脅威の侵略者編
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京都から約5時間ほどの移動で愛媛に到着した。
瞳子さんに届いた響木さんからのメールには、詳しい場所までは記されて居なかったので、とりあえずお昼休憩も兼ねてコンビニに止まった。
どうやらこの辺は工場地帯で大きな建物と煙突が目立つ。
工場地帯だから海沿いだし、もうすぐだろうな。
はあ、と1つため息を吐いて、バインダーにトレーニングメニューを記入していた手を止める。
「なんだ?行き詰まってんのか?」
「水津さん、お昼買ってきたよ」
そう言って、コンビニのビニールを持った染岡と吹雪が共に戻ってきた。
『えっ』
これ書いたら行こうと思ってたから、頼んだりしてないのに...!モテる男ってこういうところが所以なんだろうな。
『ありがとう』
とりあえず染岡がいつも窓側に座るから1度立ち上がって席を譲って、それからもう一度座り直せば、その横に吹雪が座る。
「はい。おにぎりとサンドイッチと買ってきたんだけど、どっちがいい?いらない方は僕が食べるから」
『えーと、じゃあおにぎりがいいな』
「ほらな」
染岡のその言葉に、思わず首を傾げる。
「ああ、えっとね。染岡くんが水津さんの分のご飯も買っていこうって言って、おにぎりを選んだんだけど、僕がサンドイッチの方が女の子は好きなんじゃない?って言ったから、絶対おにぎりだって聞かなくって。でもおにぎりが正解だなんて、染岡くんはよく水津さんの事知ってるんだね」
「吹雪ッ!!」
ニコニコと笑って言いながら私におにぎりを手渡しする吹雪に対して、染岡は顔を少し赤く染め大きな声で怒鳴る。
『へー』
「ち、違うからな!!別に、お前がおにぎりの方が好きそうとかそんなの思った訳じゃなくて、」
はいはい、いつものツンデレね。
てか、ご飯買ってきてくれたの染岡発案なの意外。
『まあ、おにぎりもサンドイッチも好きだけど、カロリー考えるとおにぎりの方が低いし腹持ちいいからね』
「なるほどね」
そう頷いて、吹雪はサンドイッチに巻かれたフィルムをペリペリと外しだした。
お手本のようなツンデレを見せてくれていた染岡も少し、ムスッとした表情でおにぎりのフィルムを引っ張っている。
私も頂こうと、バインダーを膝に乗せて、おにぎりを開封した。
「ところで、」
もぐもぐとそれぞれが食べ進めていると、吹雪が口を開いた。
「帝国学園ってどんなチームだったの?」
『うーんと、今年雷門に負けるまでは、40年間無敗だったんだよね。まあそれはさっきも言ったように影山が悪いこと色々してたんだけど...。でもまあ、それを抜きにしても、選手一人一人の実力が高い上に、指揮系統がしっかり出来てるし強いよね』
影山さんやり方はアレだけど、選手育成能力だけは高いと思うんだよねぇ。
「へぇ。そんなに強かったの?」
「ああ、強かった」
吹雪の疑問に染岡は素直に頷いた。
「最初は俺たち手も足もでなかったしな」
『そうだね』
「お前は、アイツらからボール奪ってただろ」
『まあ、すぐ鬼道にしてやられたけどね』
数ヶ月前の事なのにもう既に凄く懐かしい。
「そうだったな。それでも、フットボールフロンティアの地区大会では特訓に特訓を繰り返してあいつらに勝ったんだ」
そう言って染岡はグッと拳を握ってみせる。
「だから帝国だろうが、真帝国だろうが絶対負けない!」
『そうだね。それに今は最強FWコンビがいるしね』
そう言えば、2人は首を傾げた。
「トリオだろ」
「トリオじゃないの?」
そう言ってくれた2人に思わず胸がグッと熱くなる。
ジェミニ戦じゃ何の成果も出せてない無いし、イプシロン戦じゃフィールドに立つことすらしていないのに、そう言ってくれるのか。
『嬉しいけど、私はFW暫定じゃないしなぁ。とりあえず最強FWコンビの名前は2人に譲るわ』
「そ、そうかよ」
まあ最強と言われて嬉しいのか、染岡は照れたようにそう言っておにぎりにかぶりつく。
「ふふ。そっか、ありがとう」
対して吹雪はにこやかに笑い礼を言った。
『頑張ってね?最強コンビ』
なんせ次は2人の友情がキーになるからね。
「任せろ。ってかお前も頑張んだよ」
『あはは、そうだね。うん、やれることはやってみるよ』
なんせヒロトに散々ボロカスに言われたしね。言われっぱなしは癪だし。
さて、刻々と時が迫ってきた。
昼時分
休憩が終わったらもうすぐだ。