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#hpmiプラスまとめ(201812)

告白だと気付いてもらえなかった男子

2018/12/20 18:50
1️⃣「あ〜……もっかいだけ言うな?」笑顔を崩さず一呼吸、「貴女のことが好きなので…恋人になってください」。先程の回りくどい言い方はやめた。伝わらないのならば伝えていないのと大差ない。そもそも遠回しなやり方などは性に合わない。流石に理解した彼女の顔は徐々に赤くなる。どうやら今度は伝わったようだ。小さく頷き紡がれた、よろしくお願いしますの一言。「っはぁー…!緊張した!」我慢できずに吐き出せば、くつくつと笑ういつもの姿があった。「わ、笑うなよ…お前ンせいだかんな!」

2️⃣きょとんとしたままの彼女に言う、ムードも色気もない言葉。「だーかーらー、好きだっつってんの!」駄々を捏ねるかのようなそれは、後から思えば酷く不格好だ。けれども伝わらないくらいならば、伝わりすぎてしまってもいっそのこと構わない。「わかんねぇ?」わかんねぇなら何度でも言う、心の中でそう続けた。だが3度目の告白の出番はなく、彼女の返事に終息させられる。「わ、わかってんならいいんだよ…あ、その……よろしく」勢いを失ったアグレッシブな心情は肩透かしを喰らい、やはり格好いいとは言えない態度となって発露した。

3️⃣「に、二度も言わせないでください!」好きな子相手では強くも出られず、緊張も堪えられず、頬は紅く染まり行く。言わせるなと口にした手前矛盾してしまうが、「あなたが…好きなんです」と今一度告げる。目を丸く見開いたのち、嬉しそうに目を細めた彼女。嬉しそうにというのは幻覚ではないはずだ。はっきりと聞こえた彼女の声が幻聴でないのならば。「……じゃあ、今から恋人ってことで」いいんですよね?と目配せをすれば、優しく湾曲した瞳と視線がぶつかった。今まで以上に魅力的に映るその姿。恋は盲目とはいうが、結ばれた身でさえそれは続くのか。否、加速している気さえした。


🐴「特別にもう一度だけ言ってやる。俺様の女になれ」恐らくその“俺様の女”という言葉を理解していないのだ。彼はそれに気付かず、どうだと言わんばかりに睨め付ける。きっとその表情も良くない。なんというか威圧的だ。恐る恐る、彼女は控えめに言葉の意味を問う。まじか、という一言を飲み込み「俺…の、彼女になってほしいっつー意味、だよ…」と解説。告白の台詞を説明するなど恥ずかしいことこの上ない。合点がいき笑顔を咲かせた彼女は彼の手を取った。「今からお前は…俺様の女だ。わ、わかったな」はいはい、と笑われるのはなんだかむず痒い。

🐰「はぁ…そんな間の抜けたところも好きですよ」まだだ、まだ、猫は被ったまま。言葉の意味を理解していないのならば尚のこと都合がいい。これで断られたとしても、素の性格、即ち本当の自分が好かれなかった、つまり遅かれ早かれ終わっていたのだから。「……俺の恋人になって欲しいって言ってんだよ。これでわかったか?」顔の横、壁に手を付き逃げ場を奪う。さあ、どう転ぶか。ジワリと伝う背中の汗。小さな頷きはYESの意味だろうか。半信半疑で口にした「俺と…付き合ってくれんのか?」。

🐦「……好きなんだ、○○のことが」ここまではっきり述べられて、それでも解らぬのならばそれまでだ。2人には縁が無かったということ。先までの間の抜けた顔ではなく、歓喜により開かれた眼にはジワリと涙が。口を手で覆い、何度も何度も頷く。「それでは解らないだろう」手を外し、否定などしない唇にそっと口付けた。いきなりこれでは順序を飛ばし過ぎやもしれぬと頭をよぎったが、そんなものは通説でしかなかろう。結ばれてすぐに唇を重ねてはならないなど誰が決めた。「きっと、小官達ならば幸せになれる」


