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#hpmiプラスまとめ(201811)

プレゼント選びを手伝ってもらっていただけなのに!

2018/11/07 17:11

1️⃣開口一番「一緒にいた男誰?」。随分親しげに、有ろう事かアクセサリーを選んでいた男のことを問うている。え?と返した彼女は心当たりがある様子だ。「浮気?」短く、強く問い詰めた。返答次第では破局待った無し。その割に彼女はウキウキとした様子で、無性に胃の奥がモヤモヤする。「おい」はっきり言えよ、と言いかけたその時、差し出された小さな包み。プレゼント、と短く告げられた。「俺……に?」ぽかんとした間抜けな表情で受け取り、勘違いであったことにじわじわと込み上がる羞恥と歓喜。「あ、あ……あー!もう!ありがとう!!うわー!俺のバカ!!ありがとう!」

2️⃣「なぁ、ちょっといい…」言い出しにくいが聞かずにもいられない。「この前、さ…買い物……誰と行った?」的を射ない質問に彼女は怪訝な表情。仕方なく「見たんだよ…お前と……男が歩いてんの」と答えた。合点のいった表情がまた胸を締め付ける。もしかして浮気?言えないくせに顔にははっきりと出ている。気になる?と意味ありげに切り出した彼女。じゃーん!という掛け声と共に渡された紙袋は、あの日の店の物ではないか。何せ、自分の好きなブランドの袋だ。「え……?」脱力した声を返せば、記念日だと嬉々として彼女は言う。言われてみれば、そろそろだったかもしれない。「あ……うわ…めっちゃ嬉しい……あと…なんかゴメン」

3️⃣「単刀直入に言います。先日、一緒に買い物をしていた男性は誰ですか?」え?と小さな返事。あ、これは黒だと脳裏をよぎる。笑顔を崩さず返事を待つが、一向に彼女は黙ったままだ。「言えない、ですか?」口角こそ上がってはいるが、声は冷たく目は笑っていないだろう。彼女は言いかけては止め、を繰り返した。しかし覚悟を決めたのか彼の目を見つめる。怒らないで聞くようにとの前置きののち、あれは友人だと言った。そして買ったのはこれだと袋を彼に。チラと中身を見つつ言う「あ……いえ、別に買ったものまで見せろとは…」。これは確か、この前自分が欲しがっていた…つまり、もしや。「あの……もしかしてこれ、僕に…?」


🐴帰宅するまで、次に会うまで、そんなもの待てるはずがない。2人の間に割り込むようにして声を掛けた。「よう、随分楽しそうじゃねぇか」憎しみに憎しみを重ねたかのような低い声で告げれば、見知らぬ男は“彼氏?”と一言。よくも人の女を奪っておいて堂々と…そう思った時には「俺たち終わりだな」と彼女に吐き捨てていた。彼女は唖然とするでもなく平然と、彼は友人だと紹介した。そして押し付けられる紙袋。「…あ?」足早に去っていく彼女の背中。男から説明を受け大慌てで後を追う。「っおい!待てよ!」手首を掴み引き留めた。不機嫌そのものの表情の彼女。「あ……俺の…勘違いだった……悪りぃ」赤面する彼を見て、可愛い人だと思わず許してしまった。好きな人にはやはり甘い。

🐰サボり、否、パトロール中。街で彼女を見掛けた。見知らぬ男と仲睦まじく買い物に勤しんでいる。帰ったら糾弾せねばとハンドルに力を込めた。「おい。昼間の男、誰だ」ネクタイを緩めながら何よりも先に問う。友達だと返す彼女。腑に落ちない彼は続ける「新しい男か?」。自ら述べたくせに、自らを締め付けるその言葉。答えろよ、早く答えろよ、と手袋をしたままの拳はキリキリと音を立てる。彼女は気怠げに袋を手渡してきた。いつも頑張ってる貴方に、とのこと。「……は?」“つまり俺の思い違い”認めたくないが手の中にあるこれは正に事実だ。「あ……いや…すまない」歯切れの悪い謝罪でも、彼女は受け入れてくれるだろうか。

🐦唐突に切り出された「今日、どこで何をしていた?」という言葉に彼女はたじろぐ。まさか、バレたのかと。バレてしまっては折角のサプライズも台無しだ。ならばもういっそネタばらしをしようと口を開きかけたが、それは彼の言葉に遮られた。「浮気…というものか」真っ直ぐな瞳は揺らがずに彼女を見据える。待ってという言葉もまた遮られ、弁明する間もなく彼は立ち上がった。「おしまい、だな」大急ぎで腕を掴むが力の強い彼だ。彼女は引き摺られるような形でズルズルと玄関へ。両腕で抱き締め、漸く引き留める。待ってと言えば「何か用か」と冷たい声。それに対し、ばつが悪そうに返ってきた、プレゼントを買っていたという事実。忽ち、彼の脳はフル回転で埋め合わせを思案し始めた。


