脅威の侵略者編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「吉良会長。貴方は水津の事をご存知なのか?彼女は記憶喪失で…それに神の子とはいったい…?」
鬼道がそう言えば、こちらにしか見えないのが分かってか吉良はその糸目を開き、小さく、やはり、と呟いた。
「そうでしたか。実は私は貴方の親御さんを存じていますよ」
吉良はニッコリと人のいい笑みを浮かべ直してみんなの方に振り返った。
それにしても、親って、……そうか、転校手続きの書類に書いてあったあの名前。あれ以来気にしてなかったな。
「神の子というのは……、彼女の親の名が神の代とかいて##RUBY#神代#こうじろ##と言いましてね。それ故愛称が、##RUBY#神#かみ##でして。それでつい神の子と」
あの書類の名前の人物が、吉良と知り合い……??うさんくせぇ。
てかアレを、かみしろ、とか、じんだい、とか、かみよ、とかじゃなく、こうじろって読むの??まじ??
「そっか。良かったな水津!両親の事覚えてないって言ってたけど、これで連絡取れるんじゃないか?」
ニカッと円堂が笑えば、吉良は、いえ、と首を振った。
「申し訳ないのですが、あの方の連絡先は知らないのですよ。いつも一方的現れ助言し消えていく掴みどころのない、まさに神のような方なのです」
おっと。
会わせてあげますよとか言って無理に連れていこうとするのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
でもこれでひとつ分かったな。ヒロトの言っていたあの人は、この神代って奴だ。こいつが、吉良に私の事を伝えている。
「ですが、神は定期的に私の前に現れます。貴女が望むなら家に1部屋用意させますよ」
『…この数ヶ月私に1回も会いにこない親が現れるまでそこで待機しろって?』
この身体の本当に親だとして何ヶ月も娘に会いにこないのはおかしいし、吉良と繋がってるのは怪しすぎる。
「……そうですか。確かに子である貴女からすれば不審でしかないでしょうね。分かりました」
そう言って吉良は、剣崎と後ろに控えた顔色の悪い男に声をかけた。
「はい、旦那様」
返事をした剣崎は、近づいてきて胸ポケットから名刺を取り出した。
「こちらは私の名刺でございます。旦那様はお忙しい身でございますので秘書である私が連絡を受け付けております」
そう言って剣崎に名刺を手渡された。
要らねぇ……。
「気が変わって私の元に来たくなったら何時でもそれに連絡してください。迎えを寄越しますから」
『はあ……』
そう言われて私が行くとでも思ってるんだろうか。吉良の元がどんなものか分かってるのに、行くわけないじゃん。
「旦那様、そろそろ」
そう言って剣崎が腕時計を見た。
「そうか。それでは私はこれで」
そう、吉良が口にすれば、陽花戸中の校長が慌ててお見送りします、こちらへと手を差し出し誘導した。
「何時でも、お待ちしてますよ」
通り過ぎ様、吉良は念を押すように言って去った。
「水津良かったのか?記憶を取り戻すチャンスだったかもしれないぜ?」
風丸の言葉に、あー、と声を漏らす。
そうね。普通記憶喪失の子なら思い出したくてついて行っちゃうのかな。
『…両親のことだけ綺麗にすっぽ抜けてるってことは、思い出したくない記憶なのかもしれないじゃん』
いや、知らんけど。私は私の両親の記憶ちゃんとあるから。
「あっ、そうか……。その考えはなかったな」
私の口から出たでまかせに妙に納得した用で、風丸は悪かったなと謝ってきた。
「いい思い出があるとは、限らないもんな」
『そう。ましてやさっきも言ったように、金だけ振り込んで全く会いにこない親だよ?』
絶対まともなやつじゃないって。
「水津さん」
まだ青い顔をしている瞳子さんに名を呼ばれた。
「ちょっといいかしら?確認したいことがあるわ」
呼び出した彼女に連れられグラウンドから離れる。
『…顔色悪いですよ。吉良さん』
「その呼び方は辞めて!」
少しヒステリック気味に叫ばれた。
『どうせ鬼道あたりは気づいてますよ。同じ苗字だったって』
「……だとしても、その呼び方は辞めてちょうだい」
『はーい。ちょっと意地悪でしたね』
ヒロトの事でイラッとしてたし、ちょっとした八つ当たりだ。
「……とにかく、本題にはいるわ。貴女、神代の娘って本当なの?」
『いや、わかんないです。私のことは響木監督から聞いたって言ってたじゃないですか』
「ええ。だけど、本当のことを話しているとは限らないわ」
『本当ですよ。瞳子さんと初めてあった時にも言ったでしょう?私は、別の世界から来たって。本当の私はアラサーで、14歳のこの身体が若返ってこの姿なのか、それともあの世界の私に似た姿の別の子の身体を借りているのかは私には分かりません』
髪の毛色も若干青み掛り、目もアメジスト色だから私の身体が若返ったとははっきり思えないんだよね。
『だから、この身体の親が本当に神代って奴なのかはわかりません。私の本当の両親は別の世界にいますからね』
「そう……。嘘、にしてはあまりにも下手すぎるわね」
こんな嘘つくのは頭悪すぎるでしょ。
『そうですよ。ところで、瞳子さんはその神代ってのに会ったことあるんですか?』
「…いいえ。私は直接会ったことはないわ」
『じゃあ、なんで、そんなに警戒したんですか?』
私が、吉良と繋がってるんじゃないかと疑っていたのはずっと前からだろうけど。吉良との繋がりよりも、神代との繋がりがある事に何か恐れを抱いてるような、そんな感じがする。
「それは……」
『わざわざ確認したって事は、神代って奴に何かあるんですね?』
「………、愛称だなんて誤魔化していたけれど、あの人は本当に神としてアレを崇めているわ」
あー…、確かに話の節々に片鱗は有ったな。
それにしても瞳子さんは、神代に相当嫌悪感があるみたいだな。
「そして、あの隕石が降ってきた時から、神のお告げの通り、とおかしな挙動を始めたのよ」
え?隕石が降ったのって5年前とかだったはずだよね。そんな前からソイツいるの…?
しかも、助言ってエイリア石の事を…??
なんだソイツ黒幕クセェ。
神代
確実にコイツが私がこの世界に来たのに関連してるだろう。