脅威の侵略者編
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集合時間になって、なにわランドのゲート前に戻れば、目が腫れてると秋ちゃんに心配された。
土門が、フォローでお化け屋敷が怖かったのよって言うから、思わず足蹴りすれば、よっぽど怖かったのね、と秋ちゃんに笑われた。
お化け屋敷は行ってないから断じて違うが、泣いた理由を説明するもの無理だし、今回はそういうことにしておこうと思う。
集まった者から調べたところの報告をしていくが、全員、特に怪しいところは見つからなかったとの結果に。
「だから、遊びに来てるんじゃないって言ってるでしょ!」
怒った春奈ちゃんに首根っこを掴まれながら戻ってきた木暮が、ちぇっと悪態を付く。
『これで全員戻ってきた?』
いちにさんし、と人数を数えていく。その横で秋ちゃんが、あれ?と首を傾げた。
「一之瀬くんは?」
「そういえば……。まだだな」
きちんと時間を守りそうな一之瀬が戻ってきてない事に皆首を傾げ、辺りを見回す。
『確か、1人で探しに行ってたよね』
ね、と一緒に落ち込む一之瀬を見てた土門に聞けば、ああ、と頷いた。
「誰か見てねぇの?」
その問いに、みんなはううん、と首を振る。
「どこいっちまったんだ?」
「もしかして、エイリア学園のアジトを見つけて……!」
「でも一之瀬なら、1人で行くような考え無しの行動はしないだろう」
「じゃあ、どっかで迷ってんのかな?」
どうする?探しにいく?とみんなが相談し始める。そんな中、
「一之瀬くんなら、外、みたいだよ」
そう言ったのは吹雪で、その左右には園内に入った時に一緒だった女の子達とは別の女の子2人が居た。
「この子達が出ていくのを見たんだって」
こんにちはー!と元気よく挨拶をくれた女の子達を見て、みんな、あはは…と引き気味で吹雪を見つめるのだった。
「ここだな。あの子達が言ってたのは」
吹雪が捕まえた女の子達が教えてくれたのは、なにわランドから出てすぐ近くの商店街内にあるお好み焼き屋さんに入っていく、一之瀬の姿。
一之瀬も顔がいいし、それでイケメンがお好み焼き屋入ってたってのを彼女らは見て覚えてたらしい。吹雪といい、イケメン様々だな。
「よし、」
意を決して円堂がお好み焼き屋の引き戸を開ける。
「エイリア学園って、またけったいな名前やなぁ…って、いらっしゃい!」
独特の訛りで喋っていた水色の髪の女の子がテーブル席から振り返って、そう言った。
「円堂!」
女の子の向かい側には、探していた一之瀬が座っていた。
「何やってんだ、こんな所で」
「あっ!お好み焼き!ずるいっスよ先輩だけ!!」
目ざとく、一之瀬の目の前に置かれた空のお皿を見て、壁山がただを捏ねる。
「ちょっと、いろいろあってさ」
「こいつらか?さっき言ってた仲間ちゅうんは」
「うん。じゃあ、そういう訳だから、お好み焼きどうもありがとう」
そう言って一之瀬は立ち上がって、そそくさと立ち去ろうとする。
「ほんとすっごく美味しかったよ」
「そうはいかへんで!」
そう言って、女の子も立ち上がって手のひらを突き出しストップのポーズで一之瀬の行く手を塞いだ。
「アンタ、うちの特製ラブラブ焼き食ったやろ?あれ食べたら結婚せなアカン決まりやねんで」
「け、」
「「「結婚!?」」」
一之瀬本人だけでなく、外にいるみんなも声に出し驚いている。
「でもそんな話一言も…」
「あったりまえやん!そんなん言うたら食べへんかったやろ?ま、そういうことやから、エイリア学園かなんか知らんけど、そいつらはあんたらだけで倒してなー」
女の子の発言に、皆、あんぐりと口を開けて放心している。
「ダーリンはウチとここで幸せな家庭築くやってなん」
「ダーリン!?」
「お好み焼き食わへんのやったら出ていってな!商売の邪魔やから!」
そう言ってポイポイと一之瀬以外はみんな外に追い出され、女の子は、ほなさいならと、
引き戸を閉めた。
中からは女の子のキャピキャピ言う声と、一之瀬が、円堂ー!!と助けを呼ぶ悲鳴が聞こえた。
「一之瀬先輩このままお好み焼き屋さんになっちゃうんっスか?」
『意外と似合いそうだよね。愛嬌良しだし商売向いてそう。英語も話せるし、観光客相手で売上伸ばせそうだし…』
「いや、梅雨ちゃん何冷静に分析してんの」
でも、みんな一瞬想像したでしょお好み焼き屋の一之瀬。似合うけどなぁ。
「そもそも、何が結婚だよ!」
もう一度、と円堂が扉に手を伸す。
「ちょお、どいてんか」
円堂が横から来た女の子に片手で押された。
「何するんだ!」
よろけた円堂を見て風丸が怒れば、何って?と、扉の前の女の子とは別の少女の声が後ろからして振り返る。
「リカ呼びに来たに決まっとるやろ」
そう言った少女の周りには10人近い女の子達がお揃いのピンクのユニフォームを着て立っていた。
「Cute!」
「Chic!」
「Cool!」
「ウチら浪花のサッカー娘!」
「キュートで、シックで、クールな大阪ギャルズ!##RUBY#CCC#トリプルシー##!!」
そう言って自ら自己紹介してくれた女の子達は、勢いよくお好み焼き屋さんの扉を開いた。
「なにやっとんのやリカ!練習時間とっくに過ぎてんで!!」
怒った様子だった子が、ん?と動きを止めた。
「り、リカ…!」
「香津世…!」
一之瀬をホールドした水色髪の女の子リカを見た香津世と呼ばれた少女は、テーブルの上のハート柄のお皿を見てハッと息を飲んだ。
「みんな!リカが結婚相手見つけたで!!」
結婚相手!?どれどれ!?と女の子達が一斉に群がった。
『いやてか、中学生で婚活て…』
オカシイやろ
アラサーの私でもまだ結婚してないのに、生き急ぎすぎだし。なんで誰も突っ込まんのや!!