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#hpmiプラスまとめ(201811)

ツンデレ気味な両片想いの子の元へお見舞いに。

2018/11/09 17:15

1️⃣「よーっす!足折れたんだって?」コンビニで買ったデザートを片手に来訪。何しに来たわけ?という第一声を発しながら受け取り、もっと良い物持って来てよと悪態。仕返しに「じゃあ要らねーの?」なんて、袋を高く上げて意地悪。ばつが悪そうに要ると言われ、ふたり仲良く甘味を食べてほっこり。「足、平気なの?」平気なわけがないのに、好きな子の前ではどうにも会話がぎこちない。下手な会話のキャッチボールはのろのろと続く。「……俺が来るの、そんなに迷惑?」ふと、ずっと気にしていたことを聞いてみた。迷惑ではないことを告げられ、レアなデレに大歓喜。「まぁじ?!やった!んじゃ明日も来るわ!」

2️⃣「お、おす……あ?来ちゃ悪りぃかよ?!」また来たわけ?と言われ咄嗟に悪態を返した。どさっと椅子に腰掛け差し入れを手渡す。「で?大丈夫なわけ?」毎日来ているのだから状態はよく知っているけれど、まあ…なんて歯切れの悪い返事には些かの不安を覚えた。「…で。退院いつだよ」素直になれない彼女は勿論答えない。教えろと戯れるのも吝かではないが、彼女の思うツボであると考えやめた。「あっそ。俺には教えたくないんですねー」と立ち上がる。心の中では“さあ来いツンデレ”。そして予想通り、服の裾を掴まれ日時が伝えられた。予想外なのはその破壊力。熱くなった顔を悟られぬよう、帽子を目深に被った。「……学校休んで来るわ」元々そんなに行ってないけど。

3️⃣「……これ、よかったら食べてください。あ、でも動けないから太っちゃいますね?」足を怪我して短期入院、とはいえ動けないことに変わりはない。彼が揶揄いながら渡し、彼女が喧嘩腰で受け取るのはいつものことだ。椅子に腰を下ろしたが、帰れば?などと来たばかりの来客に対しいつも以上に当たりが厳しい。「なんです?やけに機嫌が悪いですね」袋から取り出したプリンを渡したらすぐに機嫌を直すのは知っているけれど、面白いからと少し様子を見守る。すると小さな声で、何故すぐに見舞いに来てくれなかったのかと問われた。理解するのに数秒かかり、真っ赤になった顔で答えを告げるには更に数秒。「……べ、べつに…………いつ来ようと僕の勝手でしょう」平静を装うのにも更に数秒。


🐴「よう。元気かよ」元気なわけがない彼女は、お陰様でと手をひらひら。帰れよと言わんばかりの流し目で彼を見つめる。「せっかく来てやった左馬刻様に…なんっつー態度だ」久しぶりに会ったというのに釣れない彼女。いつもの事とはいえ、はっきり言って少し傷付く。期待していた自分にも嫌気が差した。「そんなにも来て欲しくなかったなら帰るわ。じゃーな」座りかけた腰を再び上げれば、別に帰ってほしいわけではないことが告げられ、緩む頬を堪えながら腰を下ろした。「……しょうがねぇな」と満更でもないといった言葉を返し、他愛ない会話を繰り広げた。あっという間に面会時間も終わり。また来て欲しいと言えたらどんなに楽だろう。「……じゃな。また来るから」素直に“うん”と言えたなら、この関係は進展するのだろうか。

🐰「……で。お前を殺った車は?」死んでないし!と返せば「元気そうじゃねーか」と笑顔が向けられた。なんだかんだで優しい顔を見せてくれる彼が堪らなく愛おしいが、そんなことを知られてはきっと揶揄われるに違いない。それに、この関係も終わってしまうかもしれない。だから“その顔キモい”とか“早く帰れば?”とか。只管憎まれ口を叩く。今日も同じく悪態をつけば「あ?!お前が帰って欲しくても俺は帰りたくねぇんだ。黙って寝てろ」と一蹴。その後は2人とも、ただ静かに、穏やかに過ごした。意味もなく毎日訪ねて来るなど、流石に期待してしまう。見舞いの品も毎日。空になった椅子に向かい“期待させないでよ”と呟いた。彼の想いはいつになれば伝わるのだろう。

🐦「見舞いが遅くなって申し訳ない」頼んでもいない見舞いに一応礼を述べたが、好きな相手と一対一など、いつも以上にツンケンしてしまう。会話もぎこちなく、きっと彼は楽しくないだろう。気が気ではないので帰るように促せば「小官は構わない」などとイマイチ噛み合わない。仕方なく、好きにしたらと返せば「いつもの調子が戻ってきたな」などと笑顔が向けられる。それがまた心苦しい。もう少し素直に会話が出来たら、もう少し可愛い態度を取れたら。そんな無い物ねだりを繰り返す釣れない態度そのものが好かれているなど、彼女は知る由も無い。「退院はいつになる?とびきりの食材を以ってもてなそう」彼の言う“食材”に良い予感はしないため、こればかりは心の底からお断りさせていただいた。


