脅威の侵略者編
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イプシロンとの約束の十日目。
なにわランド地下修練場の天井から赤い光を放つ黒いサッカーボールが落ちてきた。
ボールから放たれる眩い光に目を瞑り、開けた次の瞬間に、エイリア学園のファーストランクチームが現れた。
「イプシロン!」
「時は来た。十日もやったのだ。どれだけ強くなったのか見せてもらおう」
ニヤリと笑うデザームに対して、円堂はキリリと眉を釣りあげた。
ギュイーンと機械音がして、修練場の床の1部が、両サイドにスライドするようにぱっくりと開かれる。
「下にグラウンドもあったんやな!?」
ここを使っていたリカちゃんも知らなかったようで驚きの声を上げている。
「やっぱりここはエイリア学園の……」
『夏未ちゃんの予想が当たってたね』
階段で下に降りれば、ちゃんとした人工芝のサッカーグラウンドになっている。
そして、よく見れば天井や壁にカメラもある。なるほどこれで全国に映像を流すわけか。
「本人の申し出を受けて、浦部リカさんをチームに加えることにしたわ」
「よろしく頼むぜ!」
「任しときぃ!」
ダーリンこと一之瀬の腕をがっちり掴んだまま頼もしい返事をする彼女に皆、苦笑している。
でも、今このチームにムードメーカーが増えるのは有難い。
「FWは浦部さん。吹雪くんはDFに入って。序盤は様子を見なさい。この一戦で全てが決まる…これを最後の戦いにするのよ。必ず勝ちなさい!」
瞳子さんの言葉にみんなは、大きな声で、はい!と返事をした。
「行くぞ!俺たちのサッカーを見せるんだ!!」
円堂の掛け声に、おおー!!と拳を上げた選手たちはフィールドに散っていく。
『最後、か…』
実際はまだまだこれからなんだよね…。
「梅雨ちゃん?」
右に座っている秋ちゃんが心配そうな顔して見上げてきた。
『ああ…。いや、誰も怪我することがないといいな、と』
「そうだね」
頷いて秋ちゃんはキュッと手を結んだ。
『でも、なんか久しぶりだな。こうやってみんなとベンチに並んで座るの』
「そう言えばそうですね!」
秋ちゃんを挟んだ奥から身体をこちらに曲げて春奈ちゃんが会話に混ざってきた。
「選手として頑張っていたものね」
そう言って、左隣に座っている夏未ちゃんも混じってきた。
『頑張れてた、かなぁ…』
「はい!活躍してたじゃないですか!今日は久しぶりにマネージャーとして応援、頑張りましょうね!!」
やるぞー!と意気込む春奈ちゃんを見て、秋ちゃんも夏未ちゃんも笑っている。
『うん。応援頑張ろうね』
そっちの方が断然あってる。元々ただの視聴者なんだから。
試合はイプシロン側のキックオフでスタートした。
ゼルからのボールを受け取ったマキュアが先陣を走りメテオシャワーを使い、リカ、鬼道、塔子の3人を倒し一気に抜ける。
しかし、その中先に風丸が立ちはだかる。
しっかりとマキュアのマークについて彼女の行動を制限している。
しつこい!と苛立ちを顕にしたマキュアに吹雪と木暮がボールカットに向かっていく。
「マキュア!」
ゼルが呼べばマキュアは直ぐに彼にショートパスを出した。
ボールを受け取ったゼルはそのまま必殺技を撃つ。
「ガニメデプロトン!」
手で持ってるやん!ってツッコミはなしだ。
……、でもどう見てもハンドです。
ゼルは、かめは〇波のように両手のひらからビームを発射し、ボールを打ち出した。
それに立ち向かう円堂は、体をひねり気を溜めている。
「マジン・ザ・ハンド!」
現れた魔人と共に円堂はボールをキャッチしてみせた。
今までだったら、シュートに反応出来ず、時間のかかるマジン・ザ・ハンドは発動出来ず終いだったが、今回はきっちりと気を溜める事ができたようだ。
「特訓の成果ね!」
やった!とベンチのみんなもフィールドのみんなも喜んでいる。
やはり、エイリア学園のスピードに慣れてきてシュートに反応出来るようになったのと、特訓で円堂がマジン・ザ・ハンドの気を溜めるのが早くなったからなのかもしれない。
「いけ!」
反撃だ!と円堂は大きくボールを振りかぶった。
「聞いたでアンタら、悪いやつなんて?ウチがお仕置したる!」
そう言って最前線のリカちゃんは、飛び上がってシュートのポーズを取って見せた。
「ローズスプラッシュ…!」
そう言った彼女はシュートを打たずに着地する。
「なーんてな!ダーリン!」
そう言って上手くフェイントをかけたリカちゃんがヘディングで、一之瀬へとボールを回した。
その一之瀬の左右には2人のマークが付いてるが……。
「鬼道!」
『おお、上手いな』
飛んでくるボールに合わせて、一之瀬は1回、後ろに立ち止まり、横に付いた2人の意識を後ろに向けさせた後、一気に駆けて飛んできたボールをトラップし、鬼道へとパスを繋げた。
鬼道の元にボールが飛んでも、カットされないようにリカちゃんがしっかりと相手選手をブロックしてる。
リカちゃんの方が押しかけて加入したが、息ぴったりじゃないか??
鬼道がボールを上に蹴り、そのボールを一之瀬が下に蹴り返した。
「「ツインブースト!」」
2人で放った必殺シュートはイプシロンのゴールへと飛んでいく。
飛んできたボールは、微動だにせずデザームが片手で止めてしまった。
デザームが足を動かしたのを見て先程彼が踏んでいた地面を見れば、まったく動いていないわけではなく若干動かされたのか、芝が数センチ後ろに擦れ地面が盛り上がっていた。
「最高だ……!」
にやり、とデザームが笑っているが、他のイプシロンのメンバーたちは何故奴らに強くなる猶予を!?とデザームの行動に困惑しているようだ。
「やれる…!奴らの動きが見える!」
「必ず、勝つ!」
止められはしたものの、全く勝機がなさそうでも無いと雷門イレブンたちは意気込んだ。
これはいける!
激しい攻防戦が続く。