうだな俺は土門飛鳥」
「ボクは……吹雪、士郎」
いい笑顔で土門が名を名乗り、吹雪も妙な間を空けつつも、にこっと、笑って見せた。
次、と言うように目線が私にあつまる。
『水津梅雨よ』
「ふぅん。たしかアンタ、ジェミニストーム戦しか試合出てなかったよな」
『…詳しいね』
「アンタらと宇宙人の戦いは結構テレビ中継されてんだぜ?」
…されてるってか、してんでしょ。
放送局ハイジャックしちゃって、宇宙人の実力を見せつけるために映像を、流している。
「で?なんで出なかったんだ?ジェミニストーム戦での動きはなかなかだったぜ?」
『それはどうも。まあ、色々怪我とかあったんだよ』
「はーん、怪我なぁ」
そう言って南雲は上から下までわたしを眺めるように見た。
「どうりでアイツが気にするわけだ」
ぼそり、と前の2人に聞こえないように南雲は言って大人しく2人の後について行った。
アイツ……?
意味深長
……それは、ヒロトを指しているんだよね?