🍭「ねぇ。僕に隠してることあるよね?」椅子に腰掛け足をぷらぷら。別段変わった様子はないが、心なしか声色は冷たい。不思議そうな表情の彼女に「ないの?」と追い討ちをかける。強いて言うなら太ったかな、などと戯けてみせる彼女。「そうじゃなくて」椅子から降り、詰め寄る。真っ直ぐな瞳と瞳がぶつかり、互いに冗談ではないことを察した。長い溜息ののち彼は続ける「この前一緒にいた男、あれ誰?…べ、別に浮気だと思ってるとかじゃない、から」。あー、あれかといった様子の彼女は友だちだと答えた。実は彼へのプレゼントを買っていたということも同時に。「……って!それ!僕に言っちゃったらサプライズ台無しじゃない?!もぉ〜!」頬を膨らませ怒った様子を演じたのち“アリガト”と呟く素直になれない彼は、今日も世界一可愛らしい。

📚「小生は悲しいです…貴女がそんな……尻軽女だったなんて…」しおらしい態度にそぐわぬ“尻軽女”という言葉に、また何やら寸劇でも始まるのかと軽く構えていた。けれど彼は一転「で。あの殿方はどちら様で?」と流し目で続けた。なんだあのことかといった様子の彼女。一人、そわそわする彼。まさか、本当に浮気なのでは。つまらない男だと捨てられるのでは。マイナス思考が堰を切る。「……お別れ、ですか?」その言葉に対し彼女はくつくつと笑いを零す。そして手渡された小さな包み。いつも頑張っている夢野先生にと告げられた。あの男は友人でこれを選ぶのを手伝った、というわけか。「……今度からは本人を連れて行きましょう?ね?」彼女の腕に纏わりつき、その日は1日を無駄にした。

🎲「おい!昼間の男、あれ誰だよ」ドアが開くと同時に飛び込んできた罵声。これ程までに感情を剥き出しにする彼は珍しい。昼間、というと彼への贈り物を選んでいた時か。友達と答えたが煮え切らない表情が覗き込んでくる。仕方がないのでプレゼントを差し出した。質に入れたら別れるから、と添えて。「は……?もしかして俺に…?あの男と一緒に選んだの?」あ、もしかしてそれすらも地雷なのかな?と思ったが、瞬時に顔を綻ばせた彼。「あ〜?貰えるならなんだって…あ、いや!お前から貰えるならっつーことな?」はいはいと投げやりな返事をして、絆されていると改めて実感した。お腹に回された手も、わざとらしいキスも、何もかもが愛おしい。


💉「正直に言ってほしい。私にはもう……飽きてしまった?」やはり、年の差がある恋愛は難しいのだろうか。若い者同士…の方がよいのだろうか。辟易した様子の彼を見て彼女は驚き、突然どうしたのかと問う。「そうだね…突然こんなこと……いや…」頭を抱え込む彼。隣に腰掛け肩を摩るれば手を掴まれた。指を絡ませながら彼は言う「この前…男の人と一緒に買い物をしていたよね?」。一瞬考えた彼女の口からは、あー…お兄ちゃんだね、とありきたりな言い訳のような単語が。信じられないといった様子の彼を振り解き、まだ渡すはずではなかった小箱を渡した。「これは…?」再びソファに腰を下ろしながら“プレゼント”と答え、頬にキス。時折取り乱す彼を見るのは正に特別といった感じで、なんというか…悪くない。

🍸「あんね?俺っち昼間見ちゃったんだよね…」悲しそうな瞳。言い出しにくそうな様子。昼間…これらから推察するに、男友達と歩いていたのを見てしまっただとかそんなところだろう。「男の人と一緒にいた…?」はい、ドンピシャ。いました、いましたとも。貴方へのプレゼントを買っていましたとも。今にも泣き出しそうな彼には手っ取り早く説明して、物を渡して落ち着いてもらおう。なかなかに値が張ったし、何でもない日に渡したくはないが背に腹はかえられない。事の顛末を告げ小包を渡せば、太陽のような笑顔が彼に帰ってきた。「俺っちに?これ、俺っちに?!」先程までの感情を忘れたかのようだけれども、きっと傷付いているに違いない。とびきり優しくしてあげなければ。

👔「……なあ、俺ってもしかして捨てられる?」ソファに並び、テレビを見ながらボソリと一言。あまりにも唐突な一言に目を見開く。日頃の疲れ?会えない事への不安?もしかして飽きた?彼女は思考を巡らせたが答えは出ない。何かあったのかと聞いてみたが「いや……」と歯切れの悪い返答。ならば、いつも頑張っている彼にと用意したアレを、少し早いが渡してしまおう。突然だけどと切り出し、小さな包みを手渡した。「……俺に?」他に誰がと笑いながら答える。そこで彼は「あ」と一言。「もしかしてこれ…この前男の人と……選んでたやつ…?」え、見てた?と返せば彼は得意の自己嫌悪へと落ちる。暫くして、「……気ぃ遣わせちゃってゴメン」と甘く貪るように唇を求めた。

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