脅威の侵略者編
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「みんな、迷惑かけてすまなかった。俺、もう迷わない」
秋ちゃんの作戦が上手くいき、諦めずマジン・ザ・ハンド完成させた立向居に触発されて円堂が立ち直った。
グラウンドに戻ってきて直ぐに、円堂は謝罪の言葉を告げた。
「雷門のキャプテンはお前しかいない」
そう言って鬼道が円堂の肩を叩き、みんながうんうんと頷く。
「すみませんでした、監督!もう一度よろしくお願いします!」
「これから先もチームに必要ないと思ったら、容赦なくメンバーから外すわ」
「分かりました」
瞳子さんは冷たく言い放つが、円堂の顔は晴れやかだった。
そんな彼に、立向居が駆け寄っていく。
「俺も一緒に戦わせてください!」
「え?」
「マジン・ザ・ハンドができるようになったら言おうと思ってたんです!」
「立向居…!」
立向居の肩を円堂はがっしりと掴んだ。
「いいですよね、監督!」
ええ、と瞳子さんが頷けば、ありがとうございますと立向居は深々と頭を下げた。
それから、選手のみんなの方を見てまた頭を下げた。
「みなさん、よろしくお願いします」
皆それぞれ、おう!と声を上げて立向居を歓迎した。
「一緒に頑張ろうぜ、立向居!」
「はい!頑張ります!」
「俺はもっと頑張るぜ!」
「だったらもっともっと頑張ります!」
「だったら!もっともっともっと、だ!!」
「はい!」
そんな可愛らしいやり取りをした後、練習だー!と意気込む。
「よかった」
「はい!」
「やっといつもの円堂くんね」
ほっとしたようにマネージャー3人も笑っている。
さて、円堂の問題はこれで解決、だけど……。
翌日、陽花中出発前に最後の練習をしていたら、瞳子さんが吹雪を連れて来た。
「やあ」
そう言って手を掲げた吹雪にみんなが駆け寄る。
「もう、大丈夫、なのか…?」
円堂が心配そうに聞けば吹雪は、ふ、と笑った。
「大丈夫さ。みんなには心配かけちゃったね」
『………』
「そっかぁ、じゃあこれからも頑張ろうな!」
……声が、違う。いや、実際は同じ身体から放たれる音だから違わないのだろうけど、喋り方やトーンが若干違う。私は知っているから気づいたけど……。
うん!と頷きニッコリと笑う吹雪に、私以外は誰も違和感を抱いて居ないようだった。
次に目を開いた彼の瞳が一瞬金に光った気がした。
『アツヤ……?』
ぽつり、とこぼれた言葉に気づいたのか、吹雪はこちらを見てニッコリと笑ってみせた。
……それはどっちなんだ。
笑った後目を開いた吹雪の瞳は髪と同じ銀色だった。
ぞっと、した背中に追い打ちをかけるように、突然瞳子さんの携帯が音を鳴らし、1人、びくりと肩を震わせた。
「はい、え?………分かりました」
電話の相手は響木さんだったようで、内容を聞いた瞳子さんは電話を切った。
「沖縄に炎のストライカーと呼ばれる人がいるそうよ」
「炎の……、まさか!」
ピンと来たというように円堂が大声を上げる。
「豪炎寺!!」
まあイナズマイレブンで炎のストライカーと言えば誰よと聞かれて大体は豪炎寺と答えるよね。
「いこう!」
「よぉーし!待ってろ、沖縄!豪炎寺!!」
円堂がそう言って、みんな早く行こうとキャラバンに乗り込むため片付けを始める。
「待ちなさい!それが豪炎寺くんという確証はないのよ?」
「絶対に豪炎寺です!あいつがいるなら例え地球の裏側にだって行きます!」
熱烈だな〜。
『まあ、豪炎寺だろうがなかろうが、行ってみる価値はあるんじゃないですか?現状的にメンバーが抜けた分、補充しないとキツいですし』
立向居が入ってくれたとは言え、GKだし。
「それはそうだけど……」
『まあ、欲を言えばストライカーだけじゃなくてディフェンダーも欲しいですよね……』
風丸は元々DFだし、キャラバンからはDF寄りMFとして立ち回っててもらったし、栗松もDFだったし。
吹雪の問題もあるしな。
「……わかりました。その辺りの調査も含めて私が一足先に沖縄に向かいます」
「えっ、一緒に行けばいいじゃないですか」
「キャラバンでの移動になるから沖縄に渡るのは必然的にフェリーになるわ。そうなると時間がかかるし、一重に沖縄と言ってもどこの島にいるか分からないでしょう。だから私が先に飛行機で行って調査します」
福岡から沖縄まで飛行機なら1時間40分くらいだが、福岡からキャラバンで鹿児島までの移動で大体4時間。そこからフェリーに乗って25時間……。鹿児島に着いてもフェリーの本数は決まってるだろし、急な大人数だから乗るまでかなりの時間がかかるだろうし……大方2日近くかかるだろうな。
「私が居ない間は引率は水津さん任せるわ」
古株さんには運転に集中してもらわなきゃだもんね。そうなると実質最年長の私が引率係に必然となると。
『はーい。というわけで、』
行くぞ、沖縄!
改めてみんなが、おおー!と声を揃えて返事した。