🍭「ちょっとー。動きたくないからってカーテン閉めっぱなしはよくないよ」高熱で寝込んだと聞き家に押しかけて来た彼。こんなみっともない姿を見られたくはなかったから断ったはずなのに。「ご飯食べた?薬飲んだ?医者行った?」テキパキと部屋を片しながら声を掛けてくれる彼。でもやっぱり素直に言えない“ありがとう”。彼が見ていない今のうちにまともな服に着替えたい、と思い服を引っ張り出せば「ちょっと待って!いくら相手が僕だからって…生着替えはめっ!」と大急ぎで見えない所へ。少し頬が赤かったのは気のせいだろうか。まさか、早くも風邪がうつったのだろうか。それとも…なんて期待してしまうのはきっと、熱でふやけた脳の思い違いだ。

📚ガラッと勢いよくドアを開け、息を切らせながら病室へ。「……入院…したって……聞いたので…」それで血相を変えて飛び込んできたというわけです。「……え?ただの貧血…?良かった…………あっいや…ひ、人騒がせな」急いで顔を整えた彼を見て思わず、馬鹿じゃないのと言ってしまった。残念ながら、にやけそうになっている表情はばっちり見られていたようだけれど。それでも尚、彼は平静を装い「……送りますよ?」と優しい声を掛けてくれた。当然、別に大丈夫などと返してしまう彼女。「送らせなさい」という強めの口調には、流石に心臓が飛び跳ねた。「……道端で倒れでもしたらどうするんです?」意外にも心配性な彼にときめいていたと伝わってしまうのは、もう少しだけ先の話。

🎲「うぃーっす!見舞いの品貰いに来たわ…って嘘嘘嘘!ちょい!これ見ろってほら!大当たりしたんだって!」嫌そうな表情を見て慌てて大袋を掲げる。袋の陰から覗く太陽宛らの笑顔が凄く眩しい。綻ぶ口元と嬉しい気持ちとを隠すように要らないと答えれば、先程までの笑顔は忽ちしょんぼり。やっぱ欲しいかもなどと、あからさまな天邪鬼を演じる羽目に。自慢気に袋の中身を見せてくれる彼が愛おしく、説明など碌に頭に入っては来ない。そも、お馴染みのお菓子ばかりでわざわざ説明されるまでもないのだけれど。「病院て菓子ダメなの?一緒に食おーぜ!」たぶん、こうやって少しずつ絆されて、毒されていくのだ。まあ、好きな人に感化されるのは悪くないけれど。


💉「まったく……君はどれだけ心配をかければ気が済むんだ」医者である自分が不摂生を見抜けなかった事への後悔。そして強がっていたことへの怒り。後者しか伝わってはいないが、一先ず謝っておいた。「何がごめんなさいなのか、ちゃんとわかってる?」優しくも強くもあるその言葉。胸の奥が少し痛んだ。「もう一つ。どうしてこんなにも君のことを心配するのか…わかるかい?」“私のことが好きだから?”そんな傲慢で自意識過剰で恥ずかしい台詞が言えるはずもなく、わかるわけないと自嘲気味に言った。顔をズイと近付け「天邪鬼も大概にした方がいい」と言われた。この人にはきっと敵わない。気がする。

🥂「やぁ、○○ちゃん。今なら大人しく話が聞いてもらえるみたいだから……来ちゃった☆」スーツを纏った彼の言葉に興味はない。何故ならば、彼は誰だって構わないのだから。そんな人物に好かれようと迷惑…ではないにしても、虚しいけだ。けれど彼はスーツの力を借りねば好きな子ともマトモに会話も交わせない。それぞれのジレンマは交わる事なく過ぎていく。「ここ、失礼するね」有無を言わさず椅子に腰を下ろし、楽しそうに見つめてくる整った顔。淀む空気が厭で、何しに来たのかと問うた。「服の力を借りないと何も言えない僕を笑っても嫌っても構わない。けれど、普段の僕は僕以上に弱いから……もう少しだけ優しくしてくれると嬉しいな」妙に引っかかる痛々しい笑顔が胸を突いた。わざわざそれを伝えに来たのか。単純な見舞いだったのから解らずじまいだ。

👔「……本当に大丈夫なんだろうな?」慣れない手つきで剥いてくれたりんご。何を思ったかウサギにしてくれたそれは酷く不格好だ。下手くそと呟けば「仕方ないだろ」と返ってきた。小姑のように皮の厚みを糾弾してやろうかとも思ったが踏み留まった。折角見舞いに来てくれて、あろう事かりんごまで剥いてくれた想い人にそれは…流石に当たりが厳しいにも程がある。黙って食べていれば「…美味い?」などと上目遣いで聞いてくるものだから、別にだなんて某女優のような態度を取ってしまった。「……そっか」と肩を竦める仕種は抱き締めたくなるほど愛らしい。仕事に戻る時間が近付いてきた彼の「不謹慎だけどさ……なんかちょっと…ふ、普通の会話できて………嬉しい」という言葉には激しく同意した。

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