脅威の侵略者編
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「円堂くんをメンバーから外します」
みんなを集めて瞳子さんはそう言った。
「そんなっ……、監督!!」
「円堂くんを除くこのメンバーでエイリア学園との戦いに望みます」
「そ、そんなぁ………」
誰よりも円堂を慕っている壁山が、目に見えて気落ちする。
「鬼道くん。アナタに新キャプテンをお願いするわ」
よろしく、と突っぱねるようにいい瞳子さんは踵を返す。
…円堂なしってキーパーどうすんだよ。せめてそこのフォローして行けよ。
じろり、と瞳子さんを見つめるが彼女は微動だにせず立ち去ろうとする。
「お断りします」
鬼道が瞳子さんの背中に吐き捨てた。
「俺たちのキャプテンは円堂だけです。あいつは必ず立ち上がります。それが円堂守だからです!」
帝国イレブンとして何度も立ち上がる円堂と戦い、雷門イレブンとして何度も立ち上がる彼を見てきた鬼道だからこそ円堂を信じている。
そしてこれまで一緒に戦ってきたみんなもだ。
瞳子さんは振り返って全員の顔を見た。
「明日、ここを出発するわ。誰も着いて来ないなら新たなメンバーを探すだけよ。私はエイリア学園を倒さなくちゃ行けないの」
そう言ってもう一度踵を返し、今度はそのまま去っていった。
1からメンバー探すって…、効率悪いことしないでも、みんなを説得すればいいのにねぇ。まあどっちも必要ないけど。
秋ちゃんが何かを決したように、ボールを持って鬼道に声をかけている。
目には目をサッカー馬鹿にはサッカー馬鹿を。
その作戦で、秋ちゃんと鬼道が、今日も1人でタイヤ特訓をしていた立向居を連れてきた。
よろしくお願いします、と少し緊張気味に挨拶した立向居に早速と、ゴールの前に立ってもらう。
それを見て秋ちゃんは、任せるねとその場を去っていく。彼女が向かうのは陽花戸中の屋上だ。
「お願いします!」
「よし、水津」
『はーい』
久しぶりだ。ちょっと緊張するなぁ。
『行きまーす!』
それをつま先でぽんぽんと2回リフティングして大きく宙へとボールを蹴りあげ空に雨雲を産む。1歩2歩、と踏み切って自身も宙へと飛び上がればザァと雨が降り始めた。
その雨雲の中に突っ切って、そのまま空中で前転し踵でボールを叩き落とした。
『レインドロップ!!』
雨粒と共に勢いよく落ちるボールは、ゴールの手前側に向かって落ちていく。
「…マジン・ザ………ハンド!!」
立向居は手のひらを突き出しマジン・ザ・ハンドを出すが、ボールはゴールの手前に落ちた後、跳ねた勢いで立向居の横を通り過ぎゴールに入った。
「…やはりレインドロップだと練習に向かないか」
大真面目にそう言う鬼道に、おいおい、とツッコミを入れる。
そりゃあ、ドロップシュートじゃタイミングズレるしムズいわ。
『分かってたならやらすなよ!!』
「いや、お前もシュート練が必要だからな。一緒にやれれば効率がいいと思ったんだが……。仕方ない。俺と一之瀬、それとリカで立向居のマジン・ザ・ハンドの練習相手をやる。お前は向こうでディフェンスを抜けて、安定してシュートを打ち込めるように練習してこい」
『了解〜。というわけで、MF及びDFのみんなはこっちで練習付き合ってー』
おいでおいで、と手招きして、立向居達が練習してるゴールとは反対方向に向かった。
「梅雨ちゃんは、立向居がマジン・ザ・ハンド完成させられると思う?」
近寄ってきながら土門がそう投げかけてきた。
『うん』
「えぇー、無理ッスよ。キャプテンがあんなに苦労した必殺技なんッスよ?」
壁山が言うように、確かに円堂がマジン・ザ・ハンドを使えるようになるまで大変だっからなぁ……。
『そりゃ、一筋縄には行かないだろうけど、円堂の時は秘伝書の内容だけでほぼ0からのスタートだったけど、立向居は本物のマジン・ザ・ハンドを目の前で実際に見れてるし模倣することに長けてるしね。それに…』
「それに?」
『円堂と同じで諦めが悪そう!!』
「それは、確かに」
そう言ってみんな反対側のゴールで鬼道と一之瀬のツインブーストを受け止めようとしてぶっ飛ばされる立向居を見た。
倒れた彼は、もう一度!と言って立ち上がる。
『さあ。私らも練習やるよ』
パンパンと手を叩いて練習を促した。
練習を初めて数十分、ちょっと休憩いれようか、とフィールドの外で水分補給を行う。
向かいのゴールではまだ、マジン・ザ・ハンドの練習を続けている。
「「ツインブースト!!」」
「マジン・ザ・ハン……うわあああ」
上手く行かず吹っ飛ばされてた立向居の姿はすっかりボロボロになっていた。
「見てられないッス」
あちゃーと言うように壁山が目を手で覆う。
「…諦めないっ!」
そう言って立向居はまた起き上がった。
「もう一度だ!」
「絶対に、絶対に諦めない!!」
立向居はゴールの前にどっしりと立ち、ギュッと強く拳を握りグッと力を溜めた。
「「ツイン、ブースト!!」」
また鬼道と一之瀬のシュートがゴールに向かう。
「マジン・ザ………」
おっ、今までと違う。
立向居の体の周りに青い光がまとわりついているように見える。
「ハンドぉおおお!!!」
腕を突き出した彼の背中に青い魔人が現れ、がっしりとボールを掴んだ。
「これは間違いなくマジン・ザ・ハンド!」
キラン!と目金が眼鏡を光らせ興奮気味に叫ぶ。
『そうだね』
「名付けてマジン・ザ・ハンド改!!」
目金の命名久しぶりだなぁ。
「できた……。うわああ!!!やったぁ!できましたよ、円堂さん!!」
そう言って立向居はぴょんぴょんと屋上を向いて飛び跳ねた。
努力と根性と才
全部持ち合わせてんの、すげーんだ。