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#hpmiプラスまとめ(201812)

彼女からの逆プロポーズ

2018/12/07 18:43
1️⃣「それ俺の台詞じゃん…」ぎゅっと手を掴み、俯き押し黙る。口を開きかけた彼女にキスをして呟いた「……言わせちゃってごめんな」。男らしさとはなんだったのだろうと己を責めたがその前に返事をしなくては。「……俺でいいの?」彼女の真っ直ぐな瞳は揺るがない。「絶対…幸せにする」そうして交わった唇はいつもよりも熱く甘く、それでいて優しいものだった。

2️⃣「俺まだ17だから…もうちょい待って」同級生のカップル達は○○夫婦と名乗ったり結婚の約束をしたり、浅はかな思考で日々盛り上がっていた。しかし自身の彼女は年上。そのような浮かれ方、子供のようで見せられる筈もない。そう思っていた矢先にプロポーズをされては立場もなく、控えめに受け入れる他なかった。「いやマジもうちょいだから…ま、待っとけよな!」

3️⃣「…大人になるまで待っていて下さい」結婚の約束などして何になるのだろう。自分達はまだ学生。そりゃあ一緒に居続けたいけれど、口約束など何の役にも立たない。馬鹿げている。「僕が18になるまでだから…結構待たせちゃいますけど、そんなに好きだと言うのなら待てますよね」傷付けないよう予防線を張り“彼女とならば添い遂げたい”という気持ちに蓋をした。


🐴「それ以上言うな」襟元を掴みキスをした。“言わせてしまった”という想いが消えない。決意の固い瞳と視線がぶつかり、本気なのだと思い知る。「……意味わかってんのか」ヤクザ者と一緒になるという意味が。“恋人”ではなく“夫婦”となる意味が。彼女は頷き小さな声で、知ってる、と答えた。解っているのならば仕方ない。そして何があろうと己が手で守るだけだ。「…覚悟しとけよ」

🐰「お前に言わせちまうなんて…俺は情け無い男だな」優しい口調を奏でたその唇はふわりと重ねられた。本当に情けないなどと思っているのならば、まずはその緩みきった頬をどうにかしてはどうだろうか。「……あ?あぁ…そうだよな、俺から聞きてぇよな」嬉しそうに頭を撫で回す彼。手を止め、柔らかな笑顔を浮かべて言う「結婚…するか」。恥ずかしそうに微笑み合い、再びキスをした。

🐦「奇遇だな、小官も同じ気持ちだ」厚い胸板に強く押し込められ彼の表情は見えない。だが、五月蝿いほどの心音は彼女の耳によく響いた。「柄にもなく緊張している…」そう言って懐から取り出されたのは小さな箱。彼は膝を折り箱を開けた。小さく息を飲む彼女。そっと手を取り彼は続ける「小官の気持ちも受け取ってもらえるだろうか」。涙を溢れさせた彼女を見遣り、彼は安堵し微笑んだ。


🍭「あー……うん…先言われちゃって面食らってる」滅多に見ない無表情。小さく息を吐きソファに腰を下ろす。「……僕と一緒になりたいの?いーよ」同じく隣に腰を下ろす。指を絡め、舌を絡め、二人の距離はグッと縮まった。「あーあ。とっておきのプロポーズ、考えてたのになー」それは後で聞かせてもらうとして、この日はとびきり甘い一夜を過ごした。

📚「え?小生と…?いえ……凄く嬉しい…です」抑えきれない笑みをだらしなく表に出し、此れは自身からすべきであったという思いなどは忽ち消え失せた。「……嘘じゃないですよね?」夢のようで、つい確認してしまう。貴方じゃあるまいしと彼女。それもそうだと彼は笑みを溢す。「小生としたことが…こんなにも一人の女性に惚れ込んでしまうとは」もうきっと、独りでは生きていけない。

🎲「おま……正気かよ…俺だぞ?」そう思っているくせにギャンブルを止める気持ちは微塵もない。そも、自身の生き方を裏切るなどあってなるものか。だが彼女とは共に生きていきたい。これらのジレンマは気持ちに歯止めをかけるには充分だった。「ホントに俺でいいの?お前……絶対後悔すんぞ」などと珍しく弱気な発言を繰り返す彼。それでも貴方がいいのだと告げられ「しょうがねえな」と頬を染めながら唇を奪った。


💉「待って」唇に当てられた人差し指。彼はそのまま続ける「それは、私が言う事だよね」と。真っ直ぐな瞳に射抜かれ言葉を待つ。早鐘を打ち続ける心臓はその音が聞こえてしまうのではないかという音量だ。「……私と、結婚しよう」肩を掴まれ告げられた言葉。後から聞いたことだが、台詞などは何も考えておらず、彼らしい遠回しな言葉ではなかったのだそうだ。長々と語られるよりも男らしくて寧ろ好き…そう伝えれば男らしい熱い口付けに見舞われた。

🍸「わー待って待って待って!ヤダヤダヤダ俺っちが言うの!」折角の雰囲気をぶち壊してまで自分から言いたがる彼。さっさと言ってくれたならば、こうはならなかったはずだ。「あー……あの…」息を吸い込み、蜜色の瞳は彼女を見つめる。「俺っちと結婚!……して…もらえませんか?」スーツ無しの弱気で、それでいてストレートな言葉にあっさりとやられた。

👔「俺は本当に駄目な男だな…俺が言うべきだったのに……俺が…」彼女とて精一杯の勇気を振り絞ったのだ、自己嫌悪に陥っていないで答えを聞かせてほしい。促せど彼は未だ「俺が…」と繰り返している。“俺が言うべきだった”ということは同じ気持ちである筈なのに、彼女はそれに気付かない。落ち着きを取り戻した彼は「あの…こんな俺で良かったら……もらって下さい」などと通常運転。少し不服な反応でもあるが、これでこそ彼だ。

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