🍭「もしかして、僕のこと男として見てない?」突然何の話かと思うや否や、「○○ちゃんのことが好きだよ…性的な意味で」と、やはり真実とは取れない言葉が続いた。性的な意味とはつまり…引く手数多、選り取り見取りの彼が数いる女性の中から彼女を選んだということ。だが彼女は信じない。だって自分は“お姉さん”のうちの一人。けれどさっき、名を呼ばれた。「ねぇ、聞こえなかった?僕、○○ちゃんのことが好きなの」ほらまた、名前を呼んだ。気持ちに応えても良いのだろうかと逡巡する。否、早く、彼が飽きる前に、立ち去る前に答えなくては。

📚「これは嘘ではないのですが…どうやら信じて頂けていないようですね」ふうっと吐いた溜息もまた胡散臭い。其れがまた魅力的でもあるのだが、彼には言わない。言えない。先程の告白が嘘ではないのならばどれだけ幸せだっただろう。「聞いてます?小生、貴女が好きだと申しているのですよ?」聞こえてます、聞いてます、ちゃんと届いてます。だけどそれは嘘なのでしょう。だから彼女は知らんぷりをした。「この分からず屋め」低い、聞きなれない声ははっきりと続ける「お前が好きだと言っているのが解らないのか?」。それでも尚解らないのならば、強情なその唇を奪ってしまおうか。

🎲「ったくにぶちんだなー!好きなの!俺が!お前のこと!」肩を掴み大きく揺らし、再び言う「好き!」。じわりじわりと込み上げる、歓喜と羞恥とその他諸々。「お前も俺のこと好きだろ?!」当然好きである為彼女は頷く。ニカッと笑う彼の笑顔が大好きだ。「そーしそーあいだな!」そう言って笑う彼に思い切り飛び付いた。知っていたが、結構がっちりしているのだ。ぎゅっと抱き締め「案外積極的、なんだな」などと優しい声が耳に触れる。慌てて離れようとしたが時すでに遅しとは正に、だ。


💉「医者としてでも社交辞令でもないよ。一人の男として、君に恋をしてしまったんだ。そういう意味で、お付き合い頂けないかな?」わざわざ全て、事細かに説明させてしまった。此れはもう見て見ぬ振りなど出来ない。見て見ぬ振りをした訳ではないが。いつもの優しい表情ではなく、少し物哀しい、疲れと憂いを帯びた瞳と目が合わさる。「迷惑だったら断わって」との言葉を即座に否定した。迷惑など微塵もない。“嬉しい”以外の気持ちは何処かへ行ってしまった。「……じゃあ、私の恋人になってくれるのかな?」さあ、此処から愛を始めよう。

🍸「お……俺っちが告ったのに?!気付いてねぇのォ?!」驚きのあまり眼を見開いた。そして込み上げる哀しい感情。考えてみれば、本気の恋など初めてかもしれない。なのにそれが届かなかった。涙腺は燻り出す。「だめ、かな?○○ちゃんなら…○○ちゃんと、なら……」そう思えたから告白したのだけど。彼女は問う、いつも繰り返している“大好き”とは違うのかと。そういえば、離れて欲しくないが為に日頃から好きと伝えていたっけ。でも…「ちょい違う……今日のは、マジで超本気のやつ。俺っちと…付き合ってください」、そういう意味のやつ。

👔「あー……いや…いいや」解ってくれなかったならいいや。伝わらなかったならいいや。悪いのは自分だし、いいや。この恋はここでおしまい、火は点かずに鎮火した。少し悲しいが仕方ない。胸の奥が痛むが仕方ない。その表情を汲み取ったのか、表情から言葉の意味を察したのか、彼女は今一度聞かせてほしいと告げた。「じゃ、言う……」先程よりももっと、わかりやすく、ストレートに。歯切れが良いのは得意ではない。得意ではないけれど、やらねばならない時もある。そこはほら、一応営業マンですし。「好きです。俺の、恋人になってほしい」

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